おすすめ検索キーワード
ヒット習慣予報 vol.273『広がるニューベジライフ』
PLANNING

ヒット習慣予報 vol.273『広がるニューベジライフ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの金田です。

最近、野菜のオーブン焼きにはまっています。色んな野菜をカットして天板に敷き詰め、塩コショウをふってオーブンで焼くだけなのですが、手軽にたくさん野菜を食べることができ、身体も心もヘルシーに満たされた気がして気に入っています。
私は通勤経路の途中にある、契約農家から集めた野菜を販売している直売所のようなスタイルのお店で野菜を買うことが多いのですが、休日や帰宅ラッシュのタイミングにお店を訪れると、多くの方が、時には列をなしながら野菜を購入していく姿を目にしています。
実際にGoogleトレンドで「直売所」と調べてみると、近年どんどん注目が高まってきていることもわかりました。

(出典:Googleトレンド「直売所」で検索 ※フード・ドリンクカテゴリ)

今までは何気なくスーパーで購入するだけだった野菜も、いろんな広がりを見せているようです。
そこで今回は「広がるニューベジライフ」として、生活の中で野菜を食べる際の新しい兆しについてご紹介します。

まずは「規格外野菜」です。
これまでスーパーなどに並べられている野菜は、取引や流通をスムーズに行うため、一定の規格をクリアしなければ流通することができませんでした。
そのため、私たちが普段何気なくスーパーで見ていたのは色や形、大きさなど「見た目」に関する基準もクリアした野菜でした。この販売基準に満たない野菜は廃棄されてしまうことが多かったのです。そんな中、規格外野菜であるということをひとつのウリにして販売したり、スムージーやサラダ、さらにはお出汁などにも加工して販売したりするお店が注目を集めてきています。さらに、規格外野菜を定期的に届けてくれるサブスクサービスなども登場し、利用する人が増えてきています。

続いては「レア野菜」です。
普段スーパーに行くと、どこのスーパーでも大抵安定して買うことができる定番野菜がありますよね。それらの野菜とは異なり、これまであまり見かけることや名前を聞いたことのない珍しい野菜が注目を浴びてきています。
例えば、カリノーケル、ロマネスコ、コラード…。
どれも聞いたことがない名前ばかり、という人も多いのではないでしょうか。
このようなレア野菜が農家の直売所などで販売されている地域では、近所の人だけでなく、遠方からわざわざ車で訪れて購入する人もいるんだとか。私も旅先で道の駅などにある直売所を訪れた際に珍しい野菜を見つけると、つい購入して家で食べ方を調べて食べたりすることもあります。あまり見かけない野菜だからこそ、どんな味なのか、どんな調理法がいいのか、わくわくしながら料理を楽しめるのも一つの醍醐味かもしれません。

最後は「若い野菜」です。
マイクログリーンと呼ばれる野菜の新芽が今注目を集め始めています。
これまで野菜の新芽界隈ではブロッコリースプラウトが有名でしたが、現在それ以外にも様々な野菜の新芽が注目されはじめています。マイクログリーンの特徴としては、新芽であるため葉が小さく、カットせずに手軽に料理にアクセントを加えられること、栄養素も成熟野菜より多く、美容やダイエットでも期待ができることがあります。また、見栄えも良いことから飲食店だけでなく、一般の家庭でも料理に取り入れる人が増えてきています。野菜を食べるとき、どうせならたくさん栄養を摂りたいし、見栄えが良い方が嬉しいですもんね。


では、なぜこのような様々な野菜を取り入れる「広がるニューベジライフ」へ注目が集まってきているのでしょうか。大きな背景として、健康意識の高まりやコロナ禍によって自炊をする人が増えたことで、健康との結びつきが強い、野菜に興味を持つ人が増加したことが考えられます。さらにSNSでのシェア文化や、野菜のオンライン購入も以前より身近になってきたことも相まって、野菜を通じた購買体験やそのあとの調理体験といった“体験価値”への注目度が上がったことで、今まで知られていなかった様々な野菜たちの存在を目にしたり、実際に手に入れるためのハードルが低くなっていったりしたことも影響しているのではないかと考えています。それによって「(SDGs文脈で)ちょっと良いことをした気分になりたい」「わくわくしたい」という気持ちをモチベーションに、日々の生活の中で今回ご紹介したような野菜や関連サービスに興味を持つ人が増えてきているのではないでしょうか。

最後に「広がるニューベジライフ」をめぐるビジネスチャンスについて考えてみました。

「広がるニューベジライフ」のビジネスチャンスの例
■珍しい野菜だけを使った料理を提供してくれるレストラン
■マイクログリーンを育てる栽培キットの販売
■自分が食べた野菜の栄養を可視化してくれるサービスの開発

私も最近自炊がマンネリ化してきているので「焼く」以外にもいろんな食べ方で野菜を楽しめるよう、料理へのモチベーションを上げていきたいと思いました。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

sending

この記事はいかがでしたか?

送信
  • 関西支社第二ビジネスデザイン局第二プラニングチーム
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年に博報堂入社。大阪生まれ大阪育ちのマーケター7年目。ヘルシー&ビューティー関連が大好き。最近新しい“推し”と出会ってしまい、日常生活がとても活き活きしています。