ヒット習慣予報 vol.321『透明感メイク』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。
私事ですが最近、出社の機会が増えてきています。1年前まではリモートだったことを考えると個人的には変化に驚いていますが、皆様はいかがでしょうか?出社の頻度が増えると、それに比例する形で増えるのがメイクをする頻度です。今、個人的に憧れているのは透明感のある顔なので、少しでもその理想に近づくべく日々のメイクでトライ&エラーを繰り返しています。
また今回、美容誌3誌の雑誌データを分析できるMDAMを活用して、約3年の間に「透明感」という言葉がどの程度登場したのかを見てみると、月毎のばらつきはありますがどの月も一定数「透明感」という言葉が使われていることがわかります。平均すると約330回/月。
こうしてみると透明感のある肌・顔は多くの人の関心事でもあるようです。今回はそんな透明感のある肌・顔に近づけるべく、こだわりを持って透明感をつくっていく習慣を「透明感メイク」としていくつかご紹介したいと思います。
まずは、あえて存在感を消すことで透明感をつくる「眉マスカラ」です。
眉マスカラとは、その名の通り眉に色を付けることを目的としたマスカラのようなメイクアイテムなのですが、Googleトレンドで見てみると近年注目度が上がってきていることがわかります。
また、実際に美容誌でどのような言葉とともに眉マスカラが取り上げられているのかを把握すべく、眉マスカラの共起語を見てみました。すると「BLEACH」や「ベージュ」「コンシーラー」「軽やか」といった眉の色を薄くし存在感を消せるような言葉や色味とともに語られていました。
顔のパーツで眉は大事な部分ですが、眉が濃すぎると顔全体としての透明感が消えがちになってしまいます。そこで存在感を薄めてナチュラルな眉にすることで顔の透明感を損なわないようにできることが注目されている理由なのではないでしょうか。
続いては、透明感を仕込める「プライマー」です。
プライマーとは化粧下地の中の一種で、毛穴や肌の凹凸、くすみなど肌のお悩みをカバーしてくれるメイクアイテムです。透明感のある肌は、潤いがあってキメが整った状態のなめらかでハリあるお肌のことなので、毛穴やくすみなどは透明感の大敵になってしまいます。
そこで、プライマーを活用して自身の持つ肌悩みを補正して肌の土台を整え、ファンデーションの効果を最大限発揮させることで、透明感のある顔に近づけられるのだとか。メイクの持ちにも影響するそうなので、プライマーのひと手間で透明感のある肌をキープしやすくなるのは嬉しいですよね。
最後は、透明感のある顔を仕上げるためにこだわる「メイクツール」です。
最近、ファンデーションやマスカラといったメイクアップ商品だけではなく、メイクを行う際の道具にまでこだわる人が増えてきています。実際に、反射率にこだわって自分の本当の肌の色を映し出してくれるという、ファンデーションやアイシャドウの塗りすぎや白浮きを防げる鏡や、メイクをする際の使用感にこだわったブラシ、自分が使用するファンデーションに適したパフなど様々なツールがSNS上でも話題になっています。
ではなぜこのような「透明感メイク」が広がりを見せているのでしょう。
ひとつは、コロナ禍で健康意識の高まりやマスク使用によって肌ケア意識も高まり、透明感のある肌を目指す人が増えた背景がある中でアフターコロナに突入し、メイクをして外出する機会が増えたこと。肌ケアは頑張れど、一朝一夕では変われない。だけど自分の理想の状態に少しでも近づきたいという思いから日々の生活においてメイクを活用して透明感をつくりたいと考える人が増えてきているのではないでしょうか。
また、多少お金や手間はかかるけれど、結果的に自分にとってポジティブにはたらくものを活用してきちんと自分の理想に近づいていきたい、そのために必要なことは投資として行うという、コスパやタイパのような考え方のバリュパ(自分にとってのコストや時間、手間と返ってくるリターンや得られる価値のバランス)思考を持った人が増えてきていることも影響していると考えられます。
最後に「透明感メイク」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。
「透明感メイク」のビジネスチャンスの例
■肌・顔の分析によって自分に合うオーダーメイド型メイクツールの販売
■髪色や服装まで含めて自分にあう透明感アップ法を教えてくれる診断サービス
■自分がしたメイクを採点して改善点を教えてもらえるアプリの開発
私自身メイクのツールにはこだわれていなかったので、今回の記事をきっかけにまずは話題の鏡を購入して自分の本当の肌を見つめるところから始めてみたいと思います…。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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関西支社第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
ヒット習慣メーカーズ メンバー2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ちのマーケター8年目。ヘルシー&ビューティー関連が大好き。最近新しい“推し”と出会ってしまい、日常生活がとても活き活きしています。