ヒット習慣予報 vol.234「ホルモンマネジメント」
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中林です。
ここ数日、無性に眠たい…。たくさん寝たはずなのに、まだ眠たい。頭がスッキリしない。なんだかやる気も出ない…。
わかる!!と思ったあなた、もしかしたら、ホルモンバランスが乱れているかもしれません。
日中の眠気やだるさは、実は単なる疲れや睡眠不足ではなく、ホルモンバランスの乱れからくる不調である可能性もあるようです。
自分の体と向き合い、ホルモン分泌量を管理することで、上記のような不調が消えた、という声もネット上で多く見られ、近ごろ若者を中心に、日常生活の中でホルモンバランスを重要視する人が増えています。
「ホルモンバランス」の検索数推移
今日は、ホルモンマネジメントを始めるのにおすすめの習慣を、いくつかご紹介していこうと思います。
まず、さくっとホルモンについて説明すると、数多あるホルモンのなかでも、ストレスや疲労感の軽減には「幸せホルモン」が効果的とされており、大きく分けて3種類「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」が正常に分泌されていることが重要なんだそうです。
一つ目の習慣は、自発的に上記の「幸せホルモン」を分泌する行動をとること。
まずセロトニンは、日光を浴びることによって生成されるため、散歩をしたり適度な運動をして汗をかくことも重要です。また、たんぱく質が適切量摂取できているかどうかも分泌に関係しているため、大豆や乳製品などを積極的に摂ることも大切なんだとか。
オキシトシンは、通称「おもいやりホルモン」と呼ばれていて、相手を思いやって行動することで分泌されるホルモンだそうです。例えば、マッサージは受ける側よりも、してあげる側の方が幸福度が増すんだそう。これは、相手を癒やしたい、というおもいやりの心を持って他人と触れ合うことで、よりオキシトシンが増加するためだと考えられます。
最後にドーパミン。これは、実際に行動を起こしているときに分泌されるそうです。具体的に何をしたらいいのか、少し難しく感じますが、実はとても簡単です。それは、自分に対するご褒美を設定すること。このタスクを終えたらケーキを食べてOK!と目標を設けると、行動のモチベーションが上がり、ドーパミンの分泌量が増えるのです。
次の習慣は、化学の力でホルモン分泌量を一定にコントロールすること。
近ごろ、ホルモン分泌を促進するサプリメントを日常的に摂取する人が増えています。
中でも代表的なのが、CBDと低用量ピル。
私たちの身体には、ECS(エンド・カンナビノイド・システム)と呼ばれる、様々な機能を調節することでホルモンバランスを安定して維持する仕組みが備わっているのですが、
CBDを正しく摂取することによってECSに働きかけることができるそうです。すると、自律神経が整い、リラックス効果による睡眠の質の改善や不安・緊張の緩和などが見込めるとのこと。
また、生理痛やPMS(生理によるホルモンバランスの乱れ)の症状緩和のために、低用量ピルを服用する女性も、増えているようです。
さらに、PMS解消のために、男女で一緒に生理を管理する習慣も定着してきています。
恋人や夫婦でシェア利用できるアプリやカレンダーをインストールし、月一回の生理を共有事項としてマネジメントします。体調や、PMS特有の不調について理解してもらえたり、スケジュールを立てやすくなったりするなどのメリットがあるため、パートナーと利用している人が続々と増えているようです。
ここまでで分かるように、いいこと尽くしホルモンマネジメントですが、なぜ今このような習慣が若者を中心に注目度を高めているのでしょうか?
理由は大きく二つで、一つはコロナの影響、もう一つは女性の社会進出によるものだと考えられます。
ここ数年間のコロナウイルスへの不安や隔離生活がストレスとなり、自律神経が乱れる人が増加しました。気兼ねなく外出ができなかったり、会いたい人と会えなかったり、気晴らしの選択肢が絞られてしまったことが大きな原因だと考えられます。
コロナ禍でもストレスをうまく発散し、メンタルをいい状態で維持する方法として、ホルモンマネジメントが注目され始めたと予測できます。
また、近年、女性の社会進出が進む一方で、晩婚化や出産の高齢化など、ライフスタイルが大きく変化し、女性特有の健康トラブルに悩む女性が増えていることも原因のひとつだと考えられます。
さらに、若者世代はジェンダー問題に対して高い関心を持っているため、生理やPMSといった女性特有の悩みを理解したいと考える男性が増えているのだと思います。
最後に、ホルモンマネジメント習慣の今後の広がりについて、考えてみました。
「ホルモンマネジメント」のビジネスチャンスの例
■幸せホルモンの分泌に効果的な、こだわりの食事を提供するレストランをオープン
■より気軽にCBDを体験できる空間を創る
■聞きづらく分からない異性の不調に関して、楽しく学べるワークショップを開催
眠さやだるさなど、病院に行くほどではないと思っているけどしつこく付きまとってきたりして、かなりおじゃま虫ですよね。もちろんホルモン以外の違う原因も考え得るので、専門医に相談していただくことや薬などを勝手に判断しないことも重要です。上記の習慣のうち、できることだけでも取り入れて、快適な毎日を過ごしてもらえたら嬉しいです!
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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博報堂 生活者エクスペリエンスクリエイティブ局
ヒット習慣メーカーズ メンバー2021年博報堂に入社。一人前のマーケティングプラナーをめざして毎日修行中。趣味はヨガと編み物、好物はさば寿司と卵焼きです。