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みなさん、こんにちは。博報堂ダイレクトの渡辺です。

“最近、メールの効果が落ちている”、“メルマガってもはや効果ないよね”みたいな会話が増えてきています。
皆様も、同じようなことを感じることって、きっとあるのではないでしょうか。
個人的にも、確かにそうだなと思う反面、いやいや必ずしもそうじゃないでしょう!という部分もあり、今回は、メルマガ(メール施策)をテーマに、書いてみたいと思います。

◆メールの開封率は、一般的には、10~20%程度

まず、開封率とは、メールの配信総数に対して、実際に開封(≒読んだ)した数で、メール施策を評価する際、最もよく使われる(わかりやすい)KPI(※1)です。

そのまま解釈すると、
“せっかくメールを出しても1、2割程度の人にしか、読まれていない”
“多くの顧客(会員)に、メールは意味がない”
となります。
この数字だけをみると、確かに、“メールの効果ってどうなの?”というネガティブな評価もわからなくないですね。

では、数年前はどうだったんでしょうか?
当社のクライアントさんの数年前の配信データと直近のものを比較してみたのですが、開封率だけを比較すると、すべてではありませんが、概ねそのような傾向が確認できました。やはり、メールの効果は、年々、どんどん薄れてきているということなのでしょうか。

◆メール施策にもいろいろなタイプがある

・メール会員全員に同じ内容のメールを送っているもの
 (全配信メール:いわゆるメルマガ)
・ユーザー行動(登録や購買、来店など)にあわせて配信するもの
 (行動起点メール)
・お誕生日など個人を特定して送るもの(パーソナライズメール)
など、メールにはいろいろなものがあり、開封率も異なります。

一般的には、【全配信<行動起点<パーソナライズ】と言う順番で、開封率は高くなっていきます。

全配信だと10%前後ですが、行動起点だと20~30%、パーソナライズだと30~50%と結構な幅があるのです。
全配信メールが多いことを考えると、冒頭のように“メールの効果=10~20%”となりがちですが、やり方によっては、必ずしもこの評価は当てはまらない、ということがわかります。

◆メール施策はローコストな分、効率への関心が薄かった

もうひとつ、メール施策の特長に、ローコストでコミュニケーションできる、というものがあります。

開封率の計算式は、【開封したユーザー数÷メール配信数】ですが、分母のメール配信数の中には、10年前はいいお客様だったけど、今は、そのブランドを利用していない、という休眠・離脱のお客様も含まれています。
メール施策の実施期間が長ければ長いほど、その数は増えていく訳です。
確かに、読んでないメールでも、配信停止(退会)せず、そのままにしておく、なんてこと、結構ありますよね。
つまり、アクティブなお客様(=きちんと情報を届けると、動いてもらえそうなお客様)を母数にすると、実質的な開封率はもっと高い、という解釈ができることになります。

CRMの代表的な施策に、ダイレクトメール(DM)がありますが、メールに比べてコミュニケーションコストが十倍以上もかかるため、RFM分析(※2)などを使って発送対象者を絞り込むなど、KPIを悪化させない工夫がなされてきた歴史があります。
一方、メールは1人に送るのも、1,000人に送るものほとんどコストが変わらないので、全配信というスタイルが取られており、結果、開封率が、年々悪化してきた、という側面があるということも施策評価の際に意識する必要があります。

◆新しいタッチポイントがどんどん増えてきている

ということで、見方次第では、“メール=もはや効かない施策”ではなさそうですが、一方で、メールの限界、ということを考える時期にきているとも思います。
LINEやアプリなど、タッチポイントがどんどん多様化(マルチタッチポイント化)し、世代によっては、LINEの開封率が、メールの10倍みたいな話しもよく聞きます。
また、生活者は、閲読しているメルマガの数も年々増えてきており、本当に欲しいメールしか許諾しないというメールにとってとても厳しい時代に入っています。
そう、メールはひとつの手段ではあるが、それだけでは大きな効果は期待できない、という発想がとても重要になってきているということです。

◆これからのメール施策に求められること

前述したように、パーソナライズされたメールの効果は全配信と比べて非常に高いことがわかっています。
パーソナライズ化のネックだった運用の煩雑さも、マーケティングオートメーション(MA)という仕組みによって、ずいぶん改善され、実現のリアリティが増してきました。
個人に合わせて、最適なタッチポイントに、最適なタイミングで、最適なメッセージを、という大きな流れが今後ますます加速していくことは間違いありません。
お客様を個として捉え、お客様に寄り添ったコミュニケーションを実践することで、メルマガ自体の再価値化も図れると思います。

ちなみに、本メルマガの開封率は毎月40%強。とても高い数字です。
この場をかりて、読者の皆様に、御礼申し上げます。

※1:メール施策を評価するKPI
・到達率(どれくらいメールが届いているか)
・開封率(どれくらいの人が見ているか)
・クリック率(どれくらいの人がクリックしたか)
・コンバージョン率(メール経由で、どれだけ申し込みや購買につながったか)
・エラー率(メールの配信エラーがどれくらい起きているか)
などが代表的

※2:RFM分析
顧客を、直近の購買日(Recency)、累積購入回数(Frequency)、累積購入金額(Monetary)
の3つの軸で分類する分析手法。

※※博報堂ダイレクト通信 2018年9月号より転載いたしました。

プロフィール

渡辺 創吾(わたなべ・そうご)
博報堂ダイレクト
取締役常務執行役員

1991年博報堂入社。IT部門にて、基幹システムの大規模リニューアル、新聞社、雑誌社とのデジタル化推進プロジェクトなどに従事。以降、インタラクティブ局等でネットマーケティングやダイレクトマーケティング業務に携わる。2006年BrandXing(現、博報堂ダイレクト)設立時より参画。マーケティング×IT視点でのプロジェクトワークデザイン、CRMプランニングを得意領域とする。

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