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ARROVA ×ユービーアイソフトで語る、ゲームIPを活かしたタイアップの魅力
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ARROVA ×ユービーアイソフトで語る、ゲームIPを活かしたタイアップの魅力

近年、企業のマーケティング戦略においてゲームの活用が広まりつつあります。
ゲームメディア専業のマーケティングエージェンシーとしてさまざまな施策をサポートする株式会社ARROVA(アローバ)は、フランスのゲームパブリッシャー ユービーアイソフト株式会社との協業をスタートしました。日本におけるゲーム市場のポテンシャルや、ゲームを活用したマーケティングならではの優位性について、エージェンシーとパブリッシャーそれぞれの立場で語ります。

 

人口の約2人に1人がゲームをプレイ。日本は世界的にもユニークな市場

-はじめに自己紹介をお願いします。

古堅
ユービーアイソフトのサンフランシスコ事業所で、インゲーム広告やブランドパートナーシップなどを担当しています。
ユービーアイソフトでは数々のメジャーなゲームタイトルを、主要ゲーム機向けに提供しており、主なゲームタイトルは「アサシン クリード」「レインボーシックス」「ジャストダンス」です。アサシン クリードシリーズはグローバルで3億人のユーザーを持つゲームです。近年では、ゲームIPの映画化やNetflixシリーズ化、娯楽施設への展開などトランスメディア戦略にも力を入れています。
河合
ARROVA 代表の河合です。ARROVA はゲームを活用したマーケティングを中心に事業を展開する、株式会社Hakuhodo DY ONE の子会社です。ゲーム空間内に広告枠を設置するインゲーム広告からスタートし、現在はプラットフォームゲーム内でのブランドゲームの構築や、IPを活用したマーケティングにも注力しています。
丹羽
私はゲームパブリッシャーや技術会社とともに、ゲームを活用した広告商品の開発に携わっています。
本日は日本のゲーム市場について、そしてゲームIPとのタイアップの魅力について、3人でお話しできればと思います。

-日本のゲーム市場について、どのくらいポテンシャルがあるのでしょうか。

河合
プレイする人数の「ユーザー人口」と、どれくらいプレイしているかという「時間」の二つの概念があると考えています。
まず人数ですが、『ファミ通ゲーム白書2025』の公開データによりますと、家庭用ゲーム、ゲームアプリ、PCゲームのトータルで国内に5,400万人を超えるユーザー人口が存在すると言われています。以前は「ゲームは教育に悪い」といったネガティブなイメージを持たれがちでしたが、そういった状況は徐々に変化し、現在では年代を問わず、人口の約2人に1人がプレイするような環境になってきています。

時間の概念で見ますと、世代差はあるものの25歳以下ではSNS利用に匹敵する時間を、α世代にいたってはSNSよりもゲームに時間を費やしていることがわかります。人数の観点でも、時間の観点でも、ゲームはパブリックな存在になっていると言えるのではないでしょうか。

-古堅さんは日本の市場の魅力や可能性をどう見ていらっしゃいますか。

古堅
グローバルな視点で見ると、日本のユーザー人口は2. 2%ほどと大きい規模ではありませんが、ゲームソフトの売り上げでは約9%です。また、1人当たりのゲーム支出はイギリスと比較して2倍程度と特徴的な市場です。海外には日本発のIPや日本ブランドに親しみを持つ人が多くいますので、ゲームパブリッシャーとして日本企業とのコラボレーションは非常に魅力がある事業だと思っています。

