おすすめ検索キーワード
ヒット習慣予報 vol.250『ブレス・トレーニング』
PLANNING

ヒット習慣予報 vol.250『ブレス・トレーニング』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

2023年1回目のコラムです。まだまだ正月気分が抜けないですが、少しでもいい一年になることを祈りつつ、今年もいろんなヒット習慣を予報していこうと思います。
3年ぶりの行動制限のない年末年始だっただけに、思い切り心も体もリフレッシュされた方が多いのではないでしょうか?かく言う私もたっぷりお休みをいただき、かなりリフレッシュできました。
さて今年最初のコラムは「ブレス・トレーニング」。呼吸の仕方を見直すことで、心身を整える人が増えているという話です。実は昨年から私自身がストレス解消を目的として呼吸を意識し始めたのですが、話をしてみると私の周りでもそういう人が増えていたのでこのテーマを取り上げました。

Googleトレンドで「呼吸」と検索すると、じわじわと検索数を伸ばしていました。また関連キーワードを見ると、「呼吸の仕方」「腹式呼吸」などが急上昇していました。「ブレス・トレーニング」への興味が高まっていることがうかがえます。
では具体的にどんなトレーニングをしているのでしょうか?

<「呼吸」に関する検索数の推移>

出典:Googleトレンド

まずは、ヨガでブレス・トレーニングです。
ヨガの基本は呼吸法。調べてみるといくつかの呼吸法があるようですが、ヨガをやっている間、常に呼吸を意識することが大事なようです。私自身、自宅でスマホ動画を観ながらたびたびヨガをしているのですが、いろんなポーズをとりながら呼吸を整えるのって結構難しくて苦戦しています。でも、呼吸を丁寧にやると血行がよくなってカラダがポカポカしてきてとても気持ちいいです。朝、仕事前にやると頭がクリアになるので、とてもおすすめです。

次に、本でブレス・トレーニングです。
ここ一年くらい本屋を眺めていると、呼吸に関する本が一気に増えた印象があります。私も呼吸を指南する本を買って実践しましたが、論理的に理解できて定着しやすいし、心がスッキリして気持ちいいです。本のレビューを見ると、「仕事中の疲れが軽減された」「緊張した時に気持ちが楽になった」「ストレス解消によい」「よく眠れるようになった」など、効果を実感する人もいるようです。呼吸法と言うと東洋文化のイメージが強いですが、今では欧米でも注目されていて、アメリカ人のジャーナリストが書いた本もありました。ロンドンでは「ブレスワーク」と呼ばれる呼吸によって心身を整えるホリスティック医学も注目されているようです。

それ以外にも、動画アプリで呼吸法と検索すると実に多くの動画が出てきますし、再生数もかなり伸びています。スマホアプリやスマートウォッチでも呼吸法を指南してくれるものがありますね。また、呼吸法だけを教えてくれるカルチャースクールもあるようです。そういえば大ヒットしたアニメでも、呼吸というのが底力を出すドライバーになっていましたね。

>

では、なぜ「ブレス・トレーニング」は広がりつつあるのでしょうか。
1つ目の理由は、メンタルケアへの注目度の高まりが挙げられます。ヒット習慣予報のコラムでも、「内省メンタルヘルスケア」「Good Morning Start」「進化系セラピー」などメンタルを整える新習慣をご紹介してきたように、日本のみならず世界的にメンタルケアへの注目が高まっています。そんな中、呼吸法という誰でも日常的に実践できるメンタルケアだからこそ、取り組む人が増えているのでしょう。
2つ目の理由は、コロナ禍でマスクをすることが日常化したことで、口呼吸をする人が増えていることが挙げられます。それによってどうしても呼吸が浅くなってしまうため、深い呼吸をするのを求める人が増えているのでしょう。

このように広がりつつある『ブレス・トレーニング』ですが、これからも多くの人が実践していくことが予測され、そこには新たなビジネスチャンスが広がっています。

『ブレス・トレーニング』のビジネスチャンスの例
■コーヒーを飲みながら一人用のブースでじっくり呼吸を整えることができる「ブレス・トレーニング・カフェ」の開業。
■会議が続く職場で従業員の心身を整える福利厚生の一環として、みんなで「ブレス・トレーニング」をする時間を導入する。そのサービスを提供する。
■上手にブレス・トレーニングをすると生地の色が変わる「ブレス・トレーニング」用マスクの開発。
など

焦ったり、不安になったり、イライラしたり、そんなとき、深い呼吸を意識して行うようになりました。そうすると不思議と少し気持ちが落ち着きます。先が見えない時代だからこそ、そのひと呼吸を大事にして、前向きな毎日にしていきたいですね。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局チームリーダー
    ヒット習慣メーカーズ リーダー
    メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
    戦略CDとして、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。最近時間のあるときに絵を描きはじめました。まだ落書きレベルなのですが、描いているときの集中時間が心地いいです。