おすすめ検索キーワード
ヒット習慣予報 vol.221『ペットのセレブ化』
PLANNING

ヒット習慣予報 vol.221『ペットのセレブ化』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です

最近急に気温が上がり、もう夏なのかな?!と錯覚してしまうくらい暑い日がやってくる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は実家で猫を飼っているのですが、最近久々に帰省すると、すっかり他人行儀な態度をとられてしまい、昔はあんなにのどをゴロゴロ鳴らしながら甘えてきてくれていたのに…と少し切ない気持ちになりました。
近年、コロナ禍もあり、ペットを飼う人が増加しているというニュースを耳にした方もいらっしゃるかもしれません。
実際に私の周りの友人たちも最近ペットを飼い始め、SNSに日々ペットの姿をアップしている人が増えてきているように思います。
このように、新たにペットを飼う人が増えていることで、ペットとの生活もこれまでと比べて変化が出てきました。今日はそんな新しいペットとの暮らしの兆しについていくつかご紹介したいと思います。

まずは「こだわりペットフード・グッズ」です。
近年、ペット専用のかわいいドーナツなどのごはんや、部屋のインテリアになじむフードボール(食事を入れるお皿)など、こだわりのペットフードやペットグッズが増えてきています。
人間と食べられるものが異なるペットに対して、ペットの身体に負担にならない食材を用いて、見た目は人間が食べるスイーツのように、デコレーションなどがされたお菓子が登場してきています。
実際にペットを飼っている友人に話を聞いてみたところ、ペットの誕生日をお祝いするときに、安心かつ見た目も華やかなものが今まであまりなかったので、中身にも見た目にもこだわったペットフードがでてきて嬉しいとのことでした。
また、部屋のインテリアになじむフードボールも、単に食事や水を入れる器というわけではなく、見た目のデザインにこだわりながら、ペット自身の食事の食べやすさや脚の負担軽減、食事中に食道の位置が胃より下にならないような設計にするなど様々な工夫がこらされていました。

最近ではペットと飼い主でそろってコーディネートできるアクセサリー(ペットは首輪、飼い主はバングルやイヤリングなど)がクラウドファンディングに登場するなど、従来、親しい人同士で行っていたおそろい文化がペットとの間にも浸透してき始めている事例も見られました。
このようにペットとの生活の中で、ペットにも人にも嬉しいペットフードやグッズを求める人が増えてきているのではないでしょうか。

続いては「ペットとお出かけ」です。
昔はペット禁止のお店が多かった印象が個人的にありますが、最近、街中でペットを連れて食事をしている人を見かけることが増えてきたように思います。
また、ホテルなどの宿泊施設でもペットOKのところが増えてきています。
実際にGoogleトレンドでも「ペット同伴可」と検索してみると、緩やかではありますが近年検索数が上昇傾向にあることがわかります。

出典:Googleトレンド「ペット同伴可」で検索

とあるホテルでは、ペットと一緒に宿泊ができ、さらにその宿泊をより充実したものにできるようなサービスが提供されていました。
ウェルカムドリンクサービスならぬ、ウェルカムトリート(おやつ)サービスや、プロのカメラマンによるフォトプラン、さらに健康で快適に過ごせるようにトレーナーによるお悩み相談会など、ペットと過ごす日をより思い出深い日にできるようなサービスの工夫がされていました。
これまでお出かけや旅行の際はペットはお留守番というところも多かったかもしれませんが、今後はペットとともに思い出を作ることができる機会が増えてくるのかもしれません。

最後は「ペットテック」です。
テクノロジーの力を用いてペットとの生活を快適にするようなサービスや商品が多く登場してきています。
例えば、人間のスマートウォッチのように、首輪などに装着して健康管理ができるウェアラブルデバイスや、日々の排泄物からペットの健康状態をモニタリングできるスマートトイレなどがあげられます。
ペットには末永く健康でいてほしいという思いはありながらも実際に言葉でコミュニケーションをとることができず、なかなか不調に気づいてあげられることが難しい。
この昔から多くの人が抱えるジレンマを解消すべく、テクノロジーの力でペットの健康を守りたいと考える人が増えてきているのではないでしょうか。

ではなぜこのような「ペットのセレブ化」が注目を集めるようになってきているのでしょうか。
冒頭でも少しお話しましたが、新型コロナウイルスの流行により、癒しなどを求めてペットを飼う人が増えたことは背景にありそうです。
ただ、単にペットを飼う人の数が増えた、というだけではなく、新型コロナウイルスが流行したことで改めて“家族”や“絆”といった身の回りの人との繋がりについて再認識をする機会があったことも影響しているのではと考えています。
昔から、ペットも家族の一員であるということは言われていましたが、
外出自粛により、家でペットと過ごす時間、ペットのことを気に掛ける時間が長くなり、さらに、ペットへの愛情や絆を深めた人たちが増えてきたことが影響しているのではないでしょうか。
家族の一員として、ペットと長く楽しく一緒に時間を過ごしたいというたくさんの思いが、今回ご紹介したような様々なサービスや商品が世の中にでてくる原動力になっているのかもしれません。

最後に「ペットのセレブ化」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。

「ペットのセレブ化」のビジネスチャンスの例
■ペットとともに受けられる健康診断サービス
■ペット専用の美容家電の開発
■個々のペットに合わせてカスタムできる食事のサブスクサービス

まだまだペットと人が心地よく暮らすには課題もあると思います。この良い流れをきっかけにもっとペットフレンドリーな世の中になってほしいなと思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 関西支社第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ち。ヘルシー&ビューティー関連が大好きで、今は高たんぱく低脂質なホタテにはまって、ネットでポチポチしています。