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デジタルプラットフォームに最適な動画クリエイティブとは? デジタル最適化を目指す動画制作チーム「MP.QuickMovie」
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デジタルプラットフォームに最適な動画クリエイティブとは? デジタル最適化を目指す動画制作チーム「MP.QuickMovie」

株式会社博報堂DYメディアパートナーズの「MP.QuickMovie」は、各種デジタルプラットフォーム向けの動画広告を安価・短納期で制作するサービス。従来のクリエイティブ制作とどこが違うのか、競合と比べた強みはどこにあるのか、「MP.QuickMovie」を立ち上げた横山昴に話を聞きました。

―“すきま時間”に心を留めてもらうコンテンツを作りたい

「MP.QuickMovie」のコンセプトや強みには、私のこれまでの経歴が背景にあります。

私は2012年に出版社に入社し、20代から30代前半の男女をターゲットとした雑誌の編集と、制作の進行統括を2年半ほどやっていました。その雑誌は、駅のラックに置かれているフリーペーパーで「駅と駅とを移動する3分ほどの“すきま”を埋めるためのコンテンツ」として朝夕の通勤時に活躍していました。しかし、読者の “すきま時間”も徐々にスマホに取って代わられていき、発行部数も減少。読者からの反応の変化に大きな挫折を味わいましたね。

その後、「もっと生活者のことを知りたい」と、マーケティングリサーチ会社に入社。調査データを基に、キャンペーンなどのプロモーション企画に従事しました。
生活者とクライアントの双方と向き合う中で「クライアントの要望に応えたい」「もっと生活者が受け取りやすい表現はないだろうか」と模索。いつしか「双方のかゆいところに手が届くサービスを提供したい」と考えるようになりました。

そして、会社を飛び出し独立。フリーランスとして1年半の活動を経て、ご縁から現在所属する博報堂DYデジタル(現DAC)へ入社し、その考えが実現しました。

入社後、すぐに参加をした競合プレゼンで、社内に我々のようなクリエイティブチームがないことに大きな課題を感じ、「MP.QuickMovie」の立ち上げを提案。入社後3カ月でクイックに立ち上げることができたのも、型にとらわれないフリーランスという働き方を経験したからだと思います。

後ほど詳しくお話させていただきますが、「MP.QuickMovie」の特徴はデジタルプラットフォームを理解した動画クリエイティブ制作です。
ここ数年で、 “すきま時間”の使い方は多様化しましたが受け取り手を意識した「興味・関心をひくコンテンツ制作」という視点においては編集者時代の経験が活かせているのではないかと思っています。

―もっとスピーディに、もっと手軽に。社内の動画提案のハードルを下げたい

MP.QuickMovie は、博報堂DYグループらしからぬ短納期で動画制作を可能にし、できるだけ安価にご提供することを目指しています。例えば、クライアントへの最初の提案に絵コンテではなくサンプル動画を作り、持っていくこともあります。このスピード感が本サービスの強みです。
実際にサンプル動画を見たクライアントから「これをそのまま配信したい!」と言っていただけるケースも増えています。納得していただけるポイントは、デジタルプラットフォームの知識とセオリーを軸としたクリエイティブ視点です。

私がまず第一に、この「早くて安い」というポイントに力点を置いたのは、現場の声がきっかけでした。昨今、「動画制作」に対するクライアントニーズが変化し、営業は「価格競争」と「短納期」という課題に直面していたからです。

同時に、デジタルプラットフォームに最適化した動画制作も求められる要素でした。「デジタルプラットフォームへの最適化」の一例として、自動車のTVCMからFacebookのインフィード向けに作り変えたものがあります。車内の天井の高さを特徴とした車の広告で、スクエア(1:1)動画が視聴開始0.5秒で縦長(4:5)にぐーんと伸びることで、その車種のベネフィットを強調するギミックを入れています。フィード内で思わず指を止めてしまう(サムストップ)アテンションを冒頭10%で加えながらも、25%以内にはベネフィットを加える。こうすることで、視聴者に冒頭の30%で端的に伝えたい情報を届けるのです。

博報堂DYグループが持つ豊富なメディア特性の知見は、やはり私たちの強みです。特に私のチームは、定期的に各プラットフォームと「クリエイティブショップ」を行い、どんなクリエイティブが効果的かを開発しています。
また、私個人では配信結果や現場経験から、デジタルクリエイティブを独自の視点から細分化。誰でも簡単に、効果的なデジタルクリエイティブ開発ができるワークシートや型を生み出し、社内講師として啓蒙をする活動をしています。
個々人で得た知見をひとつの型にして、ナレッジとしてメンバーへ共有していく「型化プロジェクト」という取り組みも、チームが強くなる秘訣です。

