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ヒット習慣予報 vol.114 『イエナカ身だしなみ』
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ヒット習慣予報 vol.114 『イエナカ身だしなみ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの村山です。

コロナウィルス対策での外出自粛を受け、大変な生活を送られている方々も多いことかと思います。つらい時期かと思いますが、一日でも早く今までの生活に戻れるように、僕も昼は家の中で仕事をして夜は家で映画をみたり友達とチャットしたりする生活に慣れていきたいと思います。

海外でも#StayHomeのハッシュタグとともに、街にでかけずに自宅待機を呼びかける投稿が多くの著名人から発信されていますし、日本でも#おうち時間というハッシュタグとともに様々な自宅での過ごし方の提案がSNSで行われています。メディアでもイエナカ消費や巣ごもり消費の盛り上がりが取り上げられていますが、そんな在宅を中心にした生活の新しいトレンドが、今回のテーマ「イエナカ身だしなみ」です。

「巣ごもり」の検索数推移

出典)Googleトレンド

コロナ問題が発生する前から、にわかに盛り上がりをみせていたワンマイルウェアというファッションをご存知でしょうか。僕は昨年末あたりに耳にしたのが最初でしたが、ワンマイルウェアというのは自宅着でもなく外出着でもなくその中間の、ちょっとそこまで出かけるのに恥ずかしくないのに着心地のよい楽なファッションのことを意味しています。そもそもこの言葉を耳にしたきっかけが、後輩からの「休日に一日中ソファで映画見たり本を読んだりしながらダラダラゆっくり過ごしたい時に、ランチも夜ご飯もいっそのことフードデリバリーサービスで済ましたい!と思うのに、デリバリーの人と顔を合わせるのにちょっと部屋着のままだと恥ずかしいと思って、、、」といった話がきっかけでした。そんなイエナカ生活を満喫するのにぴったりなファッションがワンマイルウェアだったのです。

この新しい身だしなみの考え方を、外出自粛要請がなされている現在、ワンマイル(=約1.6km)という距離を出かけるためのファッションではなく、一日中部屋で仕事をするテレワーク中のファッションと捉え直してみるとどうでしょう。普段スーツで通勤している人も自宅でテレワークとなったらスーツも必要ないかもしれませんし、参考になるのではないでしょうか。僕も一日中テレワークで社内外の人と会議することがあるのですが、完全な部屋着ではパソコンのインカメラをオンにすることができず、とはいえ外出着は一日家の中で過ごすのには動きづらいし、と悩んでいたところなのでどんなワンマイルウェアがあるのかチェックしてみようと思いました。

このように在宅中心のライフスタイルを送る今だからこそ、外に通勤するのが当たり前だった生活にはない「新しい働き方における身だしなみ」として「イエナカ身だしなみ」を考えてみるのはいかがでしょうか。

テレワークのために開発されているわけではありませんが、世界初のブロックチェーンで作成されたデジタルドレスが100万円で落札されたことが昨年話題になりました。デジタルドレスなので画像の中(バーチャル)でしか着用できないものの、高額な値段で落札された一つの要因はブロックチェーンで作成されているため偽造できないことが要因とのこと。ただ、アートの視点ではなく「イエナカ身だしなみ」というテーマでこの話題をみてみると、新しい働き方にも示唆をあたえるトピックだと思います。今後さらにテレワークが進むだけでなく、バーチャル上で会議することが当たり前になる時代になったら、仕事用の服はデジタルドレスやデジタルスーツでいいや、みたいなことが当たり前になる社会が訪れるかもしれませんよね。

ファッションだけでなく、女性にとっては毎日大変な時間をとられてしまう「メイクによる身だしなみ」も新しいあり方がテクノロジーによって実現できる日が近づいているようです。オンライン会議の際に自動でメイクしてくれるサービスがすでに一部で試験運用されたことがありました。子育てしながら働く女性や地方と東京の遠隔で仕事しなければいけない女性にとっては(メイクをしたい男性にとっても、もちろん)本格的に運用されれば画期的なテクノロジーになりますよね。

他にも、最近テレワークが増え話題になっているのが、カメラの背景や自分に自由にエフェクトを設定できるサービスです。一人暮らしをしていると部屋干ししている下着がうっかり写り込んでしまったり、会社で内緒にしていた趣味が写り込んでしまうみたいな経験がある人もいるのではないでしょうか(ないですかね)。そんな時に被写体である自分だけを切り取って背景の部屋を別の画像で置き換えて表示できるサービスはとても便利ですよね。なにより毎日同じ部屋の変わらない景色の中で生活することになるので、日々違う背景に設定することで自分の気分転換にもなりますし、会議相手との会話のきっかけとして活用することだってできますよね。

ここまで様々な事例をご紹介してきましたが、「イエナカ身だしなみ」は改めて、外出自粛時の現在においては在宅中心の生活における新しい身だしなみの楽しみ方であり、テレワークが一般化する時代における新しい身だしなみの考え方でもあります。外出できず辛い時期かと思いますが、新しい生き方にチャレンジする機会として前向きに日々過ごしていく参考になると嬉しいです。

最後に、「ワンマイル身だしなみ」のビジネスチャンスについて、少し考えてみたいと思います。

「ワンマイル身だしなみ」のビジネスチャンス例
■ 自宅での着こなしバリエーションを増やすサブスクリプションサービス
■ テレワーク時にデジタル上でメイクを試して、そのまま購入までできるサービス
■ オンラインでの飲み会を盛り上げるデジタルドレスの開発
など。

お酒が好きなのに友達と飲みにいけなくなってしまったのは残念ですが、先日はじめてオンライン飲み会をやってみたら新しい宅飲み感覚でとても楽しかったので、興味のある方はぜひやってみてください!

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 PR局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    PR戦略局から、19年に統合プラニング局に異動、21年にふたたびPR局に異動。車からお菓子に至るまで様々なクライアントの情報戦略、企画立案に携わる。毎日きまった街のきまった飲み屋に入り浸っていた生活を経て、知らない街の知らない店に飲みに行きたいなとリサーチ活動を実施中。