ヒット習慣予報 vol.144 『酸っぱイイ暮らし』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
気がつけば11月。早いですね。2020年を振り返るにはまだ早いのかもしれませんが、こんなにも家で過ごした1年は、ここ数年なかった1年でした。私個人として、新しい暮らし、新しい生活習慣が生まれた1年でした。朝バナナジュースに始まり、プロテインドリンクへシフト。最近はもっぱら、玄米生活。その中でも、実は一番続いていたのは、朝フルーツ。夏場はキウイをよく食べ、最近は、柑橘類へとシフトしています。ビタミンCなどの栄養はもちろん気にしていますが、それ以上に、目覚めに、ちょっと酸っぱい刺激がとても心地よく、続いているような気がしています。
さて今回のテーマは、そんな「酸っぱい」を取り上げようかと思います。
Googleトレンドを見て、驚いたんですが、「酸っぱい」って、ここ数年、注目度が右肩上がりなんですよね。
えっ?!なんで?と個人的に気になっていろいろ調べて見たんですが、「酸っぱい」ことが、我々の「イイ暮らし」につながっていたようです。そのため、今回のテーマを「酸っぱイイ暮らし」と名付けさせていただきました。早速ですが、「酸っぱイイ暮らし」について、いくつか紹介させていただこうと思います。
まず、「お酢カクテル」。普通のお酢と比べて味がまろやかで、様々なフルーツの味わいを楽しめるとのこと。美容・健康にとっても良い、ので、人気を集めているようです。さらに、カクテルかのような見た目で入れてくれるお店もあったりして、SNS映えからも若い世代に注目を集めているようでした。ビール×お酢(ビネガー)で楽しむものもあれば、ノンアルコールカクテルとして楽しむものもあり、楽しみ方も人それぞれでした。程よい酸っぱさが、何にでも合わせやすく飲みやすいのが人気の秘密のようです。
続いては、「酢キャベツ」。そもそも酢キャベツとは、キャベツを酢につけたもの。酢キャベツは、キャベツに酢をしっかりと漬け込むので、強い酸味が特徴的。ただ、酸っぱいのが苦手な人でも、酸味がまろやかな米酢とか、やさしい甘みがあるりんご酢とかでアレンジすると、柔らかい酸味になり、大丈夫なようです。一時期、「酢キャベツダイエット」が話題になっていましたが、その理由も探ってみました。簡単に作れて、アレンジが可能だから、飽きない!とありました。そして、実際の効果としては、キャベツに含まれる食物繊維が便秘対策にイイのに加え、お酢が、内臓脂肪の燃焼を促進させてくれたり、血糖値の上昇を緩やかにしてくれたりと一般的に言われていて、ダイエットに取り組む人に強い味方のようでした。あの酸っぱいのが一種の効果感を感じさせてくれて、続いたりするのでしょうね。
そして、最後は、ちょっと食べ物から離れてみました。「お酢除草剤」。
雑草対策の3つの作法として、防ぐ、枯れさせる、刈り取るがあるようですが、お酢除草剤が実現するのは、「枯れさせる」。雑草を含め草木は、強い酸やアルカリに弱く、根に浸透させると、内部から枯れるようです。こちらの場合は、酸っぱさ(酸性)のおかげで、人体への影響がなく、草木への即効性が高いことが人気の要因であるようです。
では、なぜこのような「酸っぱイイ暮らし」が広がっているのか、理由を考えてみました。
最大の要因は、「健康意識の高まり」にあると思います。リモートワークなどで、人と接する機会が減ったり、外出する機会が減ったりすると、つい怠惰な生活を送ってしまいがちですが、それもある程度続いたところで、踏みとどまり、改めて自身の健康を見つめ直すことへとより戻しが来ているように感じます。コロナ太りなどが、緊急事態宣言のときに囁かれたりしていましたが、最近では、コロナ禍で、30キロ痩せた!などという強者も出てくるなど、改めて、健康意識が高まっているように感じております。
また、それ以外にも、疲れたり、ストレスが溜まったりすると、人は酸っぱいものを求める傾向があるようなので、コロナ禍で、不安定で慣れない暮らしの中、いつも以上に疲れを感じやすかったり、ストレスが溜まったりして、より酸っぱいものを求めるようになっている可能性もあるのではないでしょうか。
「酸っぱイイ暮らし」によるビジネスチャンスの例
■ お菓子メーカーが、お酢で作ったキャンディーを売り出し、新しい在宅ワークのお供になる。
■ お酢を作っているメーカーが、ノンアルコールお酢カクテルを、自動販売機で販売する。
■ コンビニエンスストアが、ダイエットを目的とした、酸っぱいダイエット飯をお弁当やお惣菜として売り出す。
など。
もともと「酸っぱい」味が好きな私でしたが、今回いろいろ調べていく中で、「酸っぱい」のが健康に効果があることを知り、とてもうれしくなった次第でした。今晩は、酢キャベツでも仕込んで、週末には、お酢カクテルでも作って、酸っぱイイ暮らしをしてみようかな、と思っております。
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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博報堂関西支社 MDB推進局 統合プラニング部
ヒット習慣メーカーズ メンバー2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。