ヒット習慣予報 vol.343『肌プロデュース』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの山崎です。
例年より暖かいとはいえ、本格的な冬がやってきましたね。
寒くて布団から出られないし、厚めのコートは驚くほど重たいし、お肌は乾燥カピカピで、もういっそ冬眠しちゃいたい…!と思っている今日この頃です。
いつの時代でも、どんな季節でも悩みは尽きないお肌ですが、最近のお肌へのアプローチは「肌のトラブルが起こったときのスキン“ケア”」から「トラブルを未然に防ぎ理想の状態を保つ“肌管理”」へと変わってきているようです。
過去5年間の「肌管理」の検索数を見ても、ここ1年伸び続けているのがわかります。
“ケア”から“管理”への変化、それは「都度問題を解決するアプローチ」から「根本から問題を解決するアプローチ」への変化でもあります。
今回はそんな積極的な肌へのアプローチを「肌プロデュース」と捉え、3つの方向性に分類してご紹介いたします。
1つ目は、ダメージの蓄積をなかったことにする肌プロデュース。
「25歳はお肌の曲がり角」なんて言われていますが、わたしもまさにその年齢からぽつんぽつんと静かに浮かび上がるシミに悩まされています。
太陽のもと元気に過ごした証なので隠さなくてもいいのですが、やっぱり気になってしまうもの。そんな過去のダメージの蓄積悩みに最新の美容医療や美容施術でアプローチする人も増えているようです。レーザー治療はシミやほくろを根本から消し去ることができるし、肌のターンオーバー(代謝)を促すと言われるダーマペンは思春期のニキビの跡やそれによる肌の凹凸改善も期待できるようです。
2つ目は、ゆらぎ知らずの肌プロデュース。
みなさんは季節の変化による肌のゆらぎが気になったことはありますか。夏は汗でぺたぺたになったと思ったらエアコンで冷やされ、冬は日差しが弱まったかと思いきや乾燥した冷たい風に吹きさらしになるお肌。いつも一定の良い状態を保ちたいけれど、季節の変化がそうはさせてくれません。それでも出来る限りいつも健やかな状態を保つためにアプローチしている人もいます。例えば、ピーリングは酸や薬品の力で古くなった肌(角層)を取り去ることでお肌の黒ずみやごわつきを和らげる効果があるとされています。わたしの友人は定期的にピーリングに通うことで随分と肌質が変わったと言っていました。
3つ目に紹介する肌プロデュースは「内側発光」です。
ここまで紹介したアプローチは外側から肌の表面を整えるアプローチでしたが、身体の内側から肌へ成分を届けることでアプローチする方法が「内側発光」です。やっぱり美しい肌は内側からみずみずしく、まさに「発光」しているように見えるもの。食事ももちろん大切ですが、ビタミンCを肌に取り込むなど今の技術だからこその内側からのアプローチで肌のハリや潤い、キメやくすみにアプローチすることもできます。
では、なぜこのような「肌プロデュース」が関心を集めているのでしょうか。
物理的な面での理由は、情報に触れる機会の増加と考えられます。これまで美容意識が高い層にしか届かなかった情報が、SNSの美容アカウントやYouTubeの施術レポ動画などで一般の人にも回ってくるようになりました。そして美容医療が安く受けられる韓国への美容旅行のカジュアルさもそれを後押ししています。
もうひとつ、心理的な面での理由は、世の中の「自己肯定感」ブームにあるではと考えています。
自己肯定感、自己実現、セルフプロデュース、などのワードが流行っているように「自分らしく健やかでいるためにはどうすべきか」を世の中の人が真剣に考えるようになりました。そしてそれがどんな方向であっても肯定する風潮広まっています。そういった風潮も手伝って、隠すメイクをするにとどまらず、肌をプロデュースしようという考えになる人が増えてきたのかもしれません。これまでは美容整形や美容のための治療と聞くと眉を顰める人も多かったですが、少しずつ、美容もその人がその人らしくいるための一つの方法、と捉え方が変わってきています。
最後に、「肌プロデュース」のビジネスチャンスを考えてみました。
「肌プロデュース」のビジネスチャンス
■肌プロデュースの履歴と経過を詳細に記録できるアプリ
■理想の肌状態から逆算してプロデュース方法を提案してくれるAI開発
■特定の美容皮膚科や美容外科ではなくフラットな立場で相談に乗ってくれるお肌の相談窓口の開設
お肌をきれいにすることそのものが目的でももちろんいいし、肌悩みを気にせず好きな格好をしたり、紫外線のダメージを気にせず外へ出たりする、そのための手段として“肌プロデュース”をするのでもいいと思います。たかが、肌。されど、肌。美容医療の判断はあくまで自己責任ですが、自身で選べることが増えて、もっと好きなように生きられる人が増えると良いですね。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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博報堂ストラテジックプラニング局藤井チーム
ヒット習慣メーカーズ メンバー最近、「もしかして、すべては人間力なのでは…?」と気づき始めたマーケター4年目。仕事も、暮らしも、恋愛も、ボディメイクも何もかも。マーケターとして仕事の腕を上げるために、人間力もせっせと磨く今日この頃です。