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ヒット習慣予報 vol.334『セカンドハーフセレモニー』
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ヒット習慣予報 vol.334『セカンドハーフセレモニー』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの村山です。

とにかく暑い夏がいよいよ終わりに近づき、秋の気配がし始めましたね。夏が大好きなので、毎年夏が終わると今年1年が終わりにむかっていく寂しさにおそわれたり、夏にやり残したことを考えてしまったりと、どうしても後半もういっちょ頑張る気力を起こすのに時間がかかってしまいます。ただ、コップに半分はいった水を「半分しか」と捉えるか「半分も」と捉えるかで変わるように、視点ひとつで考え方もポジティブにもネガティブにも変わるものですよね。今回はそんな人生の「後半」に対する捉え方を見直す潮流「セカンドハーフセレモニー」について取り上げたいと思います。

「セカンドハーフセレモニー」とは読んで字のごとくではあるのですが、人生の「セカンドハーフ=後半」にいままでなかったようなセレモニーを実施することを指します。いよいよ日本が超高齢化社会に突入する2025年を目前にひかえ、人生100年時代という大きな生き方の変革に向き合わなければいけない今、人生のセカンドハーフを「終わりに向かう半分」と捉えるのではなく、「新しい始まりがある半分」と捉えなおすことで、より豊かな社会のあり方を模索することは意味があることだと思います。Googleトレンドでみても、2年前から「第二の人生」の検索数が徐々に右肩あがりになっているのが見て取れます。

「第二の人生」の検索数推移

出典:Googleトレンド

これまでもシニアを大賞にしたスポーツ大会は様々開催されてきており、特にゴルフは年齢関係なく楽しめるスポーツとして人気を集めてきました。その大会の表彰式として、セレモニーを開催することでシニア世代に注目があつまるのはニュースなどでも目にしたことがあるかもしれません。他にも高齢者ならではのあるあるをネタにどこか笑える川柳をつくったシニアを表彰するセレモニーなども定番でした。それが地方において、2010年代なかば頃から「元気に活躍するシニア」を表彰するセレモ二―が開催されはじめているようです。まさにセカンドハーフセレモニーとして、なにかジャンルやカテゴリーに限定することなく、若者からみてもすごい!と思うような観光スポットを新しく開発し地域活性に貢献したシニアが表彰されたりしているようです。このようなシニアを表彰するセレモニー以外にも、若者の青春の1ページとして定番の「卒業式」をシニア向けに開催する動きもでてきています。近年、シニア世代になっても生涯通じて「学び直し」を実施するリカレント教育にも注目が集まっていますが、まさに地域の大学をシニア向けに開放し、新しい大学生として受け入れる取り組みが広がってきているのです。取り組みの内容は地域や大学によって様々で、1年間の期間限定で研究やサークル活動を行う大学もあれば、2年間で地域や福祉などについて学び、卒業後はボランティア活動に従事することを目的にした大学などがあるようです。実際に卒業生が地域で防災教室を開催したり、高齢者施設で活動するなど成果もでているようです。僕の住んでいる地域でも小学校の登下校の時間にシニアの人が登下校のサポートをしている様子を目にすることがありますが、シニアの人が家の中に閉じこもるのではなく、年齢問わず社会で活躍する実態が広がっていくのはとても元気がでるものです。

さらに、シニアになってから、還暦や金婚式という節目のタイミングで熟年夫婦が改めて、「結婚式」を行うハッピーな取り組みも生まれてきているようです。熟年離婚が増えているなどのニュースを目にすることもありますが、結婚式用にきれいな服装に身を包むことでお互いの魅力に再度気づくきっかけになると同時に、いつまでたっても年齢らしい美しさと向き合うきっかけにもなるとてもいい潮流だと思いました。さらに、子どもがいる夫婦は子どもも成長しているので、家族の新しい記念にもなりますし、親に改めて感謝する機会になって家族の絆も深まりそうですよね。背景には若者世代の結婚式離れもあるようで、若者世代“だけ”のものだと思われていた結婚式が、まさに時代に合わせて結婚式が新たなあり方と意味をまとい始めているのではないかと感じました。

なぜ、このように「セカンドハーフセレモニー」に注目が集まっているのかもう少し考えて見たいと思います。1つは冒頭に申し上げたように、人生100年時代に突入するにあたって、人生「後半」の捉え直しがはじまっていることが大きいと思います。さらに、価値観が多様化していることも後押しになっているように感じます。シニアはこうでなければいけないといった「固定概念」を覆し、シニアが時代の最先端を走ったっていいじゃないか、とかシニアが若者よりも活躍してもいいじゃないか、とか、まさに多様な生き方が受け入れられる社会が近づいているように感じます。実際に、シニアのプログラマーが活躍するなど、若者でもできないことをやってのける人も登場していますよね。

最後に、「セカンドハーフセレモニー」のビジネスチャンスについて、少し考えてみたいと思います。

「セカンドハーフセレモニー」のビジネスチャンス例
■社会人30年で気持ちを新たに就職する「セカンド入社式」
■成人してから20年目で改めてお祝いする「セカンド成人式」
■高校卒業30年後に再び試合を行う「セカンド甲子園」

ぼくも人生100年時代、長い目で人生を設計しつつも、年をとっても楽しく生きられるようにまずはコツコツと目の前の仕事や家庭を大切に頑張っていきたいなと思います!

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    車からお菓子に至るまで様々なクライアントの情報戦略、企画立案に携わる。運動不足でたるみきった体と気持ちを鍛え直したいと思い、筋トレを始めました。