ヒット習慣予報vol.37『夜から朝へ』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
8月も後半に突入し、そろそろ夏も終わり、に近づいてきました。
今年の夏は、フェス、サーフィン、甲子園など、様々なところへ朝早くから出かけて、夏を満喫しております。平成最後の夏、だからですかね。(笑)
さて、今回のテーマは、「夜から朝へ」です。
世の中的に、働き方改革や、時差bizなどもあり、朝早くから出社される方も増えているかと思いますが、その影響もあってか、これまで「朝」では考えられなかったもの・ことが、「朝」にも取り入れられるようになってきています。
実際に、ここ数年で、「朝市場」への注目は、やや高まりつつあります。
「朝」というと、「朝活」でしょ?!そんなの結構昔からある話だよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと、これまでとは毛色が違うことが取り入れられ始めています。中でもびっくりするのが、「朝ビール」。休日の朝にビールを飲むのは、なんとも背徳感と開放感でとてつもなく幸せな時間だったりするのですが、平日の朝にも少量のビールを飲む人が出てきているようです。
その日一日を元気に過ごすために、少量のビールを体内に入れるとのこと。実践している人によると、前日の夜にどうにも悩んで解決できなかったことが、朝ビールを飲むと解決できることもあるのだとか。
他にも、朝から豪華な焼肉御膳を提供するお店も現れてきているようです。近年、糖質ダイエットなどの影響で、夜よりも、朝にがっつりとした食事を食べ、夜は軽めに、という傾向があるように思われます。そのため、夜がメインの業態と思われていたお店も、どんどん朝市場へと参入してきているのでしょう。
また、「朝接待」という文化も生まれつつあるようです。接待といえば、夜に会食をするもの、という固定観念がありますが、今は、朝の会食、も増えてきているようです。朝の方がリフレッシュされた頭で、生産的な会話ができるだけでなく、朝食をともにすることにより、より親近感が増すので、実は、接待は朝の方が向いているのだとか。
このように、「夜から朝へ」が増えてきている理由が大きく2つあると思われます。
1つ目は、「正常化への意識の高まり」にあると思います。これまで、夜に長々とやっていたことを朝にやることによって、一日の時間をより正しく使うことができるようになってきているように感じます。夜だと罪悪感があることでも、朝だと、その罪悪感もなく、正しく一日を過ごすことができる、と感じられるのでしょう。
2つ目は、「成果を求められる」という時代背景にあると思います。これまでは、長い時間働いた人ほど、努力した人ほど、評価されるような時代でした。ただ、働き方改革や、結果にコミットするようになり、時間よりも成果が求められる時代になってきております。それに伴い、自分の裁量が大きくなり、これまで夜にしか考えられなかったことを、朝に取り組んでもいいことになってきているように感じます。より良い成果を生むために、自分らしい時間の使い方を、模索していくようになるのでしょう。
このような「夜から朝へ」は、今後、様々な分野にビジネスチャンスがあると考えます。
「夜から朝へ」のビジネスチャンスの例
■ バーが朝から開いている。モーニングにショットカクテルをプラス。朝の気合に。『グッド・モーニング・バー』。
■ 朝、出社前からリフレッシュしたい。『モーニング・マッサージ』サービスの開始。
■ 朝なら甘い物を思う存分食べてもいい。『モーニング・ケーキ』の提供。
など。
朝、今日はなんだか気分が上がらないな、という日は、いつもは朝にやらないことを取り入れてみてはいかがでしょうか?私は、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなってしまうので、平日の朝は、お酒は控えますが・・・。ご検討を。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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博報堂 統合プラニング局 ヒット習慣メーカーズ メンバー2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。