デジタル時代の「新・ブランド論」【第12回】 正情報と誤情報の広がり方の違いとは? ―広がりやすい情報と拡散ネットワークの特徴
早稲田大学大学院
- 澁谷 覚氏
 
東京理科大学
- 柿原 正郎氏
 
関西学院大学
- 石淵 順也氏
 
上智大学
- 杉谷 陽子氏
 
筑波大学
- 佐野 幸恵氏
 
SNSなどデジタル環境の変化に伴い、生活者の情報選択・購買・消費行動は大きく変化しています。また、様々なテクノロジーの登場によって、企業の行うデジタルマーケティングも日々進化しています。その一方で、長期的な視点に立った企業と生活者との絆づくりである「ブランド」はどうでしょ うか?デジタル時代において
世の中が不安定なほどネガティブ情報は拡散する 米満 前回(第11回)は、筑波大学の佐野先生をお迎えして、情報拡散についてご自身の研究内容も交えながらレクチャーをいただきました。今回も引き続き、情報拡散をテーマに佐野先生と一緒に議論を深めて行ければと思います。 西村 これまで私たちの研究会で、SNSで
誤情報が広がっていくメカニズム 澁谷 前回正しい情報は多くの人が一次情報をリツイートしていたのに対し、誤った情報は又聞きの又聞きといったように分岐しながら広がっていったという研究結果をご紹介いただきましたが、誤った情報を拡散した人は、誤情報だとわかっていながら拡散していたのでしょうか? 佐野 いえ、
感情が絡むと情報伝播のスピードが速くなる 杉谷 状況があいまいなときも、あっという間にデマが広がることがありますね。それこそ災害時やコロナ禍では、どう避難するか、どう対処したらいいか皆がわからない中、情報がほしいあまりにたまたま触れた内容を拡散してしまう様子がみられました。 西村 ほしい情報というの
媒介中心性と情報拡散力の関係 柿原 SNS上の情報拡散を考える上では、この10年ほどでフェイクニュースやエコーチェンバー(自分と似た意見を持つ人々と多く交流し、その意見が強化され、他の意見に触れる機会が減る現象)の問題が大きくなり、情報の質そのものが低下している状況がありますよね。ただ、それらは昔か
デジタル時代の「新・ブランド論」【第11回】 情報はどのように伝播していくのか? ―情報の流れを可視化する
筑波大学
- 佐野 幸恵氏
 
早稲田大学大学院
- 澁谷 覚氏
 
東京理科大学
- 柿原 正郎氏
 
関西学院大学
- 石淵 順也氏
 
上智大学
- 杉谷 陽子氏
 
SNSなどデジタル環境の変化に伴い、生活者の情報選択・購買・消費行動は大きく変化しています。また、様々なテクノロジーの登場によって、企業の行うデジタルマーケティングも日々進化しています。その一方で、長期的な視点に立った企業と生活者との絆づくりである「ブランド」はどうでしょうか?デジタル時代において、
自然界における数理構造を社会経済にあてはめる「社会経済物理学」 西村 マーケティング・消費者行動・心理学など専門家の先生方とともにお送りしている本連載で、現代のブランドやマーケティングを考察するにあたり、これまでの皆さんとの議論とも関連しますが、今の情報環境を理解することは欠かせないと考えています。
情報拡散ネットワークを観察する 西村 具体的に、SNS上での情報拡散はどう捉えておられますか? 佐野 ネット上の情報の流れというのは、直接的に目には見えませんが、ひとつの方法として「情報拡散のネットワークがどのような形をしているか」を観察することができます。正しい情報が広がる時、多くの人は一次情報を
「集団感情」は数値化できる 柿原 とても興味深いです。旧Twitterの調査が2011年、ウェイボが2018年ということは、生活者がメインで利用するデバイスがPCからモバイルへと変化した時期ですね。 佐野 そうですね。その点も含めて、どんどん状況は変わってきていると思います。また、今ではbotの投稿
コンテンツの信頼性と情報拡散の関係性 澁谷 なるほど。一方で、適した“状況”があっても全部がバズるわけではなく、人やコンテンツが違えば拡散の範囲も変わってくるわけで、バズらせたいと思ったらやはり人やコンテンツの信頼性が重要になってきそうですね。 西村 そうですね。信頼性やオー
デジタル時代の「新・ブランド論」【第10回】 AIはわたしたちの感情を揺さぶるのか?AIの進化と生活者の情報行動への影響を考える
早稲田大学大学院
- 澁谷 覚氏
 