 ―「デジタルプラットフォームに最適なクリエイティブ」のポイント

よく言われているのは、「視聴者は3.147秒で、その内容が自分に関係あるかを判断するため、その間に伝えたいことを盛り込む」といったことです。そうした一般的なセオリーを踏まえた上で我々が強みにしているのは動画に盛り込む内容について、どうしてそれを入れたかのロジックが明確にあることです

昨今、SNSのフィード上で多く見受けられるのが、動画生成ツールで簡易的に作られた「意図をもたない動画たち」です。そのギミックは、視聴者に何を伝えるために盛り込んだのか。どうやって視聴者に届けたいから、どこに動いて欲しいからそのアクションなのか。それを考えずに生み出された“安かろう悪かろう”のクリエイティブは、広告に敏感な視聴者にとってストレスになり、ブランドイメージの毀損につながります。

そして、「デジタル動画内の対話」を意識することが重要なのです。私自身は「3C」と呼んで体系化しています。具体例をお話しますと、視聴者がSNSのフィードをスクロールして1投稿を見るか見ないかの判断に要する時間は0.3~0.8秒だと言われています。この間に動画に手を止めてもらうには「Check It Out(気づかせる)」が大事で、理解および完全視聴させるためには「Catch The Needs(ニーズを掴む)」が必要で、誘導するために「Call To Action(動かす)」の「対話」が必須であると考えています。

私がクリエイティブについて、上記のようにロジカルに考えるようになったきっかけは、常にクライアントに向き合っている営業の視点です。「横山が作るクリエイティブのどこにデジタル最適化ポイントがあるのか、チェック項目を作ってくれれば、営業もチェックしながら話せる。15秒の中に必要なポイントが網羅されていることがわかれば、クライアントも納得しやすい」とアドバイスをもらいました。動画の随所に意味を持たせ、意図しない編集を無くし、ユーザーの記憶に残るようにすることが大事だと思います。

今まで「動画=ブランディング」であるという考えをお持ちのクライアントから、「MP.QuickMovieを活用することで、動画は見た人に行動を起こさせるクリエイティブなんだとハラオチ(腹落ち)できた」とおっしゃっていただいたことがあります。私は、この「ハラオチ」という感覚をすごく大切にしており、冒頭でお話をしたフリーペーパーでもスローガンとして掲げていた言葉です。

―デジタルプラットフォーム動画だからこそできるPDCA

従来は、TVCM用の動画を作った場合、一定期間が過ぎたら自社のYouTubeアカウントに格納して終わってしまうという形が多かったと思います。MP.QuickMovieは、TVCM用の動画素材を各デジタルプラットフォームの特性に合わせて再構成。一度掲載した動画を、PDCAを回して内容を修正しながら使い続けることができます。

配信後にPDCAを回す前提で動画を再構成することで、効果を見ながら修正することができます。これこそがデジタルプラットフォーム向けの動画のメリットであり、そのメリットは活かしていくべきだと思います。
具体的にどのような調整をするかというと、冒頭で視聴者が離脱してしまう場合は、後半に配置していた「インセンティブ」を前半に移動。前半でメリットを伝えながら、視聴完了をさせるためのギミックを差し込み離脱を防いだり、効果的なメッセージに差し替えたり、と方法は多様にあります。クライアントから、「バナーを数百本作るより、動画を一本作ってPDCAを回したほうがいい」という感想をいただいたことがあります。

今後はMP.QuickMovieとして多くのコンペティションに参加し、クライアントに「博報堂DYグループには、デジタルプラットフォームに最適な動画クリエイティブに特化したチームがある」と知ってもらうことで、多くの案件に関わっていきたいです。生活者とクライアントのニーズは、常に変化していきます。そのニーズに応えるヒントは、いつだって現場にあるのです。

  • デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム
    第一営業本部 プログラマティック戦略局
    2012年出版社に入社。“オトコが進化する”マガジンの編集と進行統括を担当。2014年にマーケティングリサーチ会社にて、リサーチ×プロモーションの企画提案を武器にアカウントプラナーとして従事。2017年に独立し、“心に電気を走らせる”クリエイティブ集団「心電」を立ち上げる。2018年7月より博報堂DYデジタル(現DAC)に入社。プラットフォームと連携しながら、クリエイティブを開発する「MP.QuickMovie」を立ち上げる。休日は「TODAY横山」の名でラッパーとして活動。