ヒット習慣予報 vol.317『テック脳活』
こんにちは。ヒット習慣メーカーズの楠田です。
近頃、多様な生成AI関連サービスが世の中に登場し、昨年は、「生成AI元年」と呼ばれていましたが、日常生活や仕事の中で、AIを活用するシーンは増えてきていますでしょうか。かく言う私は、最近になってようやく仕事でAIをどう活用するといいんだろう?とか、どんなAIがあるんだろう?ということを勉強し始めたばかりなので、まだまだ初心者です。そんな初心者の私からすると、AIと共存していくために自分もアップデートしていくべきなのではと感じることもあります。そんなこともあって、自分の脳をもっと鍛えておかなきゃ!とか、AIに頼るというのではなく、AIを活用する脳にシフトしていかなきゃ、と思うようになってきています。
そこで、少し前にゲームなどで話題になっていた「脳トレ」に着目してみました。
Googleトレンドで「脳トレ」を調べてみると、かつてのことではなく、最近でも継続して「脳トレ」に注目が集まっていることがわかるかと思います。
ただ、いわゆるゲームの「脳トレ」だけではなく、テクノロジーを活用して、様々な領域での取り組みが広がっているようなので、今回はそれらを「テック脳活」と題して、いくつかご紹介させていただこうと思います。
まずは、「VRで、テック脳活」です。
これは、ゲームの脳トレの延長ではあるのですが、VRを活用することで、空間認識能力も評価されます。それにより、脳の機能を測定することで、自覚症状がない初期段階の認知症を発見する、なんてこともできるようになってきているようです。(※)そして、脳の働きを改善するために、スマートフォンのアプリでトレーニングする、などということもあるようです。脳は衰えるものではありますが、「テック脳活」を通じて、事前にわかるようになるだけで、今後の暮らしも大きく変わっていきそうですよね。
※参考:認知症を超早期発見!MIG社開発の最新VRをご紹介 | メタバース相談室 (xrcloud.jp)
続いて、「安全運転のための、テック脳活」です。
これは、運転を業務とされる方々のために開発されているものですが、実際にスマートフォンアプリを起動して、1日5分から10分程度実施することで、安全運転に必要な頭の回転と注意力、予測力などを高めて、運転技能を向上させてくれるようです。それを通じて、運転の質が変化し、安全運転だけでなく、エコな運転にもつながる効果が期待できるとのことで、この「テック脳活」は、自身のことだけでなく、社会的な関心度の高い、昨今の自動車事故や、環境問題などにも将来的には効果が及んでくるかもしれませんね。
そして最後は、「脳のトレーニングジムで、テック脳活」です。
そこまであるのか!といった感じですが、脳の健康に良い生活習慣を身につけることを目的としており、脳波を測るウエアラブルデバイスをつかって、集中力などを測定し、それとアプリが連動する形で、ゲームが進行していくなど、脳波次第で、ゲームのクリアの有無につながるそうです。また、脳の健康のためには、筋トレや有酸素運動、マインドフルネス、食事、睡眠などのアドバイスも加えられており、そうすることで、脳をフル稼働させたい時にしっかり動くようにしようとしているようです。「テック脳活」を通じて、健康寿命の延伸にも繋がりそうな予感がしますね。
では、なぜこのような「テック脳活」が注目をあつめるようになってきているのでしょうか。その理由は大きく2つあると思います。1つ目は、「寿命が伸びることにより、健康的な脳への意識の高まり」にあると思います。医療が発展し、身体は健康で長生きすることができるようになったけれども、脳の機能がついてこない、といったことが多く、そうすると、せっかく長生きしていても人生を楽しむことができず、そうならないようにするためにも、なんとか取り組もう、と社会全体の機運として高まっているのではないでしょうか。そして2つ目は、「手軽さ・身近化」にあると思います。脳という言葉だけを捉えると、病院に通わなくてはいけないのでは?専門のクリニックに?とどうしても考えてしまいますが、それらがテクノロジーの発展に伴って、家や近所で実践できるようになってきています。それに伴い、自身の「脳」について少し興味を持った方たちも、気軽に「テック脳活」に取り組むことができるようになってきているのではないでしょうか。
最後に、「テック脳活」にどのような可能性があるか、新たなビジネスチャンスを少し考えてみました。
「テック脳活」によるビジネスチャンスの例
■仕事を始める前に、集中力を高める脳活性化プログラムの導入
■寝る前に、脳を休め、翌日のパフォーマンスへとつなげる商品の開発
■学習塾のカリキュラムの一つに、「テック脳活」を設ける
など
「テック脳活」について考えていると、脳がつかれてきたので、今日は休んじゃおうかな、と思っています。休息も「テック脳活」の一つ!ですよね。(たぶん)
▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。
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関西支社 第一ビジネスデザイン局第一プラニングチーム
ヒット習慣メーカーズ メンバー2011年 博報堂に入社。
入社以来、マーケティング職に従事し、お得意先や世の中の課題と向き合う。基本、テレビっ子。ドラマと、阪神タイガースをこよなく愛し、阪神の勝ち負け次第で翌日の気分がちょっと違う虎吉。