暗黙知の形式知化の最前線:AI駆動経営がもたらす現場変革
株式会社エムニ
- 下野 祐太
博報堂DYホールディングス
株式会社Magicx consulting
博報堂DYホールディングス 執行役員CAIO 兼 Human-Centered AI Institute代表の森正弥が、業界をリードするトップ人材と語り合うシリーズ対談「Human-Centered AI Insights」。今回はMagicx Consulting 執行役員 CAIOの中原柊とともに、松尾研究室発かつ
動くプロトタイプを示して初めて、真の暗黙知が見えてくる 森 まずは下野さんのこれまでの取り組みや、エムニについて教えていただけますか。 下野 私は京都大学の出身で、大学在学中には株式会社松尾研究所に学生インターンとして約3年間、製造業のAIの社会実装に携わりました。エンジニア、PM、セールスというさ
“レジェンドの再現”ではなく、“組織の継続と成果”を目指す 中原 とくに製造業のお客様との対話で多いのですが、高齢化や人材不足が進む中で、「この業務を担当できる人があと数人しかいない」という事業の継続性に関わるご相談を受けることがあります。その場合、暗
8割の「土台」はAIで自動化し、残り2割の「ディテール」に人間が切り込む 森 現場のキーマンにプロジェクトの意義を正しく理解してもらい、信頼を得るために留意されているポイントは何でしょうか? 下野 熟練者の方々に共感することが大切だと考えています。その人やこれまでの会社の「歴史」への共感という姿勢で
「知財×AI」で思考のPDCAを高速化するAI駆動経営へ 森 製造業などの開発現場では、知財や特許周りの膨大なリサーチをAIが担う「知財×AI」の活用も進んでいると伺っています。こうした中で、下野さんが提唱される「AI駆動経営」の姿について教えてください。 下野 知財業務とL
あくまで「人間が主役」のプロダクト。超高齢社会の課題にテクノロジーでアプローチするRADIO TIME MACHINE
ラジオのダイヤルを回すと流れてくるのは、なつかしいあの頃のニュースや音楽…。TBWA\HAKUHODOが開発した「RADIO TIME MACHINE(ラジオタイムマシーン)」は、超高齢社会を迎えた日本の課題にテクノロジーでアプローチするために生まれたAIラジオです。生成AIを単なる業務効
チームの定例会議から生まれたアイデア。「周波数メーターが年代グラフに見えた」ことが糸口に-はじめにRADIO TIME MACHINEのアイデアが生まれた経緯から教えてください。 新目 TBWA\HAKUHODOは、クリエイティビティで世の中に「意味ある変化」をもたらすことがミッション。僕らのチームも月
「ラジオらしさ」と、AIだけに頼らない「人を介したコンテンツ選定」にこだわり-開発をすすめるうえで大切にしたポイントは? 新目 「ラジオの体験」とはどんなものであるかをひとつひとつ詰めて考えました。チャンネルを変える動作ひとつとっても、スキップボタンで飛ばすのではなく、ラジオをチューニングするのと同
30人分のボイスクローンから年代に応じた話し方を生成。「力士」の名前も正しく読める工夫を-選曲やどんなトピックを選ぶかにも人の目を大切にしているのですね。かなり大変な作業のように思いますが、ほかにも苦労されたところはありますか? 黒川 3年前の開発当初はいまほどAIの性能が高くなく、原稿生成の部分に
高齢者だけでなく、介護を担う人のサポートにも。全国の介護施設から問い合わせが-利用者さまの声を開発に活かしたということですが、実際に体験いただいた際の印象的なエピソードがあれば教えてください。 鈴木 昔のニュースを聞くことで当時の記憶が蘇ったようで、身振り手振りをつけてたくさん思い出話をしてくださる
プロトタイプ先行型が奏功。今後も多くのパートナーとプロジェクトを推し進めたい-さいごに、このプロジェクトを通じての気づきや今後の展望などをお聞かせください。 渡辺 ニチイ学館との実証実験のなかで、表情や身体の動き、発話の量などを独自に分析してきたのですが、今後は北里大学の先生方と学術論文の発表を見据
AI時代のブランディング ~ブランドは『印』から『命』へ。AIエージェントが変える生活者との新たな絆~【後編】
