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テレビCMとInstagram広告の最適解を導きだす メディア出稿の可能性を広げるTV Cross Simulator
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テレビCMとInstagram広告の最適解を導きだす メディア出稿の可能性を広げるTV Cross Simulator

博報堂DYグループとフェイスブック ジャパンでは、FacebookやInstagramの、マーケティングプラットフォームとしての活用をより進化させる取り組みを共同で進めています。

テレビのCMとオンラインの動画広告をかけ合わせて効果を予測する博報堂DYグループの独自のツール「TV Cross Simulator」においても、2018年11月にアップデートを行いInstagramに対応しました。アップデートの狙いやInstagramにおける動画広告の状況、TV Cross Simulatorの今後の展開などについてフェイスブック ジャパンの Marketing Science Agency Partner中原啓智さんと、博報堂DYデジタルの藤井亮、太田幹人が語り合いました。

 
中原
フェイスブック ジャパン(以下Facebook社)でMarketing Science Agency Partnerを務めている中原です。広告会社とのデータ連携に関する企画、広告会社が運用している広告のパフォーマンス改善の支援、Instagram利用者に対するコンシューマーリサーチの三つを主に担当しています。
藤井
博報堂DYデジタルの藤井です。データドリブンプラニングディビジョンに所属しています。ソリューションを起点にしたクライアントの課題解決と、本日のテーマである「TV Cross Simulator」のような、博報堂DYグループ独自のツール開発を主に行っています。
TV Cross Simulatorについて簡単に説明しておきますと、テレビCMとオンライン動画広告を組み合わせた場合の最適な出稿パターンをシミュレーションするツールです。テレビCMの出稿パターンやターゲット層などのパラメーターを設定することで、最適なオンライン動画広告の出稿方法を提示し、広告効果を最大化することができます。
太田
博報堂DYデジタルの太田と申します。私はプラットフォーマー各社と共にビジネスをしていくデジタルメディアディビジョンという部署におり、私はFacebook、Instagramを担当しております。この2つのプラットフォームでのクライアント企業へのセールスを促進するハブのような役割をさせていただいております。

本対談では、TV Cross Simulatorの話をトリガーに、Facebook社との関係がメディアと広告会社という関係だけでなく、「マーケティングプラットフォーマー」としての側面をお話できたらと思っています。
まず、Instagramの市況についてお話させていただくと、2018年11月の発表では2900万MAA(月間アクティブアカウント)で、去年1年間で約900万アカウントが増加しています。博報堂DYグループでも、1年間で広告の取扱高が2倍になりました。Instagramは、初期は女性向けメディアというイメージが強く、化粧品などの広告が多かったのですが、近年はそれだけに限らず、自動車会社やテクノロジー企業など様々なカテゴリーの企業にご活用いただいております。

中原
その背景として、Instagramは意外にも男性の方についても投稿に対するエンゲージメントが強いのです。利用者様のグループインタビューなどを実施してみますと、特定のインフルエンサーに対して、女性だと“好き”と表現されることが多いのですが、男性だと“この人にずっとついて行きたい”といった感情移入した発言をする方もいらっしゃいます。
従来のテキストを中心としたSNSでは、海外のセレブリティの投稿に英語が苦手な日本人の方が反応するケースはあまりありませんでした。しかし、Instagramでは、例えば海外の有名サッカー選手であるクリスティアーノ・ロナウドやネイマールが写真を投稿すると、テキストの内容は分からなくても“いいね”などの反応をしたいという方が多くいらっしゃいます。
太田
男性ユーザーの割合も4割くらいまで増えていますよね。「ストーリーズ」の機能が使えるようになったことも影響しているのでしょうか。
中原
そうですね、フィードへの投稿はハードルが高いという方でも、24時間で消えるストーリーズであれば投稿したい、という方も多くいらっしゃいます。

