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ヒット習慣予報 vol.75『ソトもウチ』
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ヒット習慣予報 vol.75『ソトもウチ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの武藤です。
このコラムが配信される6月11日は「雨漏りの点検の日」です。暦の上では「梅雨入り」を意味する雑節の一つ「入梅」になることが多いことから、本格的な梅雨を前に建物の雨漏り点検をして、雨漏り被害に遭わないようにするという記念日です。
本格的な梅雨シーズンを前に住まいなど建物の点検をするのもいいかもしれませんね。

ということで今回のテーマは、「ソトもウチ」です。住まいはコンパクトに抑えて、家の外をフル活用した生活スタイルになってきているというテーマです。

先日ある番組で特集になっていたのが狭小アパートで、その間取りはなんと「3畳」。
さ…3畳!と衝撃を受け、どんな内容なのか調べてみると、都心の人気エリアの駅近物件が多く、その立地にしてはリーズナブルな家賃で、主に若者や働き盛り世代の間に人気があることが見えてきました。
今までの狭いアパートのイメージは、お風呂がなくて日が当たらないようなジメジメした暗い部屋のイメージでしたが、最近の狭小アパートは狭さを感じさせないよう工夫がされていて、天井が高く、窓が大きく開放感があり、ロフト付きではさらに広さが感じられるような設定になっています。また、話題になっていることもあり新築や築浅物件が多く、wifi無料やオートロックなどの充実したサービスもあり、セキュリティ面にも気遣いがあるとのこと。トイレとお風呂が別になっているところやセキュリティがしっかりしているところも人気を集めるポイントかと思いました。
Googleトレンドで「狭い部屋」の検索数の推移をみても話題になっていることがうかがえます。

出典)google トレンド 検索ワード「狭い部屋」

実際の生活スタイルを分析してみると、下記のような傾向がわかりました。
・食事はコンビニか外食ですませる。
・冷蔵庫は近くのスーパー、コンビニがその役割を担う。
・洗濯はおしゃれなコインランドリーを活用。
・衣類・小物はファストファッションもしくはレンタルを活用。
・お風呂に浸かりたいときはスポーツクラブもしくは銭湯に行く。
・カフェや公園・居酒屋などのサードプレイス(自宅や職場ではない、心地のよい第3の居場所)を持っている。
・家賃や水道光熱費などを節約して、その分自分の趣味など好きなことにお金をかける。
などでした。

さらにネットの投稿では「外に出かけることが多く、食事も外食中心なので、家は基本的にお風呂に入って寝るだけ。だから布団が敷けるだけの広さで十分」「家賃を抑えたことで、遊ぶお金も増えて言うことありません」などの意見もあり、この傾向・投稿をみると、積極的に家の外にあるサービスを利用・活用していることがわかり、より“家の外をベースとした生活スタイル”になってきていることがうかがえます。

ではなぜ「ソトもウチ」が増えてきているのでしょうか?

理由として1つは、暮らし方に対する意識の変化です。
今までは、ゆっくりする・くつろぐ場所は「家」と考える人が多かったと思います。そのため、家で便利なものを揃える・所有するといった生活スタイルだったのが常でした。それが近頃は、家の外にある便利なものを利用・活用するスタイルに変化してきている。しかも快適に長居できるスペースやサービスも充実してきていて、生活スタイルの傾向の分析にもあったように「第3の居場所」を持っている人が増え、家の外にも居心地のいい場所を作りやすくなってきたからかと考えます。

そしてもう1つは、コスパ重視生活です。
都心人気エリアの駅近物件は、どこに行くにも短時間で移動ができ、身近にスーパー・コンビニや外食産業、病院などが充実しています。そのため家を小さくして、物を減らしたとしても不便を感じない、むしろ便利でコストパフォーマンスがいいと考えられるからではないでしょうか。

では最後に「ソトもウチ」のビジネスチャンスを考えてみました。

「ソトもウチ」によるビジネスチャンスの例
■ 近くの銭湯と提携。オプションで銭湯込家賃にする。
■ 住まいの地域店舗の待ち時間や混み具合が一目でわかるアプリを開発する
■ レジャーシート、小イス、簡易テントなどのピクニックグッズが公園や広場など、その場で即レンタルできるサービスを作る。
など。

台湾は、三食外で食べる外食文化だと言われています。日本でも緩和されつつありますが、共働き家族や疲れているママや料理がしたくないときは、気兼ねなく、罪悪感なく、外食しちゃえるようになるといいなと思いました。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 統合プラニング局 ヒット習慣メーカーズ メンバー
    音楽業界から広告業界へ。
    旅、映画、音楽が大好き。
    最近は、月1回温泉に入ることを目標にしています。