おすすめ検索キーワード
ヒット習慣予報 vol.399『感情デトックス』
PLANNING

ヒット習慣予報 vol.399『感情デトックス』

 

こんにちは、ヒット習慣メーカーズの吉田です。
僕はインターネットが主な活動場所なので、SNSを頻繁にチェックしているのですが、最近はSNSを見ていると疲れてしまう感覚が強くなってきています。
様々な人の意見に触れることで自分の感情が上下してしまい、その結果、なんとなく疲れてしまうということが多いのですが、同じような感覚の人を調べていくと、そういった感情の起伏を上手にコントロールする人たちが最近増えてきているようです。

そのような、自分の感情をコントロールして、乗りこなしている人たちの習慣を、「感情デトックス」と名付け、特徴的な事例をいくつか紹介していきます。

最初に紹介する事例は、「感情をアウトプット」です。

自分の思ったことを日記帳や手帳などに文字として書き出して、感情や思考をアウトプットする手法を「ジャーナリング(=書く瞑想)」と呼びますが、この手法が徐々に世間的に認知されるようになってきており、感情のアウトプットを実践している人が増加傾向にあることがわかります。

出典:Googleトレンド(「ジャーナリング」の直近5年間のウェブ検索数の推移)

また、最近は「ジャーナリング」用のアプリも人気のようで、SNS上で調べてみると、継続的に感情をアウトプットすることで心の整理に繋がり、自身のメンタルケアに役立っているという投稿も見受けられました。
他にも、AIに自分の感情や気持ちを相談する人やSNSのフォロワー0の鍵アカウントで感情を書き出す人も一定数存在するようで、実際に感情をアウトプットして整理するという兆しは今後も広がっていきそうです。

続いて紹介する事例は、「感情を検索」です。

「夜は不安になる なぜ」「(作品名) 感想」など、感情にまつわる疑問や、自分が抱いた感情、他人がどう思っているかなどを調べる人たちがZ世代を中心に増加しているようです。
自分が抱いている感情を、検索を通じて言語化し自分の中で整理をしたり、他の人の感情と自分が抱いている感情を比較し、他人とのギャップを把握したり、自分の感情が一般的なものなのかどうかを確認したりするのが、感情を検索する理由のようで、特に作品の感想を検索するという行為はかなり浸透し始めているのに加え、最近は、「感情をアウトプット」と同様に、AIに感情を聞いたうえで、自分の感情を客観的に捉えようとする人も増えてきています。

最後に紹介する事例は、「感情の揺れを防止」です。

何かの作品を観たときや、壮大な景色や自然に感動するなど、生活の中で様々な感情の揺れが発生しますが、ここ最近は、大きく感情を揺さぶられたくないと考える人たちが増加傾向にあり、顕著な事例として積極的ネタバレ摂取派の増加です。
ネタバレと言えば避けるべきもの、という認識がネットを中心に根強いですが、自分からネタバレをあらかじめ確認しておくことで、展開や結末を把握したうえで作品を視聴するという人の声が散見でき、ネタバレを見ておくことで、大きな感情の起伏を体験せずに済ませたいというニーズが一定数あるようです。
実際、ネタバレを含む解説系の動画のコメントを見てみると、事前に展開を知ることが出来たので安心して視聴することが出来ました、といったコメントも見られるなど、ネタバレで未然に感情の揺れを防止している人が一定数存在することがわかります。

ここまで「感情デトックス」の事例をいくつか紹介してきましたが、このような習慣を取り入れる人が増え始めている背景にはどのようなことが考えられるでしょうか。

まず、冒頭で僕自身が感じていたように、SNSなど他人の感情に触れる場が増加したことで、自分の感情も揺さぶられるという、「感情疲れ」のような状況に陥っている可能性が考えられます。様々な人の感想を受動的に大量に摂取する中で、自分の本当の感情を見失ったり、他人の感情に影響されて自分の感情も乱れたりすることに心理的負担を感じることが増えたことで、自分の感情を整えるニーズが高まっているのだと思います。
もう一つの背景としては、世間全体におけるコンプライアンス意識の高まりを受けて、感情的にならないように自分をコントロールしたいというニーズが高まっていることが考えられます。一時の感情で大きな問題に繋がりかねないと感じているからこそ、自分の感情に振り回されないように、日常的に感情をコントロールする習慣が広がっているのではないでしょうか。

最後に、「感情デトックス」のビジネスチャンスについて、少し考えてみました。

「感情デトックス」のビジネスチャンスの例
■ AIで自身の感情の傾向を分析し、その日の行動をアドバイスする、AIエモートトレーナーサービスの開発
■ 感情のアウトプットをスムーズに促す、フレームワーク型の感情日記の販売
■ 喜怒哀楽以外の感情をタイプ化し解説する、感情図鑑の開発

年度末に向けて忙しくなっていく時期ですが、僕自身も、うまく自分の感情と向き合って、忙しさに負けずに感情を乗りこなせるようにしていきたいなと思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 北海道博報堂
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2020年北海道博報堂に入社し、マーケティング・ストラテジックプラナーとして業務に邁進している。インターネットに生息し、日夜インターネットカルチャーを浴び続けている。