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ヒット習慣予報vol.48『遊べるオフィス』
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ヒット習慣予報vol.48『遊べるオフィス』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

先日、知り合いの会社が引っ越しをしました。「どこに引っ越したの?」とたずねたところ、「表参道に引っ越したから、今度、遊びにきてよ」と言われました。そういえば、昔から「オフィスに遊びに来てよ」という言い方をよく聞きます。オフィスに遊びに行くのもちょっと気が引けるなー、と、そう言われるたびに毎回行くのをためらっていたのですが、昨今、オフィスは本当に「遊べる場所」になりつつあるようです。

今回のテーマは「遊べるオフィス」。
かつて、オフィスは真面目に働いて、遊ぶなんてもってのほか、と堅い印象がありましたが、徐々に変わりつつあります。この「遊べるオフィス」ですが、「動けるオフィス」「話せるオフィス」「休めるオフィス」と大きく3つに分類してみました。それらを、ひとつひとつ見ていきましょう。

まずは、「動けるオフィス」。
仕事の合間に体を動かすアクティビティの急先鋒は、「オフィス卓球」です。アメリカのシリコンバレーでは、すでにオフィスに卓球台を入れる企業が当たり前になっており、その流れが日本にも来ているのだとか。Twitterで「オフィス 卓球」で検索すると「昼からオフィスでゲラゲラ笑った」「オフィスで卓球してみて~楽しいから!」「行き詰ったら卓球でリフレッシュ」と、仕事の合間のいい気分転換になっていることが伺えます。卓球以外にも、ゴルフのグリーン、屋内プール、屋内ジョギングコース、ビリヤード、ダーツなど体を動かして気分転換ができるオフィス内施設が増えています。

「オフィス 卓球」ポジネガ分析 (Topic Finder:Twitter投稿を分析、期間は2017.11.9~2018.11.8)

続いて、「話せるオフィス」。
社員同士のコミュニケーションを活性化させるためにいろんな取り組みがみられます。一時期、社内にバーカウンターをつくって、夜になるとアルコールを振る舞う企業が増えたのもコミュニケーションを活性化させることが目的でした。最近では、「ペット同伴」で出社するのを許可している企業もあり、特に海外企業でその取り組みが進んでいるようです。ペットがオフィスにいることで、気分が癒されるばかりではなく、ペットがきっかけとなって社員同士のコミュニケーションが活性化するとのこと。また、社内にキッチンを設けて、料理をすることでコミュニケーションを促すケースも。直接コミュニケーションを促すのではなく、ペットや料理など、何かを媒介にした方が、自然と会話が生まれるのかもしれませんね。

最後に、「休めるオフィス」。
最も象徴的なのが「自然を取り入れた」オフィスです。壁に囲まれ、日光もあまり入らず、事務的な雰囲気のいかにも仕事をする場所としてのオフィスに対するアンチテーゼが進んでいます。太陽のまぶしさと暑さを自動的に調整する窓ガラスや、社内に植物が生い茂るジャングルのようなオフィス、海外にはなんと、オフィスに滝がありマイナスイオンを浴びることができるところも。仕事の合間にそんな環境でコーヒーでも飲めたら、仕事がますますはかどりそうですね。それ以外にも、昼寝を推奨したり、ハンモックでダラダラしてみたり、畳のスペースにゴロンと寝転がれたりと、そんな休める脱力系スペースは今後も増えていきそうです。

このように「遊べるオフィス」が増えている理由として、心身の健康を高めて仕事の生産性を高めること、AIなど機械化が進む中で創造的なアイデアが企業に求められていること、人手不足の状況下で企業の魅力を高め雇用を維持したいこと、そして何より社会全体が生きがいや、働きがいを強く求めるようになったことなどがあげられるでしょう。今まさに、オフィスという空間の常識が大きくディスラプトしようとしているのではないでしょうか。

このように「遊べるオフィス」は今後ますます拡がっていくことが予想され、様々なビジネスチャンスが考えられます。

「遊べるオフィス」のビジネスチャンスの例
■ 社内を楽しくするCPO(Chief Playful Officer)という役職が新設される。
■ オフィス内に社員対抗、部署対抗で楽しめるゲームコーナーをつくる。
■ エンタメ企業やアミューズメント施設が企業のオフィスをプロデュースする。
 など。

やはり、暗い職場より、明るい職場の方がいいですし、しかめっ面の人たちよりも、笑っている人が多い方が幸せですよね。といいながらも、私自身は、考え込むと難しい顔ばかりしたり、周囲と話さなくなったり、ともするとため息をついたりしてしまうので、もっと周囲を楽しませることができるような人になりたいなと、この記事を書いていて少し反省してしまいました。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

  • 博報堂 統合プラニング局チームリーダー ヒット習慣メーカーズ リーダー
    メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。
    マーケティング職として、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。飲みながらいろんな業界の人と話をするのが好きだが、気づくとお酒に飲まれている。好きな落語家は五街道雲助師匠。