対談〈AI PARTNERS〉第9回 「AI Ready」の時代における価値提供のあり方や仕事の進め方
読売広告社
博報堂DYホールディングス
博報堂DYグループのAI研究の拠点「Human-Centered AI Institute」の代表である森正弥が、博報堂DYグループがAIに取り組む意義、また企業のパートナーとして提供できる価値について対話を通じて掘り下げていく連載〈AI PARTNERS〉 。今回は読売広告社デジタルコンサルティングセンタ
企業のパーパスやDNAに沿ってAIが判断する時代へ 森 目まぐるしく変化するAI技術ですが、読売広告社(以下、YOMIKO)では現状の市場環境をどのように捉えていますか? 立田 AI技術の進化が加速する中で、YOMIKOでは「GAME CHANGE PARTNER」というビジョンを掲げ、クライアントの事
企業のパーパスは「AI前提」へアップデートする 森 少し気が早い話かもしれませんが、逆の見方で考えてみると、企業のパーパス自体も、AIエージェントがパーパスを遵守しながら行動することを前提に設計しなければならないという話になってきますよね。パーパスも 「AI Ready」の時代に入ってくると考えると、す
人間とAIが共鳴する“ソフトな距離感”を理解しておく 森 社員のAI活用についてはどのようにお考えですか? 立田 人間の頭脳と違って、AIは常にアップデートされてパフォーマンスが向上していくので、その時点で最も優れたAIを引き出して業務に活用できることが重要です。クライアント
データ・クリエイティブ対談【第16弾】「目的」と「思い」がテクノロジー選択の基準となる ゲスト:テクノコア 松尾公也氏
株式会社テクノコア
- 松尾 公也氏
各界の識者を招き、広告ビジネスを越えたテクノロジーやデータ活用のあり方について対話する連載「データ・クリエイティブ対談」。今回は、長年テクノロジーメディアに関わりながら、独自のコンテンツ制作と発信を続けている松尾公也さんともに、テクノロジーと「人」や「思い」の関係について語り合いました。松尾 公也氏テ
亡き妻の声や姿を再現するプロジェクト 島野 対談コンテンツ「データ・クリエイティブ対談」は今回で16回目となります。今回は、「テクノエッジ」編集部 シニアエディターとして活躍している松尾公也さんをお招きしました。松尾さんはテクノロジー領域の編集者・ライターとして活躍される一方で、近年は生成AIの可能性
生成AIで「その人らしさ」を再現するには 篠田 僕から松尾さんにお聞きしたいテーマは、大きく3つあります。1つ目が、「その人らしさとは何か」というテーマです。僕は広告会社におけるデータサイエンティストという立場で、テレビ番組制作や観光プロモーションにAIを活用する仕事に取り組んでいます。直近では、過
GPSデータによって思い出が可視化される 篠田 お聞きしたい2つ目のテーマは「データの使い方」です。「妻音源とりちゃん」の制作には、写真、イラスト、音声など、奥様が残されたさまざまなデータを使われています。そういった貴重なデータがあるからこそ、生成AIを使って優れたアウトプットを生み出すことができる
「何をやりたいか」という問いの重要性 篠田 最後に3つ目のテーマをお聞きしていきたいと思います。「最新のテクノロジーへのキャッチアップの方法」というテーマです。僕は今、データテクノロジー部という部署のリーダーを務めています。メンバーは12人いて、週に1回の部会でそれぞれがテクノロジーに関する最新のニ
「声」が企業の宝になる日 ~AI × ボイスソリューションが実現する商談力アップの方法とは? ~
デジタル変革の次なるフロンティアは、これまで見過ごされてきた「音声データ」です。 単なる効率化を超え、顧客の感情や市場の動向といった生きた知見の宝庫である音声は、企業の競争優位性を決定づける戦略的な資産となりつつあります。本セミナーでは、音声データがもたらす革新的な可能性と、それを戦略的に活用するため
LINEヤフーとの協業で始動した「Butterfly project」。データ活用で見えてきた適材適所のタレントキャスティング
LINE株式会社
- 湯川 小春氏
博報堂とLINEヤフーは、両社の保有するデータを掛け合わせたフルファネルマーケティングの強化を目的に、2025年7月31日に協業を発表しました。関連リリース:博報堂、LINEヤフーとフルファネルマーケティングの強化を目的に協業し、潜在層アプローチからLTV向上までの施策を最適化する「AaaS wit
LINEヤフーのデータ活用で感覚に頼らない“意思決定”が可能に── はじめに、自己紹介と今回の取り組みでの役割を教えてください。 永作 私はプラットフォーマー戦略局に所属していて、初任配属からずっとプラットフォーマー関連のデータを扱ってきました。私たちの役割は、デジタルプラット
キャスティングを最適化できる仕組みでファンやスポンサー獲得を支援── 今回の取り組みについて詳しく教えてください。 永作 今回の取り組みはサッカークラブの事例だったのですが、キャスティングの成否を決めるのは、ファンがどう受け止めるかだと私は捉えています。コンテンツとタレントの「相性」を測るうえでは、フ
生活に根ざしたYahoo!ニュースのフォローデータから「ファン度」を可視化する── 今回の取り組みを実践してみての気づきや良かった点は何ですか? 永作 分析結果が出てきた時に、ある種予想通りのところも多かったんですが、「自分の感覚で捉えていたことが数字として裏付けられた」のは大きかったですね。 感覚的