東京理科大学
- 柿原 正郎氏
 
関西学院大学
- 石淵 順也氏
 
上智大学
- 杉谷 陽子氏
 
SNSなどデジタル環境の変化に伴い、生活者の情報選択・購買・消費行動は大きく変化しています。また、様々なテクノロジーの登場によって、企業の行うデジタルマーケティングも日々進化しています。その一方で、長期的な視点に立った企業と生活者との絆づくりである「ブランド」はどうでしょうか?デジタル時代において、
生成AIによる情報探索から、感情の盛り上がりはうまれるか 西村 前回(第9回)は、博報堂 メディア環境研究所(以下、メ環研)のレポート「AI時代の『検索』どうしてる?最前線」の調査結果をもとに、検索が“無意識化”していることや、若年層が「検索上位」や「フォロワー数」などを情報の
人間が持つ「AIに共感できる」という誤解の力 西村 すると、マルチモーダル(※テキストや音声、画像など、異なるデータ形式を組み合わせて統合的に処理するAI技術)がやはりカギになりそうですね。たとえば澁谷先生のお顔と声で、回答を話してくれたら、説得力がありますし感情も揺さぶられそうです。また別の身近な
AIが生活に浸透したとき、人の行動はどう変わる? 柿原 前回、新聞やテレビの報道は「信頼できる」と思い込んでいるという話が挙がりましたが、AIもいったん「信じられる」と思ったら、信頼性が高まるように思いますね。SNSでも、フォロワーの多い人を信じられるというのはある種の思い込みで、構造的には同じです
AIが擬人化されることのリスク 石淵 いずれにしても、AIの活用が、人間の能力の拡張につながることは間違いないと思いますね。たとえばホテルのレビューをAIが要点だけ提示してくれるのも、能力の拡張のひとつですし。ですが、その先ですよね。要点や3つほどの候補をAIが出してくれた後、自分で調べるのか、それ
人間らしいAIロボットは望まれるか 柿原 ロボットの擬人化は“人型ロボットの夢”として、もう100年来、数々の小説や映画に出てきますよね。この夢を捨てる必要はないと思う一方で、本当に用途とシーンに気を付けないといけないと感じています。AIの自律性は、やはり人間がコントロールし
デジタル時代の「新・ブランド論」【第9回】 “無意識的”な検索の広がり-情報の信頼性の拠り所はどこにあるのか?
早稲田大学大学院
- 澁谷 覚氏
 
東京理科大学
- 柿原 正郎氏
 
関西学院大学
- 石淵 順也氏
 
上智大学
- 杉谷 陽子氏
 
SNSなどデジタル環境の変化に伴い、生活者の情報選択・購買・消費行動は大きく変化しています。また、様々なテクノロジーの登場によって、企業の行うデジタルマーケティングも日々進化しています。その一方で、長期的な視点に立った企業と生活者との絆づくりである「ブランド」はどうでしょうか?デジタル時代において、
生活者は、AI検索で「検索」しているのか? 西村 今回は、「生成AIと情報探索・買物行動について」をテーマとしました。これまで研究会の中でも生成AIについて何度か議論になったことがありました。また、澁谷先生、柿原先生にはこちらの「有識者と考える〈生成AI〉の未来」(https://seikatsus
目的なく検索する、“無意識化”する検索 澁谷 この調査では、そのような使用も「検索」に含めているのでしょう。ただ、厳密には検索とは違う側面もありますよね。AIに対してだと、文章で質問しますね。消費者の「検索している」という意識とともに、「検索」の定義も変わってきているように感
検索エンジンとSNS検索の強みと弱み 西村 今のモードの話だと、AI検索はまだ「意識的なモード」だろうという感じがしますね。まさにSNS検索が、反射的や無意識的な検索に該当しそうだと思いました。検索しているという意識がないというか。 澁谷 そうですね。全体の回答で、SNS検索をしている人は57.1%
情報の「探索」と「検索」の垣根がなくなる 柿原 先ほど「無意識的な検索」という話が上がりましたが、まさに「そもそも検索と意識していない『情報探索』が広がっている」と言えると思います。若い人たちは、延々と情報が流れてくるフィードというSNSのインターフェースに慣れているから、検索しようという意識も検索
情報の信頼性をどう捉え、何を拠り所にしているか 米満 これまでの議論からプロンプトを活用した検索も含めて「情報探索」は形を変えつつも残っているますが、購買意思決定のプロセスにおいて「評価」のステップが生活者からより外部化しているような印象を持ちました。自分自身で比較検討し、評価するのではなく、SNS
プライバシーテック×AIの最前線──統計合成データが示す「安全性と有用性の両立」
株式会社Acompany
- 高橋 亮祐
 - 佐藤 礼司
 
