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ヒット習慣予報 vol.401『1.5人ライフ』
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ヒット習慣予報 vol.401『1.5人ライフ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの上利です。

さて、みなさんは普段「ひとりで」どんなことをして、「だれかと」どんなことをしていますか?
先週末の私は、「ひとりで」ミュージカルを見に行き、「友達と」ボードゲーム、タコスパーティーをしました。

「おひとりさま」「一人○○」「ソロ活」といったものはすっかり浸透し、「ひとりで」何かをすることは寂しいことではなく、「自立」や「充実」の証のようにも捉えられるようになりました。

そんな中、最近どうやら「ひとりで」と「だれかと」のちょうど中間のような過ごし方をする人々が現れているようなのです。
今回はそのような過ごし方を「1.5人ライフ」と名付け、取り上げてみたいと思います。

まず一つ目にご紹介するのは、「1.5人旅」です。
友だちとの旅行だけど食事の時間以外は別行動、といった「一人旅」と「二人旅」のちょうど中間のような旅行の仕方を選択する人が現れているのです。
いくら親しい友達であっても旅行中四六時中一緒にいると疲れてしまう、旅行先でやりたいこと、時間をかけたいことが必ずしも一致しない、というシチュエーションには、共感する方も多いのではないでしょうか。
だからといって一人旅にすれば万事解決ということではなく、友達と過ごす時間も大切にしたいものだと思います。そんなとき、「1.5人旅」がちょうどいい解決策になるかもしれません。
SNS上でも、友達との海外旅行であえて日中は別行動にして夕食で合流、としたところ、日中お互いが経験したことを夜にシェアするのが楽しく、ホテルでは一緒に過ごせるから寂しい思いもしなくて最高だった、という声が挙がっていました。

次にご紹介するのは、「1.5人暮らし」です。
「一人暮らし」と「シェアハウス」の中間、住居機能を完備した個人の部屋と、他の住人と交流できるラウンジ等のパブリックスペースを併せ持つ賃貸マンション・アパートメントで暮らす人が出てきているようです。
キッチンやお風呂が共用となっている従来のシェアハウスとは異なり、個人の部屋でも生活が完結するため、共同生活にありがちなストレスからは解放されつつ、パブリックスペースでの住人との交流によって、一人暮らしでは得られない「人とのつながり」を得ることができます。
私の身の回りにもこういった「1.5人暮らし」マンションに住んでいる友人がいますが、共同生活のトラブルや煩わしさは全くなく、住人の誘いで新たな趣味ができるなど、充実した生活を送っているようです。

最後にご紹介するのは、「1.5人作業」です。
友達とオンラインもしくはオフラインで集まり、各々自分の仕事や趣味の作業をするというもので、エンジニア界隈では「黙々と作業する」ことから近年「もくもく会」とも呼ばれているようです。
黙々と個人作業をするなら「ひとりで」良いのではないのか、なぜわざわざ「だれかと」集まってやるのか、と疑問に思う方もいるかもしれませんが、「だれかと」やっている方がサボらず捗る、一緒に頑張っている人がいる連帯感が楽しい、といったメリットがあるようです。学生時代に友達と一緒に試験勉強をした感覚と近いのかもしれません。
SNS上ではエンジニアやイラストレーターに限らず、読書会や小物制作など様々なジャンルの作業会への参加募集投稿が見られ、「1.5人作業」を求める人の多さが窺えます。

では、なぜこうした「1.5人ライフ」が広まりつつあるのでしょうか?
ひとつには、冒頭でもお話した通り「ひとりで」何かをすることへの抵抗感やネガティブなイメージが薄れたことがあると思います。
むしろ他人に合わせすぎるのは良くない、自分のやりたいことを大切にすべきといった風潮も生まれ、過去30年の間に「ひとりでいる方が好き」と答える割合は、「みんなでいる方が好き」と答える割合を逆転しています。

出典:博報堂生活総合研究所「ひとり意識・行動調査 1993/2023」

そのうえで、「ひとりで」過ごす快適さが定着したからこそ、次なる変化として、意識的に「だれかと」過ごそうとする揺り戻しが起きているように思います。

特に、AIチャットボットとの対話やSNSでの匿名コミュニケーションが生活の一部として浸透していく中で、その反動としてリアルな人間との“代替不可能なつながり”がより強く求められるようになっているのではないでしょうか。
こうした変化によって、「ひとり」のスペースも確保しながら程良く「だれかと」時間・空間を共有する、「1.5人ライフ」が広まりつつあるのだと思います。

最後に、「1.5人ライフ」のビジネスチャンスとして、下記のようなことを考えてみました。

「1.5人ライフ」のビジネスチャンスの例
■ 仕事帰りに友達と集まって一気に作り置きができる「1.5人自炊」用レンタルキッチン
■ 横並び2部屋を友達や恋人と同時に契約できる「1.5人暮らし」賃貸契約
■ 通うのは別々でOK、ペア契約の連帯感で継続率がUPする「1.5人フィットネス」割引プラン

私の好きな言葉のひとつに、「ひとりですると記憶になるけれど、だれかとすると思い出になる」という言葉があります。今回「1.5人ライフ」について記事を書きながら、「ひとりで」過ごす気ままな楽しみも大切にしつつ、「だれかと」過ごす嬉しさも改めてよく味わいながら暮らしたいと思いました。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2022年 博報堂に入社。
    趣味は舞台鑑賞と演劇制作。学生時代の演劇仲間とショーイベントを企画するなど、働きながら創作できる場づくりを模索中。