博報堂DYホールディングス
生成AIの発展により、マーケティングやクリエイティブのプロセスは劇的な変化を遂げています。しかし、効率化や最適化が進む一方で、AIが「AIエージェント」として自律的に動く時代には、企業と生活者の関係性そのものが大きく変わろうとしています。本記事では、博報堂DYグループが主催する“生活者デ
AIによる「ブランドの同質化」への懸念 中島 ここからは、前編で挙がった「共創エージェント」「友達になりたいと思えるブランドのAIエージェント」をどのように作っていくのか、まさに今私たちが進めている事例をご紹介いたします。AI時代に、今の環境変化をあえてブランド側から見ていくと、「ブランドの同質化」
賢さよりも「想いと偏愛」を持つAIエージェント「tsubuchigAI」 中島 そんなAIエージェントを当社独自にプロトタイプしてみました。「いっしょに話そう。tsubuchigAI」というもので、博報堂には「粒ぞろいより粒ちがい」という人材に対する考え方があるのですが、そのカルチャーを体現したAI
「ブランドらしいAI」を実装するための6つのTIPS 中島 ここからは、実際に作ってみて得られた気づきをお話しします。 「ブランドらしいAI」のクリエイティブは2層に分けられると考えています。 1つ目は「AI Engineering」。AI自体の設計です。 そして2つ目は、「AI Experience」
Q&Aセッション――本日の話でBtoCビジネスにおけるAIエージェントの有用性はイメージできましたが、生活者と直接繋がりのないBtoBビジネスではAIエージェントは活用できるのでしょうか? 森 BtoBビジネスにおいてもAIエージェントは非常に有用と言えるでしょう。取引先との業務プロセスを自
メタバース生活者たちと共にデジタル世界のこれからを考える vol.7~メタバース生活者と表現(すること)」~最先端テクノロジーでひらく伝統文化の未来
歌人
- 堀 隆博(タカン・ポー)
博報堂は、2024年11月にメタバース空間における新しい生活者価値の創出と、イノベーションを生み出すことを目指し、研究員全員がメタバース生活者当事者によって構成されたコミュニティ型プロジェクト「メタバース生活者ラボ™」を設立しました。本連載では、メタバース生活者ラボの理念に共感いただいて
短歌歴40年の歌人がメタバースの世界へ入った背景とは 瀧﨑 メタバース生活者ラボでは、現実の名前や人格とは異なる“もう一人の自分”を持って活動している方々を「メタバース生活者」と定義し、メタバース生活の価値の研究を行っています。 タカン・ポーさんは、「表現する」というジャンル
メタバースで変わった短歌との向き合い方 瀧﨑 短歌があったからこそ、逆に抵抗を感じずにメタバースを始められたのかもしれませんね。実際に作られた作品で、見せて頂けるものがございましたらぜひご紹介ください。 タカン・ポー 最初のワールドは、自分の歌集の発売に合わせて制作したのですが、内容としては画像が動
三次元の空間に入って体験する感覚はSNSでは味わえない 瀧﨑 まさに今のお話に関連して、メディアとしての反響という観点でお伺いしたいのですが、例えば「胸キュン短歌」がXでバズって若い世代に広まったように、これまで短歌の拡散や受容の中心にはSNSがあったと思います。短歌にとって、SNSとメタバースの違
現実ではためらってしまうことも、アバターの姿なら自由に表現できる 瀧﨑 メタバースなら、現実の自分とは違う“もう一人の自分”として振る舞えるからこそ、これまで恥ずかしくて言えなかった内容も、短歌として素直に表現できる気がします。そういう意味では、表現したいのにできなかった人た
クリエイターエコノミーの仕組みづくりがメタバースの発展に不可欠 瀧﨑 今回のお話を受けて、最近は企業でもメタバースに関心を持つところが増えていますが、「そこには生身の人がいる」という視点がとても重要だとあらためて感じました。単なる“イベント用のハコ”としてではなく、生身の人が
テレビの枠を超え、地域に愛される存在へ 山梨放送と高知放送が挑むTikTok活用の最前線
山梨放送
- 前田 真宏
高知放送
- 田所 明憲
博報堂
