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ヒット習慣予報 vol.392『気ままおうちチェンジ』
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ヒット習慣予報 vol.392『気ままおうちチェンジ』

こんにちは、ヒット習慣メーカーズの金井です。

新年早々、プライベートな話で申し訳ないのですが、私の実家は、同じマンション内に2部屋を借りて生活しています。経緯を説明すると、妹の誕生でもともと住んでいた部屋が手狭となり、同じマンション内の広めな部屋にお引っ越し。元の部屋は知人に貸していたものの、中学卒業頃に引っ越しが決まり、父と兄が元の部屋へ戻ることに。以来、食事のタイミング以外は、マンション内で家族が別々に暮らすやや珍しい住まいの形となりました。このような固定概念にとらわれない住まいの持ち方は他にも増えてきているようです。機械的な “住む” という行為から、住む場所や形式にこだわりを持って “住む” 人たちを、今回のヒット習慣ではご紹介させてください。

1つ目は「タイニーハウス(トレーラーハウス)」です。
情報が溢れる現代社会で、シンプルかつミニマルな暮らしを大切にしたい。タイニーハウスならぬトレーラーハウス(移動式住居)は、そんな願いが叶えられる画期的な住まいです。住まい初期費用の抑制や、設置場所の柔軟性という観点でもメリットは多く、セカンドハウスという立ち位置でも所有を検討しやすいのもポイントです。Googleトレンドをみてみると2010年を皮切りに検索量は増加傾向を辿っており、2011年の震災発生時や2020年以降のコロナ流行など、暮らしの安全が脅かされる事象によっても注目を集めてきていることが伺えます。

 

出典:Google Trends(「tinyhouse」すべての国での検索量)

2つ目は「シェアリング型の別荘」です。
誰しもが一度は憧れる “別荘” 。従来は一人で金額全負担が主流でしたが、最近では、シェアリング型=所有権の共同購入をする手法が注目を集めています。維持管理費はすべて無料で全国多拠点に点在する別荘が利用でき、権利の購入となるため、売却・相続が可能な資産として保有できるのが人気な理由です。私は大学時代にインターンをしていたスタートアップの社長から教えてもらい、当時は起業家界隈を中心に認知が広まっていましたが、直近のSNSを見ていると、子を持つ親世代が、家族での心身リフレッシュを兼ねて購入検討する声が見受けられました。一般の生活者からはやや距離の遠かった “別荘” が、現代のライフスタイルに合わせた柔軟な利用形態によって、住まいの当たり前な習慣となりつつあります。

3つ目は「民泊ホッパー」です。
旅行する際の宿泊先イメージがある民泊ですが、最近では賃貸契約を結ぶ長期滞在先としての利用習慣も生まれ初めています。企業が社宅として契約するケースも珍しくはないようで、滞在が長期になればなるほど割安になるプランを提供する民泊サービスもあるようです。SNSでは、ホテルと比較すると、サービス価格に対して家具付きやキッチンなどのアメニティスペースの充実度合いで選ぶという声も多く、特定の住まいを持たない “アドレスホッパー” の中でも、コスパ観点で民泊を選ぶ “民泊ホッパー”が増え始めているようです。

このような新しい住まいの選択が広まっている要因は、
2つあると考えています。

1つ目は健康・ウェルビーイング意識の高まりです。
パンデミックによって、世界中の人々が生死について直面せざるえない状況となりました。その結果、意識変化として、自分らしく幸せに生きるためのありたい姿や暮らし方に目を向けて考える時間が増えました。住まいの形のアップデートをしようという動きも、自分と向き合う時間が増えた結果で起きた変化であると考えます。“自分にとっての理想の生き方は何?” と向き合う中で、住まいについても、家を所有することでの維持費などの面倒部分を抜きに価値を楽しめる3事例のような選択をする人が増加。2025年の今も、人々が自分らしさに向き合うことは当たり前な習慣となり、多様な住まいの形の選択をする人が増え続けているのではないでしょうか。

そして2つ目は安心感と暮らしのエンタメ化です。
新しい住まいの選択として紹介したのは、いずれも自分の本拠地以外の家(居場所)をもう一つ持ちたいと思う変化の兆しです。これは多拠点に住む=縄張り拡大による安心感を本能的に求めているからではないでしょうか。また、単一的な住まいの購入ではなく、社会的なつながり価値を持つ住まいを所有することで、目に見えない棲み家となりえる縄張りゾーンを広げていくことに面白さを感じているのではないでしょうか。発信が手軽な今の時代だからこそ、話のネタやコンテンツとしてエンタメ化しやすい住まいの選択が広まっていると考えます。

最後に、これからの新しい住まいの形をアップデートしたビジネスチャンスとして、下記のようなことを考えてみました。

「気ままおうちチェンジ」のビジネスチャンスの例
■ キャンピングカーに住む人に向けた駐車場型レジデンス
■ 地方出身のお金に余裕のない学生が都心に住む独居老人宅を間借りする下宿サービス
■ 福利厚生サービスの一貫として社員同士で所有権を保有するマッチング別荘


 このようなサービスが浸透することで、自分のライフスタイルに併せた住まいの選択ができる時代がくるのではないでしょうか。未来の生活者の住まいがどのようにアップデートされていくのか、引き続きウォッチしていきたいです! 

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 ビジネスデザイン局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2023年博報堂入社。好きな食べ物は餃子。
    いつか餃子屋さんを開店することがひそかな野望です。