プライバシーに配慮した効果的なデータ活用

太田
Facebook社は、「Instagram Day」というInstagramの近況や広告の使い方などを伝えるイベントを開催されています。当社グループでも「Instagram Day for Hakuhodo」というイベントをご協力いただいて開催しました。Instagramの最新事情や活用方法について当社グループの社員の関心は非常に高く、大変盛況なイベントになりました。中原さんにご登壇いただき色々お話していただきましたね。
中原
博報堂DYグループがマーケティング・ミックス・モデリング(MMM)のソリューション「m-Quad」をお持ちなので、Instagramの使いやすいデータを専用のUIでフィードできるようにした「データシェアリングアグリーメント」についてお話しましたね。これをきっかけに、「プライバシーに配慮しながら、データをサマリーにした状態でより効率的に使っていこう」という方針で、両社でMMMの案件を増やしていこうという流れになっていますね。
太田
MMMに関しては、メディアアロケーションを決める上での指針に活用されたりと
クライアントに評価もされているので、Instagramではどういうところに効くのか、といったところはMMM実施の利点を含めてクライアントへの説明を強化しています。
藤井
近年のInstagramは、20~34歳の男性と女性の両方に強いという特徴があります。そのためInstagramと連携することで、リーチや認知に留まらない、深い購入意欲を高められるのではないかと考えました。実際にInstagramでは、他のSNSと比べて、ユーザーは自分と関係があると思う内容であれば、広告であってもしっかり見る傾向があることが分かっています。
太田
動画広告の扱いは近年非常に伸びており、博報堂DYグループでは、テレビ×デジタルの取り組みを急速に進めています。特にポイントになっているのが「TV Cross Simulator」で、Instagramが急速に伸びていることから昨年11月に対応をさせていただいた次第です。
Facebook社からみるとTV Cross Simulatorの特徴はどこにあると思われますか。
中原
丁寧にモデリングされていると感じています。当社はセグメントごと、配信面ごとにフリークエンシー別のデータを出すAPIをご提供しているのですが、それをとても丁寧に扱われています。インプレッション単価の変動など、細かいデータも取り込んでいて、最新のInstagramの動向も捉えています。こうした部分は市場への価値として貴重だと感じています。
藤井
ありがとうございます。モデリングは一度作っても、変化に合わせてリフレッシュしないと機能しないため、力を入れています。ストーリーズはInstagramならではの特徴的な機能ですので、しっかりシミュレーションできるよう対応には力を入れていきたいと思っています。
中原
Instagramが拡大してきたことを考えると、今後メディアの出稿パターンも複雑化していくのではないかと思っています。現在のTV Crossの機能では、主に今はテレビとYoutube、テレビとInstagramといった二つの組み合わせになっています。でも、これは三つ組み合わせることが今後必要な場面も増えてくると思います。組み合わせに柔軟性があればクライアントにもより満足いただけるのではないかと思います。
当社としても検討段階ではありますが、例えばテレビとInstagramでどれくらい利用者が重複しているかを示す重複係数などを取得してお渡しできるようにしていきたいと考えています。

マーケティングプラットフォーマーとしての2社の挑戦

太田
博報堂DYグループとFacebook社は2015年からデータ連携を推進してきました。今後は、「TV Cross Simulator」以外でも連携を図っていけたらと考えています。具体的には、博報堂DYメディアパートナーズの「Atma(アトマ)」というソリューションの活用を考えています。Atmaは、テレビの実視聴ログデータとWeb閲覧などのオンラインアクチュアルデータを連携し、テレビCMの効果を最大化するものです。
テレビCMを出稿しているクライアントが、テレビだけでは対象の層に届かない場合に、Atmaを使ってInstagramの広告などで補完していく、という形です。まだテレビ出稿のみで、デジタル出稿に取り組まれていないクライアントに対して、Facebook社と組んで統合的にアプローチしていきたいと考えています。
中原
Atmaと組み合わせれば、テレビの視聴履歴と連携が取れるでしょう。同じテレビ番組を見た人であっても、どこに関心があるかは人によって様々です。例えばサッカー日本代表の試合をテレビで見ている人は、流れていたCMに興味があるかもしれないし、選手の身につけていたユニフォームや、インタビュー中につけていた時計に関心があるかもしれない。Atmaのデータを組み合わせ、瞬間を捉えてデジタル化をすぐに行えば、様々なセグメントに適切な広告を当てていくことが可能になると思います。番組編成に応じてデジタル広告のオペレーションのスケジューリングを対応させていくこともできるかもしれません。世界的なスポーツイベントも近づいているので、このような取り組みは一層進めていければと考えています。
太田
AtmaのデータとFacebookやInstagramのデータ、オフラインのコンバージョンのデータを組み合わせれば、「テレビCMのみ」「Facebookの広告のみ」「両方の出稿」などそれぞれの効果を測定することが可能になりますね。
中原
まさにそれを検討しています。もう少し時間はかかりそうですが、現在開発中の機能などを組み合わせればそういったことも可能になると考えています。