生活者のメディア環境が変わる中、放送局にもテレビの枠を超え、生活者のコミュニケーション変化に寄り添う姿勢が求められています。県の魅力を発信することが求められる地域の放送局においても、プラットフォームを通じて新たな接点を生み出し、ビジネスの起点を作っていく必要性が高まる一方、制約の多い現場で新しい挑戦
地元クリエイターとの共創が、海外に目を向けるきっかけになった——新しい収益機会の創出は地域の放送局にとって大きなテーマになっているのでしょうか。 貝島 はい、多くの地域の放送局にとって重要なテーマです。ただ、こうした新しい挑戦には多額の費用や工数がかかると思われがちで、さらに
愛されるおじさん社員のIP化は、失敗を恐れないカルチャーから生まれた——RKCのTikTokプロジェクトが始まったきっかけを教えてください。 田所 「RKCには加茂さんっていう面白い社員がいるよね。その人を使ってTikTokで何かできない?」と提案をいただいたのが始まりです。
2つの挑戦から見えた、新しい放送局の可能性——お互いの取り組みを聞いて、どのように感じましたか。 前田 高知県と山梨県は同じくらいの規模感ですし、共感できる部分が非常に多かったです。特に、歴史あるRKCさんだからこその遊び心は見習うべきだと感じました。何が話題になるか分からな
マーケティングシステムの今~マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.27】「戦略と実行のギャップ」を乗り越える。FDMが牽引する博報堂のマーケティングプロセスオーケストレーション
博報堂
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、
1. 多くの企業が直面する「戦略と実行のギャップ」の壁近年、多くのクライアント企業の宣伝・マーケティング・情報システム部門・事業部・経営企画担当者様とお話しする中で、「戦略と実行のギャップ」に関する切実な課題を頻繁に耳にするようになりました。外部の専門家を交えて大規模なプロジェクトを立ち上げ、綿密な戦
2. 博報堂が提唱する「マーケティングプロセスオーケストレーション」このような課題に対し、我々博報堂のマーシス局は、ブランドの持続的成長を実現するための独自のアプローチとして「マーケティングプロセスオーケストレーション」を提唱し、実践しています。これは、従来分断されがちであった「マーケティングコミュニ
3. 実行格差を埋める次世代の鍵「FDM(Forward Deployed Marketer)」この「マーケティングプロセスオーケストレーション」を現場で強力に推進し、我々が目指す次世代のコンサルティング領域を生み出すうえで、今、極めて重要な役割を果たしている存在があります。それが「Forward Depl
4. 実務家集団による横断体制が生み出す「博報堂流コンサルティング」FDMがハブとなり、3つの領域を横断した体制でご提供することで、近年我々は非常に多くのビジネスインパクトを創出しています。例えば、あるクライアントの案件では、当初はマーケティングコミュニケーション(広告運用やプロモーション)の領域から
5. おわりにこれからのAI・データ時代において、マーケティングシステムはただ「導入すること」から「どう使いこなし、いかに速く組織として学習するか」が問われるフェーズに入っています。戦略と実行の分断を放置したままでは、いかに優れたツールも機能しません。事業を真のグロースへと導くためには、全体を俯瞰して
【大阪会場+オンライン配信にて開催】 企業の新規事業はどう成功するのか? ~大和リースとスタートアップに学ぶ、共創と事業化のリアル~
「共創に取り組んでもPoC(実証実験)で終わってしまう……」「具体的な事業化の壁をどうしても越えられない」そんな新規事業の“リアルな課題”を突破するためのセミナーを開催します!今回は、関西からイノベーションを牽引する「生態会」と「大広」のナビゲート
ヒット習慣予報 vol.422『半分生活』
博報堂
ヒット習慣メーカーズの中川です。酷暑が続いたと思ったら、三十度を切る日が続く。そうなるととても涼しく感じるから不思議です。涼しくなると外に出たくなるし、そうでない日は家に籠りたくなる。働き方もリモートワークがいいなと思う日もあれば、出社して仕事のリズムを整えたいと思う日もある。はたまた午前は会社で午
