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ヒット習慣予報 vol.265『推しのキーホルダー化』
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ヒット習慣予報 vol.265『推しのキーホルダー化』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの植月です。

最近はぽかぽか陽気の日も増えてきましたね。早くも春気分ということで、もう衣替えを終えたという方もいるのではないでしょうか?
春になると、冬のような厚手のコートも必要なくなる分、新アイテムをそろえたくなりますよね。実際に、春になるとつい買いたくなるものとして、「洋服」や「ファッション小物」が上位に挙がっています。

出典:株式会社クロス・マーケティング「春の買い物に関する調査(2023年)」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000414.000004729.html

また、博報堂生活総研の「来月の消費予報(2023年2月)」では、「4月に旅行に行くし、 春に向けて洋服や小物を買いたい」などの声も聞かれるなど、季節の移り変わりにより購買欲が高まっている様子がうかがえます。

今回はその中でも、「小物」に着目したテーマとして、『推しのキーホルダー化』を取り上げます。
これは、自分のお気に入りのもの=推しをキーホルダー化したものを身に着けるというものです。最近はキャッシュレス化で持ち運ぶ荷物が小さくなったり、服や小物もシンプル化したりしている一方で、改めて自分の一推しはスマートフォン内のデータだけでなく、リアルなモノとして持ち歩く人が増えてきています。

例えば、「ガチャガチャホルダー」です。
日本玩具協会によると、2021年度の市場規模は450億円に急成長し、「カプセルトイ第4次ブーム」と騒がれるほど老若男女問わずガチャガチャが注目を集めました。ただ、ガチャガチャを回せば回すほど、好きな商品とそうでもない商品が出てきますよね。そんな時に、特に気に入った推し商品だけを集めて、クリアポーチに詰め込み、それに穴をあけてキーホルダーを通し、リュックなどにかけられるようにするオリジナルの「ガチャガチャホルダー」を作る人が出てきています。

他にも、好きな音楽をいれておく「音楽ホルダー」があります。
これは、従来あったような、ボタンを押すと音楽が流れるキーホルダーではなく、スマートフォンにかざすことで音楽アプリが起動し、自分が事前に設定した音楽が流れだすというものです。購入時に自分の好きな曲をリクエストして専門家がその曲が流れるようチューニングした上で商品を送ってくれるものもあれば、キーホルダー本体のみを購入し、届いた後に専用アプリを通じてキーホルダーに曲の情報をインプットすることで、スマートフォンをかざした際にどんな音楽が流れるか自分で設定できるものもあります。また、キーホルダー自体がCDやカセットの形をしていたり、自分の好きな絵やCDのジャケットをデザインとして入れてオリジナルで作られていたりすることが多く、一目で音楽好きであることが分かるのもポイントです。

最後に、「写真ホルダー」をご紹介します。
「写真ホルダー」とは、お気に入りの写真を超小型フォトブックにしたり、先端を引っ張ると写真が並んで出てくる小型フィルムにしたりして、キーホルダーとして身に着けられるようにしたものです。写真こそスマートフォンの中に無数に保存できるものですが、中でもお気に入りの数枚をリアルにみられるようにしておきたいという人に支持されているようです。

では、なぜ「推しのキーホルダー化」が増えつつあるのでしょうか?
理由は大きく2つあると考えられます。
1つ目は、ミニマル志向やシンプル志向へのアンチテーゼです。
以前『ミニモツおでかけ 』でもふれたように、ここ数年はミニマル化/シンプル化が進んできました。それにより、個性がうすくなったり、つまらなくなったりしたと感じる人が出てきて、手軽な小物で自分の“推し”をアピールしていると考えられます。
2つ目は、外出機会の増加です。
最近はあらゆるところで制限が緩和されたり解除されたりしているのに加え、暖かくなり始めて、お出かけ日和の日も増えました。その際に、自分の“推し”が詰まったキーホルダーは、ネイルなどと同様に目に入るだけでも気持ちが高まるアイテムになります。だからこそ、音楽のような本来形のないものまで、目に見えるキーホルダーにして持ち歩くのではないでしょうか。

最後に、「推しのキーホルダー化」のビジネスチャンスとしては下記のようなことが考えられるのではないでしょうか?

「推しのキーホルダー化」のビジネスチャンスの例
■自分の推しを自由に詰め込める、好きな形のキーホルダーを作成できる「推しキーホルダーDIYセット」をつくる。
■ミニマスカラやミニリップなどの自分の推しコスメをまとめてつけられ、メイク直しにも使える「推しコスメキーホルダー」をつくる。
■お気に入りをコンプリートするための「推し交換コミュニティ」をつくり、ユーザー同士での交換を促進する。

ぜひ皆様もこれを機に、自分のお気に入りを身に着けておでかけしてはいかがでしょうか?

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 第一ブランドトランスフォーメーションマーケティング局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年 博報堂に入社。
    7年目のマーケターとして、社会の荒波に揉まれながら、新たな潮流をつくることを夢見て奮闘中。最近のお気に入りは抱き枕ですがさすがに持ち運べないので他の推しを求めています。ゆる募です。