没入感のなかでアプローチできるのが魅力。ゲーム内広告を支持するユーザーも

-ゲームを活用したマーケティングにはどのような強みがあると考えますか。

河合
ゲームそのものにファンが多いというのが一番のポイントです。
ジャンルによってファン層は異なりますが、固有のファンにダイレクトにアプローチできるところが第一の魅力です。もうひとつ、最近のデジタル広告、特にサブスクリプションサービスでは「広告は課金をしたら消せる」という認識も広まりつつありますが、ゲームとのタイアップでは「このゲームとコラボしているなら見てみよう」といった能動的な接触を期待できるところが大きな魅力だと考えています。
丹羽
ゲームは課題をクリアするために自分でキャラクターを操作するので、能動的に接触するメディアです。高い没入感の中で接触した広告は記憶に残りやすいです。
例えば、アクションゲームで自分のライフが減っている時、回復アイテムとしてある企業の実在する飲料が登場するとします。自分のピンチを救ってくれたアイテムだと感じることで、日常生活でも買ってみようという動機につながります。特有の没入感の中でアプローチできることもゲームならではの優位性ですよね。
古堅
本当にそうですよね。ゲームはユーザーにとって現実から離れて思い切り遊べるデジタルプレイグラウンドです。その中で広告と意識しないような自然な形で製品をプレイスメントしたり、デジタル広告を掲出したりすることは、非常に効果的なアピールになると思います。ゲームをしている時のスリル感や友達と共有できる一体感、達成感といった感情とブランドイメージを結びつけることによって、ポジティブな印象をもたらすことができますし、ゲーム内で見た製品の認知度や購入意欲の高まりは、数々の調査でも明らかになっています。

また、アンケートではα世代の6割近くが自分のアバターやキャラクターをカスタマイズできることが重要と答えているため、企業とタイアップしたレアアイテムは非常に大きなインプレッションを残すことができると思います。

最近若い世代では特に、ゲーム内広告に対する許容範囲が広くなってきている印象があります。「ゲームの世界観のなかに馴染んでいるから受け入れられる」というコメントや、「自分が推しているゲームの開発チームのために喜んでサポートします」というコメントも聞かれます。

丹羽
自分の好きなゲーム会社が今後も続編を出し続けられるよう、積極的に広告に接触していく。ゲーム会社を応援するいわゆる「推し活」は今後広まっていきそうですよね。

ゲームの外と中でのタイアップ。ブランドの「狙い」に合わせた使い分けが可能

-ゲームと企業とのタイアップには具体的にどういうケースがあるのでしょうか。

丹羽
大きく分けるとゲームの外でのタイアップとゲームの中でのタイアップの2つがあります。ゲーム外は、ゲームキャラクターのデザインを施した商品パッケージや、商品を購入して応募するとゲームコラボのオリジナルグッズがもらえるキャンペーンなどです。

ゲーム内タイアップは、作品の中に商品を配置する、あるいは回復アイテムとして企業の商品を導入するような施策です。商品の特性を理解しやすい、使用時のイメージがわきやすいという特徴があります。

ゲーム外/ゲーム内どちらのタイアップにも共通している魅力は、ゲームのファンにダイレクトにアプローチできることです。タイトルごとにファンの属性が異なりますので、ターゲティングをしっかりコントロールすることも可能です。また、ファンコミュニティ内の盛り上がりを醸成できることも魅力です。コアなファンだけでなく、ライトな一般層まで巻き込んだ話題化が期待できます。

それぞれの魅力としては、ゲーム外タイアップでは、何らかの条件を達成することで、コラボグッズがもらえるというように、直接の購買に貢献できることが大きな魅力です。
ゲーム内タイアップでは、ゲームの世界観に自然と商品を置くことが可能です。さきほどお話ししたように、没入感のなかで強い記憶に残るという効果も期待できます。

