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ヒット習慣予報 vol.366『チクチクケア』
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ヒット習慣予報 vol.366『チクチクケア』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。

6月に入り、雨が降る日も増えていますが、みなさん疲れていませんでしょうか。5月病は一般的ではありますが、最近6月病というものもある、と聞きました。やる気や集中力が低下して、精神的に不安定になったりすることが多いようです。実際に、「疲れ」について、Googleトレンドで調べてみると、5月だけでなく6月も山が来ていることが見て取れます。

出展)Google トレンド(「疲れ」で検索/赤丸が6月)

そんな「疲れ」に対して、マッサージなどのような穏やかに癒される解決策ではなく、最近では「チクチク」とした刺激を与えることで、疲れにアプローチすることへの注目が高まっているようです。そこで今回は、「チクチクケア」と題して、いくつかヒットの兆しをご紹介していこうと思います。

まずは、「チクチクするマットでケア」です。これは、よくあるヨガマットのようなものの上に、剣山が敷き詰められていて、その上で寝る前に数十分、横たわるだけ、のケアです。剣山の上で横たわるなんて痛くてしょうがないから、個人的には嫌だなぁ、と思っていたのですが、先日、私の家でも実践できるようになりました。私個人としては、予想通り、痛くて、じっとしていられないのですが、私の家族は、この上で寝ることで、これまでよりも、良い睡眠へと誘われるようになったそうで、習慣化の兆しを感じました。これまでも「睡眠」には注目度が高かったかとおもいますが、単なるリラックスではなく、刺激がよりリラックスにつながることには、個人的には驚きでした。

続いては、「チクチクする枕でケア」です。
また、睡眠に関する話ではあるのですが、これは、寝るときに使う枕なので、先程のマットよりと違って刺激は控えめですが、通常の柔らかい枕と違い、低刺激な繊維が、頭皮や皮膚を刺激してくれたり、大きめのトゲが無数についているという特徴のあるものが登場しているようです。頭の刺激、という観点では、ヘッドマッサージやスパなど、SNSを通じて見かけることが多いですが、同じ睡眠やリラックスを求めるものが、自宅で、しかもその枕で寝るだけで良いとなると、今後選ばれる人も増えてくるかもしれませんね。

そして最後は、「チクチク自分で足裏ケア」です。
足裏といえば、足つぼマッサージを思い浮かべる人が多いと思いますが、指圧のようなものではなく、ちょっと鋭利なニードルのようなもので、足の裏を自分でチクチクするようです。指圧と違って、鋭い痛みが走ることから、身体が反射的に反応することで、歩き疲れた足の凝り固まっている部分を自然とストレッチしてくれるようです。自分の疲れを自分の身体の反応で癒やすって、なんだか不思議な気もしますが、理にかなっているのかもしれませんね。SNSを通じて調べてみると、爪楊枝だったり、ボールペンのペン先だったり、家にあるものでケアしている人もいらっしゃって、気軽に出来ることも注目されるポイントなのかもしれませんね。

では、なぜこのような「チクチクケア」が注目を集めるようになってきているのでしょうか。その理由を大きく2つあると思います。1つ目は、「効果実感の探求」にあると思います。世の中には、様々な効果を持つ商品がたくさんあふれています。その中から、より効果があるものを選びたい、より効果を感じたい、と思うようになり、チクチクする刺激のある商品が選ばれる用になっているのではないでしょうか。
そして2つ目は、「手軽さ」にあると思います。実際にマッサージやエステなどに通うとなると、何度か通う必要がありますし、結構な費用がかさむことが多いと思います。それを、自分で、自宅で出来る、という手軽さも相まって、より注目を集めるようになっているのではないでしょうか。

では、最後に「チクチクケア」にどのような可能性があるか、新たなビジネスチャンスを少し考えてみました。

「チクチクケア」によるビジネスチャンスの例
■チクチクするアイマスクで、目の周りを活性化させる
■チクチクするソファで、テレビを見ながらでも、疲れを取れる椅子を開発する
■チクチクケアサロンを開業する
など

「チクチクケア」について考えていると、なんだか疲れてきた気がするので、どんなものが自分に合いそうかを、じっくり探していきます。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 関西支社 第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2011年 博報堂に入社。
    入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。