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ヒット習慣予報 vol.236『内省メンタルヘルスケア』
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ヒット習慣予報 vol.236『内省メンタルヘルスケア』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの平石です。
この度新たに執筆を担当させていただくことになりました、よろしくお願いいたします。

みなさん、「メンタルヘルス(心の健康)」という言葉がすっかり定着しましたが、最近のメンタルヘルスはいかがですか?不調を感じた時にどのようにして対処していますか?
私は最近、ランニングや筋トレ、ゴルフの打ちっぱなしなど体を動かすことでストレスを発散し、メンタルヘルスを保っています。また、たまに友人と電話したり飲みにいったりすることも大切にしています。
体を動かすこと、人と会話することは良いストレス発散になりますよね。
ただ最近は、双方向的な手法以外にも、内省(リフレクション)的なやり方で自分のメンタルヘルスを保つ習慣が広まってきているようです。

「リフレクション(内省)」の検索数推移

出展:Googleトレンド

ここでは上記のような習慣を「内省メンタルヘルスケア」と名付け、それらのケア習慣を紹介していきます。

最初に紹介するケア習慣は「書き連ねケア」です。
日々自分が感じた悩みやストレスを思いのまま、書き連ねていってストレスを解消する習慣が広まってきています。1日にあったことを日記に書いていくような手法は元々あり、vol.164『デジタルマインドフルネス』でも紹介されているようなデジタルアプリ上に記録し気持ちを整えるような「ジャーナリング」も一つの手法になります。

さらに最近では、自分の愚痴を画面上のキャラクターが食べたり消したりしてくれて視覚的にストレスを解消してくれるようなサービスや、自分の睡眠時間などと併せて記録することで自分ではわからないストレス度合いや自律神経の乱れを測定してくれて、気持ちの回復状況を視覚で追っていけるサービスまで人気になっているようです。
このようにストレスを書き連ねて発散するだけでなく、後に視覚的な分析・解消をすることが、メンタルヘルスを保つことにつながるようです。

次に紹介するケア習慣は「リスニングケア」です。
特にZ世代の若者を中心にポッドキャストで「メンタルヘルス」ジャンルの動画やエピソードといった人と人の会話を聴く習慣が広まっています。
事実、少し探してみると様々なプラットフォームの視聴ランキング上位に人気な動画・エピソードが多く出てきます。発信者が学生時代の悩みを自分で振り返るもの、ラジオのように悩み相談をしているものなど形式は様々です。
Z世代にあたる私の妹もよく「メンタルヘルス」のポッドキャストを聴いているようで、寝る前になんとなく流して共感したり、安心したりしているとのことです。

最後に紹介するケア習慣は「飲茶ケア」です。
お茶を入れる過程・香りの良さ・温かみなどの特性を最大限引き出し、自分自身を落ち着かせ、内省できる手段として活用する習慣です。
元々お茶は心を落ち着かせる手法として活用されていたと思いますが、最近ではお茶を淹れて飲む行為と瞑想を掛け合わせたような内面ケアが行われています。
最初に直感から茶葉を選び、自分の状況に合わせた抽出方法によって茶を淹れ、味わって飲むことで自分や周囲環境に対して注意を向け、その後の瞑想に取り組みやすくするのが狙いだそうです。お茶×瞑想専用施設も登場しています。
また、IoTティーポットなるジャンルも話題です。IoTティーポットには脈拍センサーや指の温度、室内の温湿度、照度、騒音レベルなどを計測できるセンサーが搭載されています。それにより、その日の自分の体調・メンタル・周辺環境に合わせた最適な一杯を抽出でき、味わいながらじっくりと内省することができます。

「飲茶ケア」を行っている友人に話を聞くと「お茶の香り・淹れるときの音・茶葉の揺らぎが、まるで焚火を見ているかのような落ち着いた気持ちで1日を振り返ることができる」と良さを語っていました。

ではなぜ今このような「内省メンタルヘルスケア」が広まってきているのでしょうか。
背景には、2つの理由があると思います。
1つは、コロナ禍の影響です。
友人知人に会う機会が減少し、コロナ禍初期にはオンライン飲みなどで代替していたものが落ち着いていく中で、気軽に人に悩みを相談する機会が減りました。結果メンタルヘルスを自分で保つ方法に興味を持ち、模索する人が増えたのだと思います。
2つ目は、SNSでの悩み発信が気軽ではなくなった風潮が背景にあります。
SNSで自分の思ったことを発信するだけでも、少し言葉尻を間違えるとたたかれたり炎上したりするような世の中になったことで、自分の正規のアカウントで思ったことや悩みをそのまま発信しにくくなったのではと感じます。またこれまで築いてきたSNS上での自分ブランドを毀損する投稿がしにくい(例えば周囲に結婚幸せアピールをしていた中で配偶者の愚痴は言いにくいなど)といったパターンもあると思います。
結果、周囲の目を気にしなくて良い、双方向ではない「内省メンタルヘルスケア」にたどり着く人が増えたのだと考えます。

最後に「内省メンタルヘルスケア」習慣を活かしたビジネスチャンスを考えてみました。

「内省メンタルヘルスケア」のビジネスチャンスの例
■自分の発言・口癖から自分の健康状態を言い当ててくれるようなサービス
■定時終わりに“内省タイム”として通知がいき、社員が1日を振り返りながら入力することで社員のメンタルヘルスや悩みを管理・数値化できる人材ケアツール
■喧嘩した日に自分の悩みや愚痴を聞いてくれて優しい言葉をかけてくれつつ、自分の悪かったところまで第三者的にフィードバックしてくれるチャットbot

自分に合ったやり方で自分のメンタルヘルスを保ちながら、日々楽しく過ごしていきたいものですね! 私も「内省メンタルヘルスケア」始めてみようと思います…!

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 関西支社第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2020年博報堂中途入社。前職から継続してストラテジックプラナーとして働く自称「関西支社の元気印」。4つ下の弟・9つ下の妹がおり、家族揃ってカープファン。コロナ禍で始めたゴルフのベストスコアは103でパターがショートしがち。