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ヒット習慣予報 vol.251『リタイア後のリスキリング』
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ヒット習慣予報 vol.251『リタイア後のリスキリング』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。
年明け2本目のコラムですが皆さまいかがお過ごしでしょうか。新しい年がはじまるにあたって「今年は何か新しいことをはじめたい」。「新しいことを習ってみたい」等決意を新たにされた方も多いのではないでしょうか?世間では「リスキリング」(学び直し)が昨今話題になっており、デジタル化が加速する中で今までの経験だけではなかなか課題が解決できないということで注目、奨励されています。

大人になってからまた学び直しだなんて大変な時代になったもんだなぁと思っていたら、なんと自分よりも上の世代。定年を迎える前や、場合によっては定年を迎えた方まで新しいスキルの学び直しをはじめているという話を聞きました。今日はそんな「リタイア後のリスキリング」についてみていきます。

試しに「リスキリング」で調べてみると、岸田政権が第210回臨時国会の中で「リスキリングの支援に5年で1兆円を投じる」と表明した2022年10月に一気にピークを迎えていました。その後検索数は落ち着くものの、今までにない高い関心を継続的に集めています。

<「リスキリング」検索推移>

出典:Googleトレンド

リスキリングは経済産業省も推進しており、資料でも「現役のビジネスパーソンの学び直し(=リスキリング)が重要」としているのでリスキリングは基本的には働く世代を念頭に置いている言葉ですが、今回注目する「リタイア後のリスキリング」にはどのようなものがあるのでしょうか?

まず気になったのは「講師リスキリング」。現役の時に身につけたスキルを伝える講師をするためのリスキリングです。 質の高い講義をするためには何を気をつければ良いのか。最近だとオンラインでの講習も増えているのでオンライン講習で気をつけることは何なのか等を学ぶことで、現役の時に身につけた経験や知識等のスキルを仕事として後陣に伝えることができます。先日私もとあるオンライン講習に参加した時の講師が名だたる企業で実績をあげた方で現在は講師業をしているということでしたが、その方の言葉にはやはり説得力があったのを覚えています。

最近受講者を増やしていると話題なのは「プログラミングリスキリング」。シニアを対象としたプログラミングスクールです。プログラミングを学ぶことでゲームを作って配信をしたり、定年後もITエンジニアとして在宅で自分のペースで仕事を受注できるようになる等、新たなキャリアが開かれるきっかけになっています。

さらには「保育士資格リスキリング」。共働き世帯の増加を背景に保育園、保育士不足は深刻で、60代保育士への注目が集まり実際に60代の保育士が増えているようです。保育士の資格取得には年齢制限がないためリタイア後や子育て、介護が一段落した後のリスキリングで資格を取得し、これまでの子育て経験や人生経験を活かした60代保育士が活躍を見せています。

定年後生花を習う。カメラを買う。スポーツをはじめる等新たな趣味をはじめるということは昔からありましたが「リタイア後のリスキリング」は定年後のセカンドキャリアにチャレンジして収益を得たり社会に貢献するためのスキルを身につけるという点で今までとは異なります。

なぜ今「リタイア後のリスキリング」が注目を集めているのでしょうか?ひとつは人生100年時代の中で定年後であってもまだまだ生活のために働く必要があること。同時にリタイア後でも元気で学習意欲があり社会に貢献したいと思う方が増えていることが理由として挙げられます。また人員不足を課題とする雇用側としても、人生経験豊富なシニアの方が新しいスキルを身につけてくれれば即戦力になってくれるという期待も「リタイア後のリスキリング」を後押ししていると考えられます。

以上「リタイア後のリスキリング」を見てきました。元気なシニアの方が今後も増え続けていく限り、「リタイア後のリスキリング」は今後も注目を浴びそうです。

「リタイア後のリスキリング」のビジネスチャンスの例
■定年後、今までの人生経験と今の興味から最適なリスキリングをお勧めしてくれる「リタイア後のリスキリング」支援センターの開設。
■「リタイア後のリスキリング」を受けた人材と企業をマッチングする専門求人サイトの運営。
■「リタイア後のリスキリング」を受けた人材を派遣する人材派遣会社運営。

「リスキリング」というと新しいことを勉強しなくてはいけないのかと少し面倒くさい気持ちもしていたのですが、いくつになっても新しいことを学び直すことで今までの自分の経験を生かしながら新しいチャレンジをすることができるのは素敵なことですね。私も新年から気持ちを新たに意識的に学び直しの機会を作っていきたいと思います!

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2007年 博報堂に入社。
    ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。