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ヒット習慣予報 vol.98『海外旅行で日系チェーン観光』
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ヒット習慣予報 vol.98『海外旅行で日系チェーン観光』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの吉住です。
12月に突入し、街がイルミネーションに彩られる季節となりました。年末年始もすぐそこですね。
年末年始といえばご家族や友人と海外旅行に行かれる方も多いのではないでしょうか。
僕には毎年お金を貯金して年末年始に旅行し、年越しの瞬間を海外で迎えている友達がいます。
今年はタイムズスクエアで年越しするみたいです。羨ましいですね。
さて、今回はそんな若者の海外旅行における新たな行動「海外旅行で日系チェーン観光」に関してです。

海外旅行といえば、通常は世界遺産や観光地巡り、イベントや現地のレストランでの食事など、その国でしか味わえない体験をする事が醍醐味かと思います。
一方で「海外旅行で日系チェーン観光」は、海外旅行中に”日本にも存在するチェーン店”に敢えて訪れて、そこでの体験を楽しむという、これまでの海外旅行体験とは真逆にみえる行動です。
このような行動を行う人は特に若者に多く、私自身もSNSで海外旅行中の友人が、日本にも存在するチェーン店舗に訪れている様子を最近何度も見かけます。
中でも最も多く見られるのがチェーンの飲食店で食事を楽しむ投稿です。

具体的にどのようなパターンがあるのでしょうか。事例を3つほど紹介します。

まずは、日本のメニューとの味の違いを楽しむ事を目的としたパターンです。
チェーン店であるため、ロゴや内装、メニュー、スタッフの制服などお店の基本的な作りは日本の店舗とほとんど違いがありません。
一方で、提供される料理は、宗教上の理由で食材が変更されていたり、味が現地向けにローカライズされていたりするため、普段食べ慣れている国内店舗との味の違いを楽しむ事ができるようです。

次に、海外での食事に飽きてきた時に訪れるパターン。
海外旅行も当初こそは初めての体験が多く、例え自分の舌に合わないものを食べても楽しいものですが、滞在日数が多くなるに連れて、段々と日本食が恋しくなってきたりします。そんな時に馴染み深いチェーン店を利用する人がいるようです。

最後に、その国限定の商品を楽しむために訪れるパターンです。
チェーン店の中でも若者に人気があるブランドは、その地域の店舗でしか販売していない限定商品を売り出している事が多々あります。若者はまるで国内で限定商品を楽しむかのように、海外においてもわざわざそのチェーン店を訪れ、その店舗にしかない限定商品を楽しんでいるようです。
なぜこのような行動を行う若者が増加しているのでしょうか。大きく2つの理由を考えてみました。

1つ目の理由として、若者の旅行の仕方が変化してきている点が挙げられます。。
近年、OTA(online travel agent ※実店舗をもたずにインターネット上で旅行商品の取引を行う会社の事)の浸透に伴い、従来人気だった現地での旅程まで決めてくれるパッケージツアーを利用する若者が減少しています。
その結果、若者の旅行スタイルは、とりあえず飛行機とホテルだけを押さえ、旅先でどんな事をするかは具体的に決めず、現地でスマホで情報収集しながらゆるーく旅行をする”場面旅行スタイル”に変化してきています。

航空券とホテルのみ予約する「ダイナミックパッケージ」の検索推移 出典)Googleトレンド

そんな若者達にとって、入念な準備や下調べが必要なく、日本店舗との比較によって手軽に現地ならではの味や文化を味わえるチェーン店は1つの魅力ある観光スポットとなっているのではないでしょうか。

2つ目は、若者の”外したくない思考”が影響している点が挙げられます。
現在の若者は、食事や買い物など、何か行動する前にインターネットでレビューを見たり、SNSで口コミを確認したりする傾向にあります。そしてそこである程度品質が良い事が確認できたサービスや商品しか消費しないのです。
海外旅行では訪れる店舗の情報がない事が多く、”もし危ない店だったら”、”美味しくない店だったら”といった不安が大きくなるため、ある程度の品質が保証されていて、馴染み深い日本のチェーン店が利用されるのではないでしょうか。

最後にビジネスチャンスについて考えてみました。

「海外旅行で日系チェーン観光」によるビジネスチャンスの例
■ 日本味と現地味の比較メニューを提供する
■ 日本の観光情報誌や旅行サイトに海外における日本のチェーン店の限定商品を掲載する
■ 海外のホテル事業者と提携して、チェーン店のクーポンを宿泊者に配布する
など。

海外旅行でわざわざ日本のチェーン店へ行きたがるって不思議な現象ですよね。
やっぱりその時の状況や場所といった環境が人の動きを大きく変えるんだなあとしみじみ感じています。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

  • 博報堂 CMP推進局
    ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2017年博報堂に入社。
    現在、CMP推進局にてマーケティング職に従事。
    最近アジと鯛が捌けるようになりました。
    今年は糠漬けと梅酒とレモネードを作ることに挑戦したいです。