それぞれの魅力がありますので、広告主のご要望に応じて使い分けていくイメージです。

ゲームの世界観もブランドイメージも守りながら、いい意味でユーザーを「裏切る」

-IPを活用したタイアップをおこなう時、特に気をつけていることや大事にしていることは何ですか。

古堅
ゲームとの親和性はもちろん吟味しながら、あまり私たちパブリッシャー側の固定概念にとらわれないように意識しています。私たちでは思い浮かばないような奇想天外なコラボレーションが、ユーザーにとって新たな体験を生む可能性があるからです。ブランドイメージは非常に大切ですので、どのゲームのどのようなシーンに登場させるべきかは広告主との対話を重ねながら慎重に議論していきます。
河合
ゲームの世界観もブランドイメージも、守るべきものは守りながら、ユーザーを良い意味で「裏切る」という視点は必要ですよね。
ゲームの本編に関わるところで唐突な世界観を提示してしまうと、やはりユーザーにとっては違和感になってしまいます。ゲームとの親和性が高く、ゲームコンテンツ内でタイアップした方が効果が高くなると考えられるものと、意外性による話題化を狙った施策を、ダウンロードコンテンツやミニゲームなど本編から切り出して提供するもの、というように、施策の性質によって適切なタイアップの仕方を提案するようにしています。

-これまで実施した施策について、具体例や反響を教えていただけますか。

古堅
「ファークライ」という人気シリーズで時計ブランドとのタイアップを実施しました。主人公をアシストするアイテムとしてゲーム内にブランドの時計が登場するのですが、約7割のユーザーがこの時計を装着しました。さらにゲーム外でも身に着けられるよう実際の時計も販売し、こちらも完売というとても良い結果を得ることができました。メディア露出も含めあらゆるマーケティングを協業し、ゲーム内/ゲーム外ともに、大変効果的なコラボができた例になります。

ゲームというメディアとのタイアップの醍醐味は、メディアバイイングだけにとどまらず、インフルエンサーやゲームパブリッシャー独自のネットワークによる波及効果が期待できることだと思います。

広告主、パブリッシャー、ユーザーの三方良しを実現できるサステナブルな提案を

-タイアップする企業は、ゲーム内/外など具体的なイメージを持っているものなのでしょうか。

河合
はじめはゲームを活用するマーケティングを実施したいというフラットなご相談をいただくことが多いですね。どのようなゲームとマッチングさせるのが良いか、ゲーム内/外どちらが合っているかなど、対話しながら調整していく進め方になります。パブリッシャーサイドで開発が必要な場合もありますので、施策の期間や予算などさまざまな条件を考慮してプロデュースさせていただきます。
古堅
半年ほどじっくり開発期間をかけてゲーム内タイアップを実施することも可能ですし、もう少しライトに広告を掲出することもできますので、幅広くご検討いただけたらと思います。ARROVAは、広告主との対話はもちろん、私たちパブリッシャーサイドの規制についてもしっかりと向き合ってくださるのでとても頼りになるパートナーです。海外で活動する私たちにはないネットワーク、フットワークがありますのでありがたいです。

-最後に、タイアップ施策を検討されている企業やマーケターに向けてメッセージをお願いします。

丹羽
今後もユービーアイソフトのようなパブリッシャーとのタイアップ施策をさらに拡大したいと考えています。それと同時に、やはりゲームはユーザーが楽しむためのコンテンツです。その体験をしっかり守るためにも、商材とゲームの親和性や、より良い体験につながるタイアップであることを大切にしていきたいです。
河合
ゲームとのタイアップは、ゲームパブリッシャー、そしてその先にいるユーザーを第一に考える施策です。何でもマッチングさせればよいというものではありません。ゲームがこれまで築いてきた文化やコミュニティを毀損してしまうタイアップは、結局、広告主のためにもなりません。広告主、パブリッシャー、ユーザーの三方良しを実現できるサステナブルな提案をしていきたいと考えています。

古堅
そうですね。ゲームの世界の一部になることで、ブランドへの愛着を育てるきっかけにもなりますし、新しい顧客層の開拓にも繋がると思います。ユービーアイソフトでは現在さまざまなタイトルを開発中ですので、ぜひご相談ください。
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  • ラグンザッド 古堅 亜理佐
    ラグンザッド 古堅 亜理佐
    ユービーアイソフト株式会社
    Global Lead, Media & Partnership

  • 株式会社ARROVA 代表取締役社長

  • 株式会社ARROVA メディアプロデューサー