今、勢いのあるAIスタートアップを紹介し、そのトップランナーと語り合うシリーズ対談「Human-Centered AI Challengers」の第2回は、「プライバシーDX」を推進するAcompanyの代表取締役CEO 高橋亮祐氏、取締役COO 佐藤礼司氏をお迎えします。博報堂DYホールディングス 執行役員
メタバース生活者たちと共にデジタル世界のこれからを考える vol.3 「メタバース生活者×経済」~コミュニティ独自の価値観が生む新しい経済観~
株式会社Zrek
- 今村 優希
 - 江口 遼馬
 
博報堂
博報堂は、2024年11月に、メタバース空間における新しい生活者価値の創出と、イノベーションを生み出すことを目指し、研究員全員がメタバース生活者当事者によって構成されたコミュニティ型プロジェクト「メタバース生活者ラボ™」を設立しました。本連載では、メタバース生活者ラボの理念に共感いただい
デジタル時代の「新・ブランド論」【第8回】 「自分と似ている」と感じるインフルエンサーを信頼する?
早稲田大学大学院
- 澁谷 覚氏
 
東京理科大学
- 柿原 正郎氏
 
関西学院大学
- 石淵 順也氏
 
上智大学
- 杉谷 陽子氏
 
SNSなどデジタル環境の変化に伴い、生活者の情報選択・購買・消費行動は大きく変化しています。また、様々なテクノロジーの登場によって、企業の行うデジタルマーケティングも日々進化しています。その一方で、長期的な視点に立った企業と生活者との絆づくりである「ブランド」はどうでしょうか?デジタル時代において、
音声解析・生成AIを活用してビジネスを進化させる ~対面商談活用へのチャレンジ~【セミナーレポート】 後編
博報堂
生成AIの発展ともに、音声解析サービスの可能性も急速に広がっています。しかし、AIを活用した音声書き起こしサービスなどの多くは、録音データやオンライン会議からの音声取得にとどまっており、リアル音声データの解析や要約といったサービスの提供は、依然として難易度が高い状況です。博報堂DYグループでは、20
音声解析・生成AIを活用してビジネスを進化させる ~対面商談活用へのチャレンジ~【セミナーレポート】 前編
生成AIの発展ともに、音声解析サービスの可能性も急速に広がっています。しかし、AIを活用した音声書き起こしサービスなどの多くは、録音データやオンライン会議からの音声取得にとどまっており、リアル音声データの解析や要約といったサービスの提供は、依然として難易度が高い状況です。博報堂DYグループでは、20
デジタル時代の「新・ブランド論」【第7回】 「束ねる価値」はブランドではなく、“人“が担っている
早稲田大学大学院
- 澁谷 覚氏
 
東京理科大学
- 柿原 正郎氏
 
関西学院大学
- 石淵 順也氏
 
上智大学
- 杉谷 陽子氏
 
SNSなどデジタル環境の変化に伴い、生活者の情報選択・購買・消費行動は大きく変化しています。また、様々なテクノロジーの登場によって、企業の行うデジタルマーケティングも日々進化しています。その一方で、長期的な視点に立った企業と生活者との絆づくりである「ブランド」はどうでしょうか?デジタル時代において、
            
