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ヒット習慣予報 vol.111『オープンおのろけ』
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ヒット習慣予報 vol.111『オープンおのろけ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの植月です。
3月も半ばに入り、新年度を迎える準備を始めている方も多いのではないでしょうか。
新年度ももちろんですが、元号が変わったり、2020年を迎えたりと、節目といえる機会が多いためか、私の周りでは結婚ラッシュも始まっています。

今回は、そんな幸せに関連するものとして、「オープンおのろけ」を取り上げます。言葉通り、隠したり気を遣ったりせずに、オープンに恋人や配偶者ののろけ話をする人が増えているというお話です。

25~35歳の男女200人に向けたアンケートでは、男女ともに約4割の人が、「恋愛中は惚気たい」と回答しています。まだ、マイノリティではあるものの、半数近くの方がのろけることに対して、積極的な意向を示していることは驚きではないでしょうか。

出典:noel

また、のろけることに対してつきまとう不安要素として、周囲の反応が挙げられます。
ただの嫌味に聞こえないか、友達に嫌われるのではないか……。つい、そんな風に考えてしまうかたも多いのではないでしょうか。しかし、意外にも6割以上の方は、「友達の惚気を聞いて嫌な気分になったことはない」と回答しています。

出典:noel

こうした傾向が広まったからか、最近では、のろけの場というものができつつあります。
まず、「SNSにおける、のろけ専門アカウント」というものがあります。
SNSでパートナーののろけを記録するためのアカウントを開設し、のろけたい人同士でフォロー・コメントをしあうことが多いです。パートナーとのちょっとしたやりとりや、パートナーの日常のちょっとした言動をピックアップし、大げさにも思えるレベルで相手への愛を表現します。人によっては、その書きっぷりの潔さが人気を集め、数万人のフォロワーを持つのろけアカウントもあるくらいです。

他にも、「のろけ専門のバー」もあります。
お酒を飲むとつい本音が出てしまうというのはなんとなく想像がつくのではないでしょうか。そこで、パートナーの好きなところを自慢したい人が集う場として、開かれているバーもあります。基本的にはのろけたいという思いを持った方が来るようですが、中には、誰かのエピソードを聞いてキュンキュンしたいという聞く専門の方もいらっしゃるようです。

さらには、「のろけ専門掲示板」もあります。
掲示板は、特に既婚者を対象としたものが多く、“自分の嫁のこんなところがかわいい”“私の旦那はこんなことまでしてくれて、結婚して何年経っても好きが募る”といった、嫁自慢・旦那自慢が繰り広げられています。

では、なぜ「オープンおのろけ」は増えつつあるのでしょうか?
理由は大きく2つあると考えられます。
1つ目は、多様性を認める社会風潮です。インバウンド需要も増え、海外の文化を受け入れ、恋愛面においても多様性を受け入れていく姿勢が強化されてきました。そのために、従来の日本人ならではの奥ゆかしい恋愛のみでなく、欧米のようなオープンスタイルの恋愛も受け入れられつつあるのではないでしょうか。
2つ目は、夫婦で活躍する芸能人の続出です。最近では、芸能人の間で熱愛報道が出た場合でもそれを認めて見守ってほしいというスタンスを主張する人も増えてきました。また、結婚した芸能人カップルがそろってテレビ番組やCMに出演する機会も増えたことで、“隠さない恋愛スタイル”というのが知らない間にひろまっていったとも考えられます。

最後に、「オープンおのろけ」のビジネスチャンスとしては下記のようなことが考えられるのではないでしょうか?

「オープンおのろけ」のビジネスチャンスの例
■ 学生同士でものろけあえる「おのろけカフェ」をオープンする。
■ 8月31日のI love youの日に、恋人に愛を伝える「おのろけイベント」を企画する。
■ 相手の好きなところを書いてプレゼントできる「白紙のおのろけ本」を発売する。
など。

個人的には、相手が自分のいないところでのろけていると人づてに聞くことが、最高に幸せな気もするので、カップルの皆様にはぜひ積極的に「オープンおのろけ」を実践していってほしいと思います!

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 統合プラニング局 ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年 博報堂に入社。
    マーケターとして、社会の荒波に揉まれながら、社会に新たな潮流をつくることを夢見て奮闘中。