ヒット習慣予報 vol.397『エフォートレス腸活』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。
私は数年前から自炊の際はご飯を玄米にして、できるだけ3食食べる生活に変えました。玄米に変えた理由は、玄米ご飯の味も好きだし、白米よりミネラルや食物繊維などが豊富なので普段の食生活で無理せず栄養を摂れてお得かも!?というなんとなくの思いつきからだったのですが、結果としておなかの調子が良く、図らずしも腸活につながっていてハッピーな今日この頃です。この“腸活”自体は昔からある活動ですが、近年この腸活にも新しい習慣の兆しがみられています。従来の腸活から変化した新しい腸活をしている人たちの習慣を「エフォートレス腸活」としていくつか事例をご紹介します。
まずは「引き算の腸活」です。
FODMAP食という言葉をご存じでしょうか?
実際にGoogleトレンドで見ても近年右肩上がりで「FODMAP食」に対する注目度が高まっていることがわかります。
軽に取り組めそうな響きを有している点もとてもいいなと思いました。
2つ目の事例は、「HIIT」というトレーニング。HIITとは「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略称です。コロナ禍でおうちトレーニングの流行とともに話題になったもののこの1年でもまだ検索数が右肩あがりに上昇していることがみてとれます。

FODMAP食とは、腸で吸収されにくく発酵しやすい性質を持つ糖質を多く持っている食品のことを指します。この糖質を多く持つ食品を食べると、大腸で腸内細菌によって発酵が進み、ガスが発生することでおなかの張りやおなかの調子を崩すことにつながる可能性があるそうです。(※1)腸に良いとされる食品を食べていてもいまいち調子があがらなかったり不調を感じている人たちが、より自分に適した腸活をして自分の調子あげていきたいという思いから、腸に良いものを追加して食べるといった「足し算の腸活」ではなく、あえて特定の発酵食品や糖質を避けて食べる、いわば「引き算の腸活」を実践しはじめているようです。
実際SNSでもハッシュタグを使って自身の低FODMAP食の食事内容を発信する人がいたりしているので、今後引き算して腸活することもメジャーになっていくかもしれません。
※1 Fermentable oligosaccharides, disaccharides, monosaccharides and polyols: role in irritable bowel syndrome
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1586/17474124.2014.917956
続いては、「ジュースで腸活」です。
腸活で有名な食品のひとつにヨーグルトがありますが、従来のヨーグルトのように発酵食品を食べて、外から善玉菌を取り入れられる成分の「プロバイオティクス」がこれまでは腸活において注目されていました。近年、それに加えて、腸内の善玉菌を増やす餌になる成分の「プレバイオティクス」に注目が集まってきています。餌となる成分を取り入れることで、ヨーグルトなどがもつ「プロバイオティクス」の効果をブーストさせ、より効果的に腸に良い影響を与えることができるのだそうです。(※2)プレバイオティクスを多く含む食品はいろいろありますが、ギルトフリーで腸活を続けるために、腸活に良い食材を使った自家製のジュースを作りちょっとしたおやつ感覚で腸活を楽しんでいる人々がいます。また海外ではプレバイオティクスによい腸活ソーダが販売され人気になっているため、今後日本でも手軽に外出先で腸活ジュースを購入できる時がくるかもしれません。私もたまに自宅で作って飲むのですが、個人的には心置きなく甘いものを摂取できて嬉しい気持ちになります。
※2「プロバイオティクス」、「プレバイオティクス」 概念の変遷の歴史と今後の展望
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslab/31/2/31_84/_article/-char/ja/

食から少し視点を変えると「サロンで腸メンテナンス」でも新しい兆しが見られます。
セルフケアでの腸活がまだ主流ではありますが、あえてサロンなどで自身の腸をメンテナンスするような人たちもでてきています。例えば、内臓の筋膜リリースのようなイメージで、デスクワークによって下がって固まってしまった腸を揺らしてはがし、本来の位置に戻す施術を行うサロンや、ラジオ派など高周波温熱機器も活用しつつ人の手によるマッサージを行うハイブリッド型のサロン、ヘッドスパと組み合わせて腸のマッサージを行うサロンなど。肌や体の整体・サロンで肌や体をメンテナンスするように腸もプロの手を借りてスペシャルメンテナンスを行う人が増えてきています。SNSを見ているとコスパの良い美容法だととらえる声や、ほぐされて気持ちよくすっきり&おなかがぺたんこになって嬉しいといった声が聞かれました。施術や効能はサロンによっても異なるので、試される場合はよくご確認くださいね。

ではなぜこのような「エフォートレス腸活」が広がりを見せているのでしょうか。
ひとつは、「腸脳相関」という言葉もあるように、腸が単なる排泄器官としてだけではなく、第二の脳として重要な役割を果たし、メンタルヘルスや心身全体の健康管理といった情緒や心身全体に及ぼす影響度の大きな器官として生活者に認識されるようになってきたことが影響していると考えられます。
その背景には、昨今の健康意識の高まりや心身両方の調子が良いことが大切であるというウェルビーイングの考えの浸透も影響しているように思います。この意識のもと、腸を整えることが、あれこれ個別でメンテナンスをするよりもタイパやコスパが良いという考えを持つ人が増えてきたのではないでしょうか。またその中で、“無理をしたくない”という意識の高まりも影響していると考えます。いかに自分にとって無理をせずに楽して続けられるかどうかという視点が日々の生活の中で重要になってきたことで、長年ゆるやかな腸活ブームが続いている中でのおニューな腸活として、不要なものを取らない、おいしく腸活をブーストさせる、スペシャル空間でプロの手を借りるといった行動に変わってきているのではないでしょうか。
最後に「エフォートレス腸活」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。
「エフォートレス腸活」のビジネスチャンスの例
■ 癒されながらちゃっかり腸活もできちゃう腸活癒し旅パッケージの販売
■ 座って仕事をしているだけで腸の調子やアドバイスをもらえるデスクチェア開発
■ 自分の腸活の努力を可視化できるアプリサービス
腸はまだプロの手を借りたことがなかったのでこれを機に今度体験してみたいと思います。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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関西支社第一ビジネスデザイン局第一プラニングチーム
ヒット習慣メーカーズ メンバー2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ちのマーケター9年目。ヘルシー&ビューティー関連が大好き。最近新しい“推し”と出会ってしまい、日常生活がとても活き活きしています。


