技術と解釈の組み合わせで新しいリサーチ手法を生む【気持センシングラボ対談2】
大広ほか計4社のコラボレーションによってスタートした「気持センシングラボ」(ご参考:プレスリリース)。生体反応をセンシングして生活者の本心に迫ることを目指すこのプロジェクトの技術面をリードしているのが、ニューロマーケティングに取り組むSOOTHです。同社の取締役/CDOの𠮷澤貴幸氏と大広の山口大道が、気持センシングラボの可能性やビジョンについて語り合いました。
どうすれば生活者の「本心」をつかむことができるのか
- 山口
- 𠮷澤さんは、広告会社のクリエイティブディレクターなどを経て、広告映像制作会社のAOI Pro.に入社されたのですよね。広告会社から制作会社というキャリアはかなりユニークだと思います。
- 𠮷澤
- あまりないケースですが、デザイナーやフロントエンドエンジニアなどでチームを作れる環境はとても意義があります。僕はもともと日本の広告会社と外資系広告会社でほぼ10年ずつ働いたのですが、その両方を経験した人も多くはないと思います。
- 山口
- SOOTHはAOI Pro.からスピンオフしてできたわけですが、何を目指して設立した会社なのか、改めて説明していただけますか。
- 𠮷澤
- 外資系広告会社はリサーチを非常に重視しており、クリエイティブディレクターが商品のリサーチ段階から関わるのは当たり前で、僕も何度もリサーチの現場に立ち会ってきました。そこでいつも感じていたのは、こういうことでした。
例えばフォーカスグループインタビューの場合、声の大きい人の意見をみんなが聞いてしまい、別の意見がなかなか言えない。設問数の多いアンケートでは、最後の方はどうしても流し気味に答えてしまう人が多い。つまり、従来のリサーチ手法では、生活者の「本心」がなかなかわからないということです。どうすれば本心をつかめるか──。それが以前からの僕の問題意識でした。
- 山口
- 今までのリサーチ技術は、仮説をつくるのには有効でも、現代の生活者の本音に迫ることはなかなかできない。そういうことですよね。僕もまったく同じ問題意識をもっていました。
- 𠮷澤
- ええ。そこで、脳波や視線を測定して生活者の本心に迫るリサーチ手法に取り組もうと考えて立ち上げたのがSOOTHです。SOOTHのメンバーのほとんどは、AOI Pro.の旧「体験設計部」からの出向です。「体験設計」とは、アプリケーション、映像、ネット配信の技術などを組み合わせてソリューションをつくり、それによって生活者の新しい体験や価値を創出することを意味しています。したがってソリューションはいろいろなものの相互作用で成立する一種のエコシステムでなければならないのですが、そのすべての要素を僕たちがもっているわけではありません。エコシステムをつくり、それを拡張していくには、社外の専門家の皆さんとのコラボレーションが必須です。
- 山口
- 𠮷澤さんは、広告会社のクリエイティブディレクターなどを経て、広告映像制作会社のAOI Pro.に入社されたのですよね。広告会社から制作会社というキャリアはかなりユニークだと思います。
- 𠮷澤
- あまりないケースですが、デザイナーやフロントエンドエンジニアなどでチームを作れる環境はとても意義があります。僕はもともと日本の広告会社と外資系広告会社でほぼ10年ずつ働いたのですが、その両方を経験した人も多くはないと思います。
- 山口
- SOOTHはAOI Pro.からスピンオフしてできたわけですが、何を目指して設立した会社なのか、改めて説明していただけますか。
- 𠮷澤
- 外資系広告会社はリサーチを非常に重視しており、クリエイティブディレクターが商品のリサーチ段階から関わるのは当たり前で、僕も何度もリサーチの現場に立ち会ってきました。そこでいつも感じていたのは、こういうことでした。
例えばフォーカスグループインタビューの場合、声の大きい人の意見をみんなが聞いてしまい、別の意見がなかなか言えない。設問数の多いアンケートでは、最後の方はどうしても流し気味に答えてしまう人が多い。つまり、従来のリサーチ手法では、生活者の「本心」がなかなかわからないということです。どうすれば本心をつかめるか──。それが以前からの僕の問題意識でした。 - 山口
- 今までのリサーチ技術は、仮説をつくるのには有効でも、現代の生活者の本音に迫ることはなかなかできない。そういうことですよね。僕もまったく同じ問題意識をもっていました。
- 𠮷澤
- ええ。そこで、脳波や視線を測定して生活者の本心に迫るリサーチ手法に取り組もうと考えて立ち上げたのがSOOTHです。SOOTHのメンバーのほとんどは、AOI Pro.の旧「体験設計部」からの出向です。「体験設計」とは、アプリケーション、映像、ネット配信の技術などを組み合わせてソリューションをつくり、それによって生活者の新しい体験や価値を創出することを意味しています。したがってソリューションはいろいろなものの相互作用で成立する一種のエコシステムでなければならないのですが、そのすべての要素を僕たちがもっているわけではありません。エコシステムをつくり、それを拡張していくには、社外の専門家の皆さんとのコラボレーションが必須です。
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吉澤 貴幸SOOTH株式会社 取締役 CDO クリエイティブディレクター/エクスペリエンスデザイナー国内広告会社、外資広告会社のクリエイティブにそれぞれ在籍し、両者の特徴を掛け合わせてコミュニケーション戦略の立案とディレクションを行う。また視線トラッキングデータや脳波など生体反応センシングデータを活用して、新しい体験価値の創出やマーケティング施策の提案と運用に取り組んでいる。
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株式会社大広
ブランドアクティベーション統括 顧客価値開発本部 東京第2顧客獲得局
プロデューサー複数の広告会社で営業やマーケティングセクションでの経験を積み、2015年12月より、株式会社大広に入社。前職時代に注力した、デジタル領域に関連する経験をベースにしながら、プロモーション業務に従事している。「生活者を動かすこと」をモットーとして、日々の業務に取り組んでいる。