データとコンテンツの融合がもたらす「新しい価値」── 今後データを使った取り組みをどう広げていきたいか、それぞれの思いをお聞かせください。 永作 自分自身、コンテンツビジネスを盛り上げることには強い関心がありますが、以前まではデータやデジタルとコンテンツがうまく結びついているイメージがあまりなく、どち
縦型ショートドラマ配信アプリ「UniReel」に見る、縦型動画の制作の秘訣とは ~プロデューサーと演者が語る!「職場ギャンブラー」の舞台裏~
博報堂
メディアの多様化が進む今。一人ひとりのユーザーの心をつかみ、深く響くコンテンツの生み出し方、その届け方もまた多様化しています。メディア企業に限らず、事業会社を含めて多くの企業が事業運営の一環として“コンテンツ”の提供に取り組む中、博報堂でもこのテーマを模索しています。縦型ショ
ある日突然、ギャンブルに巻き込まれる?!「職場ギャンブラー」――2025年4月、「UniReel」にて配信がスタートした作品「職場ギャンブラー」について、まず、あらすじを教えてください。「職場ギャンブラー」キービジュアル 加藤 このドラマは、ごく普通の会社を舞台に、社員たちがボーナスを賭けて戦うこと
縦型ショートならではの、尺と画角の特徴――改めて、UniReelについて、またオリジナルドラマ制作の経緯について教えてください。 熊田 UniReelは、2024年11月にリリースされた、COL JAPANが運営する日本向けのショートドラマアプリです。COL JAPANは中国のCOLグループの日本法人で
アップの表情をいかに印象深くできるか――終わる間際、つまり次への興味をそそる最後のシーンが重要だということですね。 熊田 その通りです。テレビやタブレットよりも近い距離で見るスマホ、かつ縦動画になるので、短い時間の中で強く心に訴えるのが大事になるんです。おのずと、アップの表情が多くなってきますね。
飽きさせないための演出を随所に盛り込む――スマホでの視聴となると、すぐに他に興味がそがれて、離脱も多くなってしまうのではないですか? 熊田 そうですね。“タイパ”重視の傾向も意識しましたし、実際に流行っている動画も短い中にかなりの情報量が含まれているので、飽きさせない工夫は重
配信前からの話題づくりで反響も上々――配信前のPRや、実際の反響などはどうでしたか? 熊田 PRは、情報の出し方を工夫しながら、事前の盛り上がりを図りました。例えば、抽選で参加者を募って「『職場ギャンブラー』スペシャルオフラインイベント」を開催したり、TikTok上で実際のゲームのひとつ「名刺ジャン
「進化を続けるAaaS。5年目の現在地と次なる革新への挑戦」vol.1 テレビCMの注視率を踏まえた新指標の可能性とは
博報堂DYグループは2020年から「テレビ×デジタル」の統合プラニングを支援するAaaS(Advertising as a Service)を掲げ、次世代の広告メディアビジネスのデジタルトランスフォーメーションに取り組んできました。広告の成果を「量」から「質」へと捉え直す動きが加速し、テレビと
「量的指標」に加え「質的指標」で広告効果を可視化する── はじめに、おふたりの自己紹介をお願いします。 畠山 新卒から約8年間金融系のシステム開発に従事し、2023年4月から博報堂テクノロジーズに入社しました。入社当初はデジタル広告領域で、CTR予測ツールの開発に携わっていましたが、2024年よりテレ
注視率データを活用したアテンションの算出ロジックにこだわった── UI(画面)でこだわった点や、広告主が直感的に状況を把握できるような工夫があれば教えてください。 畠山 ダッシュボードのUI上では通常のGRPとアテンションを加味したGRPを両者並べて比較できるようにしています。見た目はシンプルな設計で
注視率を加味したリーチと生活者データの組み合わせがプラニングの質を高める── この機能を使うことで、メディアプラニングは具体的にどのように変わるのでしょうか? 畠山 従来はGRPやリーチを中心としたメディアプラニングが主流でしたが、そこに注視率を加味したアテンションリーチをモニタリングできるのが大きな
アテンションリーチの活用でテレビCMの投資効果を最適化── この機能をどのような企業に活用してもらいたいですか? 荒木 これまでリーチやGRPなどの指標を重視してきたナショナルクライアントの方々にはもちろん活用していただきたいですし、それ以外でも、「単にリーチを見るだけでなく、広告の効果をより深く理解
あらゆる広告効果を定量化し、全てを統合する「Tele-Digi AaaS」の未来── AaaSが目指す広告の未来、そしてその中でメディアが担う役割について、最後にお考えをお聞かせください。 荒木 私たちは2人ともテレデジ領域を担当していますが、実際に計測できる媒体とそうでない媒体が存在します。テレビに関
ヒット習慣予報 vol.384『新・社交場通い』
博報堂
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中林です。毎年10月になると、街にある金木犀の量に驚きます。インドア派も出かけたくなる気候になってきましたね。すこし遠回りして歩いて帰ったり、早起きして出かけてみたり、、、散歩がはかどる秋は、出会いの季節。季節問わず外出好きなわたしですが、最近街を歩いているうち、新