Instagramに最適なクリエイティブを提供する

太田
Instagramストーリーズは、全画面に出てくるのでかなりのインパクトがありますよね。これほどの規模のプラットフォームで、全画面の広告を打てるものは他にありません。全画面だとクリエイティブにも新たなノウハウが必要になります。Facebook社はクライアントと一緒に、ストーリーズのクリエイティブを作る「Sprint」というワークショップを展開されています。今後は、我々もFacebook社のお力を借りながら、当社のクリエイティブアイデアや、メディアやクライアントについての理解といった強みを生かした独自のサービスを提供できたらと考えております。半日かけて、クライアントと一緒にストーリーズ向けのクリエイティブを作っていくオリジナルのワークショップを今年度中に開催を予定しています。最後にクライアントへのメッセージをお願いできますでしょうか。
中原
昨今、Instagramでは自動車メーカーの広告が増えて来ていると感じています。以前は広告の数が少なく、車種もコンパクトカーのような女性向けのデザインがかわいらしい車に限られていましたが、最近は外資系高級車やスポーツカーの広告も増えて来ています。また、賃貸マンションなど、不動産の広告も増えています。プラットフォームが成長したことにより、このように業種問わず効果的に広告を出稿いただけるようになってきました。
Instagramは、以前の「おしゃれな写真を投稿する場」といったイメージから、コミュニティを中心に、日常のちょっとした瞬間を気軽にシェアする場へと進化しているように感じます。広告の効果を数字で検証できる状況も整いました。是非、ご活用をご検討いただければと思います。
太田
我々もますます協力を深め、より良いサービスをクライアントに提供できるようにしていきたいと思います。今日はありがとうございました。
  • 中原 啓智
    中原 啓智
    フェイスブック ジャパン
    Marketing Science Agency Partner
    大学院卒業後、アクセンチュアにて物流・生産ネットワークの最適化支援やデジタルマーケティング支援に従事した後、リサーチャーとして京都大学ゲノム医学センターでデータ解析に従事。その後、経営コンサルティング会社A.T.Kearneyにて消費財やヘルスケア業界等を対象に、データ分析に基づいた短中期での業績改善や、長期戦略の立案を支援。2017年にFacebookに参画し、広告代理店と連携してデータ連携、広告パフォーマンスの改善、ユーザーリサーチ等の業務に従事。
  • 博報堂DYデジタル
    データドリブンプラニングディビジョン
    ディビジョンマネージャー
    2005年博報堂入社。外資系・ダイレクト系をはじめマーケティングROIを重視するクライアントのアカウント業務に従事。 2009年、デジタル・ダイレクト領域に特化したプラニング部署に異動、様々な業種・規模のクライアントビジネスに携わり、PDCAを中心に据えた統合マーケティング型業務を実践。2016年より現職、デジタルを起点とした次世代型統合マーケティング推進及びそれによるマーケティング効果最大化をミッションとした各種プラニング業務に従事。
  • 博報堂DYデジタル
    デジタルメディアディビジョン
    2015年に博報堂DYメディアパートナーズに中間入社。
    i-メディア業務推進担当を経て、2018年4月より現職。
    SNSプラットフォーマーと共に博報堂DYグループ内でのビジネス開発、セールス促進を担当。