ヒット習慣予報 vol.282『渡韓美容』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの植月です。
みなさまお盆休みはゆっくりできたでしょうか?
私は長期休暇をいただいて韓国に行ってきました。今は円安で海外旅行には向かない時期とも言われていますが、韓国ではあちこちから日本語が聞こえるほど日本人観光客がたくさんいました。実際に、日本人出国者の中でも行先としては韓国が最も多くなっています。(※)
※参考:JTB総合研究所「アウトバウンド 日本人海外旅行動向」
https://www.tourism.jp/tourism-database/stats/outbound/
今回はそんな渡韓日本人の中でも、美容目的で渡韓している人に着目した『渡韓美容』をご紹介します。
これは、週末に美容を極めることを目的として定期的に韓国に訪れることを指します。これまでも「美容デー」として、美容院に行ったり、美容皮膚科に行ったり、エステを受けたり……美を追求することを極める日をつくるという習慣はありました。しかし、最近はそれをわざわざ韓国に行って行う人も増えているのです。
わざわざ渡韓して行う美容の施術例として、「アートメイク」があります。
アートメイクとは、色素を入れて、洗ってもとれないメイクを実現することです。アートメイクを入れられる箇所は様々ですが、眉毛やリップなどが一般的です。この色素は1~2年ほど持続するため、入れることによって日々のメイクが楽になったり、すっぴんの状態でもメイクしているのと同様の状態にできたりして、すっぴん力が上がることも支持されている理由の一つです。
他にも、「ボトックス等の美容皮膚科」での施術が挙げられます。
皮膚科は、トラブルが起きてからその対処のために通うことが多いと思います。しかし、最近では、定期的に皮膚科に通うことで日々の肌の健康を予防したり実年齢よりも若く見えるようにすることも一般化しつつあります。それがさらに進化し、韓国へ行って韓国の美容皮膚科で肌のメンテナンスを行う人が増えたというわけです。特にこうしたメンテナンスは1度では終わらないため、月に1度などと決めて渡韓している人もいます。
また、「骨気(コルギ)」という、小顔効果の期待できるマッサージをしに渡韓するという人もいます。
日本でもエステサロンによっては体験できるのですが、韓国発祥の美容法ということもあり、韓国の方がエステサロンも多く受けやすいと言われています。
では、なぜ「渡韓美容」が増えつつあるのでしょうか?
理由は大きく2つあると考えられます。
1つ目は、コストパフォーマンスです。
コストに関しては、渡韓する方が高いのでは?と思われた方もいるでしょう。しかし、実は日韓の美容費用には大きなギャップがあります。例えばアートメイクでも日本では10万円前後のところが多いですが、韓国では2万円程度~のお店もたくさんあります。そうすると、仕上がりが心配になるかもしれませんが、韓国は「美容大国」と言われていることもあり、経験や実績を積んだ施術者も多いようです。また、韓国アイドルも美容施術を紹介しています。様々な情報があふれているので内容の精査はしなければいけませんが、情報が多いことで安心感へとつながっているのかもしれません。
2つ目は、美意識向上による美容タスクストレスです。
最近では全体の美意識向上により、以前よりも美容にお金をかけている方の割合が増えてきて、過去最高を更新し続けています。
〈「美容」にお金をかけている人の割合変化〉
そんな中で、あれもしないといけない、これもしないといけない、という美容ストレスに悩まされる方も少なくないでしょう。そこで、渡韓美容は、韓国へ渡ることがハードルというよりも旅行のように捉えられるのでリフレッシュも兼ねて行える点が支持されているのかもしれません。
最後に、「渡韓美容」のビジネスチャンスとしては下記のようなことが考えられるのではないでしょうか?
「渡韓美容」のビジネスチャンスの例
■美容皮膚科と航空会社が提携して「渡韓美容ツアー」のパッケージをつくる。
■施術後のダウンタイムがあっても気にせずに入れるよう、マスクパックor包帯コスプレが必須のコンセプトカフェを作る。
■渡韓美容したいけれど何から始めればいいかわからない人のために「渡韓美容専用コミュニティ」をつくり、ユーザー同士での現地の美容情報を交換する。
気になる方はぜひ韓国旅行を兼ねて韓国美容も試してみてください!
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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第一ブランドトランスフォーメーションマーケティング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー2017年 博報堂に入社。
7年目のマーケターとして、社会の荒波に揉まれながら、新たな潮流をつくることを夢見て奮闘中。韓国行ってきたばかりなのにもう行きたいです。おすすめの韓国グルメはピョヘジャンククです。