プラットフォームと共創する「生活者インサイト」の捉え方 vol.4~ユーザーの生活に音で寄り添う。Spotifyだからこそ可能なアプローチ
スポティファイジャパン株式会社
- 橋本 昇平
X、Instagram、TikTok、Spotify、YouTube――いまやプラットフォームは単なるメディアを超え、生活者の感情や行動がリアルタイムに交錯する「生活インフラ」へと進化しました。そこで求められるのは、クリエイティブにおける“二刀流”の視点です。ブランドの意志を
Spotifyは「1日のあらゆるシーンで没入して聴ける場所」――今回はSpotifyと、Spotifyにかかわりの深いクリエイターとともに、音声広告の可能性をお話ししていきます。橋本さんは日本の広告事業部で「Creative Lab」というチームを率いておられますね。 橋本 はい。私たちのチームはSp
広告が「割り込み」ではなく「体験の一部」に――音声広告は、他のメディアの広告と比べて、どのような点が特徴的なのでしょうか? 橋本 最大の特徴は、30秒間の広告がスキップされず、音楽の流れの延長として独占的に届くことです。 スキップできる広告は、短時間にどれだけ情報を詰め込むかという勝負にもなりがちで
ガムを「集中ツール」に再定義:ロッテ『Shu-Chew Beats』――そのモーメントを捉えた具体例として、Spotify Hits Japan 2025では、ロッテさんのキャンペーン『Shu-Chew Beats』がファイナリストに選ばれたそうですね。 橋本 はい。2024年から実施しているSpotify広
ターゲットが「集中したい」モーメントに、BGMとして寄り添う――具体的にどのような「音」を作られたのでしょうか。 大井 脳科学者の方の監修のもと、集中効果のある3つのテンポ(BPM 140/120/66)を導き出しました。例えば、BPM140は作業効率を上げるためのアップテンポなもの、BPM120は心
科学的根拠と高いクオリティでインサイトに応える――データや科学的な裏付けという点では、どのような手応えがありましたか? 大井 「専門家が監修した集中できる音楽があれば活用したい」というニーズが約7割に上ることが調査で分かっていました。発信側の独りよがりではなく、脳科学の論文や監修に基づくことで、ユー
音だけで、どこまで人の心を動かせるか。チーム力で挑む音声広告の未来――では今後、博報堂とSpotifyさんとで取り組んでいく、新しい音声表現の形について教えてください。 石下 現在、私たちのコピーライターチームとSpotifyさんで、「音を使ってどこまで新しい表現に挑めるか」をテーマに、セミナーや勉
AIがもたらす生活価値デザインの未来。人間の主体性を奪わない「余白の持たせ方」と「視点の与え方」後編
博報堂DYホールディングス
博報堂
生成AIの社会浸透に伴う、人間とテクノロジーの新たな関係性を紐解く書籍の出版記念対談の後編。前編では、生活者視点から「愛着AI」の現状やグローバルな規制動向を見つめ、「生活価値デザイナー」へと進化するAIの可能性と、それに伴う「AI浅慮」を防ぐ方法について議論しました。後編では、AIとの関わりの中で
ユーザーの主体性を奪わない“余白”をいかに設計するか 山本 本書の第3章では「CES 2026」のレポートも記載していますが、そのなかで特に印象に残ったのはボッシュ(BOSCH)のキッチンに対するAIの考え方でした。彼らが目指しているのは、「AIがすべてを自動でやってくれるキッ
AI時代は「もっと先へ」と掘り下げていく体力が大事になる 山本 そうなると、生活の中には人間が自分で工夫したり選んだりする余地が残っていたほうが、むしろ楽しさにつながるのではないかと思いますね。エージェントが何でも自動化するのではなく、「ここはあえて人が工夫できる余白を残す」といった方向に進化してい
AIへのディレクションで最も大切な「視点の設計」 森 私が一番大事だと思っているのは、「視点(パースペクティブ)」です。AIにないもので、人間らしさの核と言えるのは、まさにこの視点だと思います。AIは膨大なデータと推論能力を持っていますが、基本的には特定の視点を持っているわけではなく、あらゆる視点に


