おすすめ検索キーワード
ヒット習慣予報 vol.203『ながら字幕鑑賞』
PLANNING

ヒット習慣予報 vol.203『ながら字幕鑑賞』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの植月です。

寒い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私は寒さのあまり家からなかなか出られず、布団にくるまりながら大好きな韓国ドラマを観てぬくぬくと過ごしています。
今回のテーマは、そんな韓国ドラマなどにも関連する「ながら字幕鑑賞」です。以前は「聴活ライフ」で耳だけに集中したコンテンツ消費を取り上げましたが、同じように目だけに集中したものもあり、視覚と聴覚を上手に使い分ける人が増えてきています。今回取り上げる視覚コンテンツは字幕動画で、先ほどの韓国ドラマを筆頭に人気になってきていることが分かります。

                <韓国ドラマ 検索数>



出典:Googleトレンド

また、日本のテレビ番組や動画コンテンツでも、字幕設定をオンにすることで字幕付きで観られるものもたくさんあります。字幕があることのメリットは、音声なしでも内容を理解できるということです。だからこそ、何かをしていて音声が聞こえないシーンや音を出せないシーンでも“ながら”で鑑賞できます。そんな「ながら字幕鑑賞」の事例をいくつか見ていきましょう。

まずは、【ドライヤーをかけながらの字幕鑑賞】です。
ドライヤーをかけているときは特に自分の周りがうるさくて周囲の声も聞き取りにくい状況になりますが、そんな時にも手元のスマホで字幕付き動画を観ながら髪を乾かしたり、テレビの字幕設定をオンにして朝のニュースを観ながら髪を乾かしたりします。

 

他にも【掃除機をかけながらの字幕鑑賞】があります。
おうち時間の増加に伴い、掃除の頻度が増えたというお話もよく耳にします。そうした掃除のタイミングで、掃除機をかけるときにも、字幕付き動画を観ながら掃除をするという人が出てきています。時短のために倍速で動画を観る事例も以前ご紹介しましたが、動画によっては設定の関係上、そもそも倍速再生できないものもあります。ながら作業する際には、倍速では理解しにくいために、あえてこうした倍速再生できない動画を字幕付きで観るという風に使い分けをしている方もいます。

 

また、音が出せないシーン例として、【同居人をケアしながらの字幕鑑賞】があります。
ここ数年でリモートワークも増えてきていますが、そんなとき、同居人がいる方は音を出すことに配慮を求められます。例えば、自分は休みなのでリビングでゆっくりしたいけれど隣の部屋で家族がリモート打合せをしているとき、通常通り音声を出して動画鑑賞すると家族の仕事の邪魔になってしまうかもしれません。また、部屋の構造によっては、仕事をしている人と同じ空間で過ごさないといけない場合もあるかもしれません。そんなときにも、字幕での鑑賞であれば心置きなく楽しめます。

では、なぜ「ながら字幕鑑賞」が増えつつあるのでしょうか?
理由は大きく2つあると考えられます。
1つ目は、効率的なコンテンツ消費/情報のインプットです。
特に朝の準備の時間など、限られた時間内でタスクをこなさないといけないタイミングにもロスタイムを生むことなくプラスαのコンテンツや情報まで入れることで、より生活を充実させているのかもしれません。
2つ目は、我慢・ストレス等のマイナスな気持ちの軽減です。ドライヤーなどの身支度や、掃除等の家事はやらなければいけない行動であるものの、面倒に感じる人もたくさんいます。そんなときに、「ながら字幕鑑賞」で好きなコンテンツを鑑賞することでその面倒くささや、嫌なタスクをこなしていることへのストレスを和らげているとも考えられます。

最後に、「ながら字幕鑑賞」のビジネスチャンスとしては下記のようなことが考えられるのではないでしょうか?

「ながら字幕鑑賞」のビジネスチャンスの例
■ 朝の準備時に観られる「3分で昨日の出来事丸分かり字幕ニュース」を動画配信サイトで配信する。
■ テレビ番組の見逃し配信リリース時に、通常版と字幕版の両方を用意する。
■ どんな動画にも字幕をつけてくれるAI音声認識による字幕化アプリをつくる。

私自身もよく「ながら字幕鑑賞」をしているものの、手元に気を取られ過ぎて見逃して巻き戻し……というのを何度もやっているので、もっと上手に「ながら字幕鑑賞」できるよう精進していきたいと思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 第一ブランドトランスフォーメーションマーケティング局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年 博報堂に入社。
    5年目のマーケターとして、社会の荒波に揉まれながら、新たな潮流をつくることを夢見て奮闘中。お気に入りの「ながら字幕鑑賞」コンテンツは韓ドラです(最近8話完結ものが多くなってきたのも気になるトピックの1つです)。