マーケティングシステムの今~マーケティング&ITの実務家集団が語る事業グロースへのヒント【vol.13】今マーケターが知っておくべきAIの技術トレンド・法則5選とマーケターが取るべきアクションとは
博報堂
マーケティング活動において、データとテクノロジーが果たす役割は年々高まっています。データ基盤整備やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)活用、マーケティングオートメーション、AI活用といった言葉は、もはや特別なものではなくなりました。一方で、それらを「実際の事業成長」に結びつけられている企業は、
◆はじめに生成AIが注目されるようになって数年が経過し、これまでのITツールをはるかに超える速度で普及し進化してきたことは、多くの方が感じていることだと思います。マーケティングを始めとしたビジネス業務では、これまでも多くの技術が登場し、時には変革を推進し、時には残念ながら期待外れに終わってしまうもの
◆1つ目:いつまでにAIは何割の仕事を自動化するのか?まず一つ目は、元OpenAI・DeepMind研究者のBeth Barnesが率いる非営利研究組織で、OpenAIやAnthropicなどの主要AI企業と協力してAIシステムの安全性評価を行う第三者機関METRチームが発表した、「AI版ムーアの法則
◆2つ目:AIの電力消費急増が企業に求める変化次に注目すべきは、RAND Corporation(アメリカの政策シンクタンク)が発表した『AI's Power Requirements Under Exponential Growth』です。この研究は、AI開発競争の裏で進行している「電力消費の爆発的増
◆3つ目:データ品質管理の新常識「重複リスク」への対応3つ目は、Anthropic社のAmanda Askell氏らが発表した『Scaling Laws and Interpretability of Learning from Repeated Data』です。この研究は、AIの性能を大きく低下させる「意外な盲点」
◆4つ目:「人間データ時代」から「経験学習時代」への大転換4つ目は、Google DeepMindが提唱する『The Era of Experience』です。この論文は、AI発展の根本的なパラダイムシフトを予測した重要な研究です。これまでのAIは主に「人間が作成したデータ」から学習していましたが、今後は「
◆5つ目:AI導入の現実「95%が失敗している」という厳しい実態最後は、MIT Media Lab/Project NANDAが発表した『The GenAI Divide: State of AI in Business 2025』です。この研究は、AI導入の「理想」と「現実」の大きなギャップを数値で示した衝撃的なレポー
◆マーケターが今取るべき3つのアクションこれらの5つの論文から、マーケターが現在準備すべき具体的なアクションが見えてきます。1.短期(1年以内):失敗パターンの回避95%が失敗するAI導入を避けるため、技術検討だけでなく既存ワークフローとの統合、法務・ガバナンス体制の整備を先行して進める2.中期(2
博報堂+ PwCコンサルティング共同企画『NRF 2025: Retail's Big Show Europe事後報告会』
9/15~9/17パリで開催されましたNRF Europe 2025における視察内容を広く国内へ共有し、国内の小売業界の発展に貢献することを目的に、博報堂・PwC コンサルティング合同会社と共催で事後報告会を開催いたします。当日は欧州市場における小売業界の概況や現地での注目テーマ・トレンドなどを独自の視点
「人間中心のAI」を映像で描く
博報堂DYホールディングス
博報堂
博報堂DYグループのChief AI Officerであり、AIに関する先端研究機関「Human-Centered AI Institute (HCAI Institute)」所長の森 正弥が、グループのソリューションを紹介し、そのトップランナーと語り合うシリーズ対談「Human-Centered AI Works」
「理系出身×コピーライター」の異色キャリアからAI活用の最前線へ 森 まずは横山さんのキャリアと自己紹介をお願いします。 横山 私は中学生の頃から独学でプログラミングを始めたんですが、大学では素粒子物理学を専攻し、実験データの収集や解析はもちろん、実験を動かすためのバックエンドシステムの
AIありきではなく「表現の最適化」に重きを置いた制作手法 森 大学での知見をベースに、クリエイティブの世界に携わり、その過程で「コンピューティング×クリエイティブ」という視点で広告制作をされるようになったわけですね。こうしたなかで、HCAIのブランドムービーを制作いただきました。HCAI
AIが生成する「綺麗なゴミ」を見極める審美眼の重要性 森 やはり、技術の特性や限界をしっかり見極めたうえで活用するという姿勢が大切ですよね。AI技術のキャッチアップでは「何ができるか」「どんな機能があるか」といったことに目が行きがちですが、本当に重要なのは「どの部分をAIに委ねて、どの部分を自分たち
AI時代のクリエイターに求められる3つの力と心身の健康 森 近年、様々な分野で「チームでAIを導入するとパフォーマンスは向上するのか、それとも低下するのか」という調査分析が結構されているのですが、結論としては多くのケースで「AIを使うことでチーム全体のパフォーマンスが低下する」という傾向が示されてい


