ヒット習慣予報vol.16『労力の週末貯金』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの鈴木です。
いきなり私事ですが、昨年4月に子供が生まれまして、間もなく1歳を迎えようとしています。保活が厳しいと言われる中、何とか保育園も決まり、奥さんも来月から会社に復帰予定。そんな中、やはり不安なのは仕事・家事・子育てをちゃんと両立できるのか。「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、本当にそんなにできるかいな!」と戦々恐々しつつ、4月は確実に迫っているのです・・・。
そこで今回は、忙しい共働きの人たちのヒントに少しでもなればという想いと、個人的な心配の解消のために、週末に平日には負担が大きい家事等をやり貯めしておき、平日はその貯金を崩しながら過ごしていくというスタイル「労力の週末貯金」について書きたいと思います。
「労力の週末貯金」のわかりやすく、象徴的な例は常備菜の「つくりおき」ではないでしょうか。「つくおき」で検索をしてみると、ここ数年で検索数は大きく増加しています。
レシピ本も飛ぶように売れ、人気シリーズは累計で90万部を突破しているそうです。各つくりおき本を見てみると、「週末に作り置きして平日がラクになる!」「週末3時間で1週間分のおかずを作って、平日すごくラクする」等、休日にちょっとした労力を使って極力平日を楽に過ごせるようにすることがポイントのようです。また、つくりおきをしている人から話を聞いてみると、つくりおきの方が外で済ませるよりも財布にも優しいし、栄養も偏らない等、プラスの側面も多くあるようです。例えば最近簡単でおいしいと評判になっている鶏ハムも、作り置きとして優秀なメニュー(筆者の奥さん談)。鶏ハムは低温調理で火が完全に通るから置いておいても菌が繁殖しにくく(あくまでもそんな気がするとのことですが)、柔らかくしっとり仕上がるので乾燥もしにくいというメリットがあるとのこと。しかも鶏ハムはアレンジがしやすく、サラダにしたり、ラーメンに乗せたりと忙しい毎日の食卓のバリエーションを拡げるのに一躍かってくれます。まさに、一度の労力で多様な楽しみができる優秀な週末貯金なのです。
「つくりおき」以外にも、「こんなものまで週末貯金するの!?」と驚かされるものがいくつかありました。忙しい平日の朝、できるだけメイクの時間を短縮するため、一度使用すれば約1週間眉メイクが定着した状態をキープできる「眉ティント」を使う。週末にベージュ色のネイルをしておくことで、週の最後にはハゲても目立たないようにしておく等です。
実際、「眉ティント」「ベージュネイル」でどのような内容がTwitterで投稿されているのかをみるために、共起語(「眉ティント」「ネイル ベージュ」とともにどのような単語が投稿されているか)を調べてみました。
特に眉ティントに関してはそもそも時短を目指しているということもあり、「楽」という声が上位に見られましたが、注目したいのは「面白い」「可愛い」「きれい」「嬉しい」等、時短や効率を目的としていたとしても、ある程度みなさん楽しみながら実践されているということです。決して「大変だ、忙しい」と悲観をせず、週末の貯金をむしろ楽しもうという流れは非常にポジティブですし、なんだか希望が見える気がします。
男性でも、毎日何を着ようかと悩まないよう1週間分のコーディネートをあらかじめ考えておくという声も見られました。確かに毎日のコーディネートで迷わなくて済むようにプロのスタイリストがそのまま着られるコーデを送ってくれるスタイリスト機能付きのファッションレンタルサービスは男女問わず話題になっていますね。私たちのコラムでも、vol.13『ビジネスミニマリスト』で毎日同じ服を着続ける「仕事着の制服化」を紹介しましたが、これもこの流れの極端な例といってよいかもしれません。
これまでのヒット習慣予報でもビジネスチャンスの例をいくつかご紹介しましたが、
「労力の週末貯金」にも色々なビジネスチャンスがあると考えます。
「労力の週末貯金」のビジネスチャンスの例
■ 1週間洗髪不要になるシャンプー
■ 拭き掃除をしながら1週間分のフローリングコーティングができる拭き掃除グッズ
■ 1週間分の野菜が摂れるスムージー
■ 大量のカロリーを固めて消費できるエクササイズジム
など
決して何かを諦めるのではなく、知恵を絞り、手間をかけながらも前向きに平日をできるだけストレスフリーに効率よく過ごす「労力の週末貯金」。ぜひ皆さん実践してみてください(共に頑張りましょう!!)
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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博報堂 統合プラニング局 ヒット習慣メーカーズ メンバー2007年 博報堂に入社。
ヒット商品やヒット習慣には飛びつかずにはいられない、ドミーハー。好きが高じて、ヒット商品やヒット習慣を生みだせると良いなと思い日々奮闘中。休日は家でアイドルのDVDを見るのが好き(主にジャニーズ)。