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ヒット習慣予報 vol.263『朝外食』
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ヒット習慣予報 vol.263『朝外食』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

ずっと夜型だった私が、最近めっきり朝型人間になりました。年齢の影響なのか?コロナ禍の影響なのか?定かではないですが、朝早く起きてストレッチをして、軽く朝食をとり、筋トレをする。少し汗ばんできたところで、お風呂に入って本を読み、その後30分ほど歩いてから出勤する。会社に着くころには頭がクリアになって作業効率も上がった気がします。いつしかそんなルーティンがつづくようになり、精神的にもいい気がしています。以前のコラムで「Good Morning Start」と朝の時間を有効活用する人が増えたという話を取り上げましたが、今回のテーマは「朝外食」。朝早起きして、外食をしてから仕事を開始するという習慣のことです。

Googleトレンドで「朝食」と検索すると、2020年4月にいったん大きく下がりますが、そこから右肩上がりに検索数が増え、引き続き伸びていくのが予想されます。また関連キーワードを見るとチェーン店名と一緒に検索されているケースが多く、朝外食の傾向が強まっていることが見てとれます。では、具体的にどんな朝外食を行っているのでしょうか。

<「朝食」に関する検索数の推移>

出典:Googleトレンド

まずは、「定番の朝外食」です。
朝外食といえばなんといっても喫茶店のモーニング。手ごろな価格で朝食が取れると名古屋を中心として人気です。最近では、牛丼チェーン店、蕎麦チェーン店、ファストフード店などでも朝食メニューが充実してきました。コンビニでも朝のセールを積極的に行うなど、カジュアルな朝外食需要の奪い合いが広がってきたようです。

 

次に、「セレブな朝外食」です。
ちょっとリッチな気分で一日をはじめようと、ホテルの朝食ビュッフェも注目を集めています。泊まってみたいけどなかなか手が届かない憧れのホテルでも、朝食だけであればと、日ごろの頑張りのご褒美として利用する人が増えているようです。Googleトレンドで「朝食ビュッフェ」と検索すると2021年ごろから急激に検索数が上昇していることが見て取れます。また、夜はお値段の張る高級店が比較的リーズナブルな朝食を提供するケースも注目されています。

<「朝食ビュッフェ」に関する検索数の推移>

出典:Googleトレンド

最後に、「ワイルドな朝外食」です。
夕食に比べて、朝食であればいっぱい食べても太りにくいと考え、朝からカロリーの高い物をがっつり食べる人もいるようです。「朝外食」でニュース検索すると、「朝焼肉」「朝ステーキ」「朝ラーメン」「朝カレー」と結構攻めたものが散見されました。さらには、夕食で食べるようなフレンチのフルコースを食べられる「朝ディナー」などもあるようで、一度試してみたくなりますね。


では、なぜ「朝外食」は広がりつつあるのでしょうか。
以前のコラム「Good Morning Start」でもふれたように、コロナ禍の影響もあり、生活リズムが変わったことがあげられるでしょう。引き続き夜の閉店時間が早い料飲店も多く、夜更かしをする機会が減ったのもあるでしょうし、私自身がそうですが一度朝型にするととても気分がよくなります。一日が長くなった気がして、なんだか得した気分を感じる人もいるのではないでしょうか。また、コロナ禍の影響で会社のみならずいろいろなところでリモートワークをする機会も増えたことで、自宅や会社の周りだけでなく、少し離れた場所で朝食をとり、その流れでカフェで仕事をするなんてスタイルも広がりつつあるのかもしれません。いずれにせよ、ちょっとヘルシーでハッピーな時間が広がるのはとてもいいですよね。

このように広がりつつある『朝外食』ですが、これからも多くの人が実践していくことが予測され、そこには新たなビジネスチャンスが広がっています。

『朝外食』のビジネスチャンスの例
■小料理屋さんの日替わり朝ご飯を定額で楽しめる「朝外食定期券」を発行する。
■エリア別で朝外食を楽しめるお店を紹介する「朝外食ガイドブック」を発刊する。
■コワーキングスペースやレンタル会議室で朝食ビュッフェサービスを展開する。
など

かくいう私も、少し前から、パンとコーヒーがおいしいカフェで、早朝からモーニングミーティングをする機会をつくるようになりました。とてもすがすがしい気分で、アイデアもいっぱい生まれてくる感じがします。これからは、もっとワイルドな朝外食も試してみようと思います。食べ過ぎてうっかり眠くならなければいいですが。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局 部長
    ヒット習慣メーカーズ リーダー
    メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
    戦略CDとして、事業構想クリエイティブに勤しむ。最近、友達の影響で女子のプロバスケットボールリーグを観戦するようになりました。バスケの戦術って奥深くて面白いですね。