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こんにちは。ヒット習慣メーカーズの濱谷です。
ヒット習慣予報もとうとう40回目を迎えました。実は30回目も僕の記事だったので、チームメンバーが増えたことを実感しています。メンバー一同、これからも週刊で予報を続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。

暑かった夏も終わり9月になりました。気候が落ち着くと、街が8月と違った装いになり、通勤でいつも通る道が、同じ場所でも違う風景に見えるから不思議です。そんな風景を見ながら歩いていると、少し気持ちも落ち着く気がします。

さて、今週のテーマは「借景チルアウト」です。
庭園の作り方や東京タワーが見えるマンションなど「借景」は昔からある話ですが、今回は、日常の身近な風景を借景して、チルアウトする習慣を取り上げてみたいと思います。

「チルアウト」とは、くつろぐ、まったりする、落ち着くというような意味で、若者の間でよく使われるようになり、Twitterでの投稿数やニュース記事に取り上げられた件数も上昇傾向です。

直近の投稿数の変化

出典)Topic finder

チルアウトドリンク、チルアウト音楽など、色んなチルアウトの形が出てきていますが、「借景チルアウト」、つまり日常の風景を借景してチルアウトするとはどのようなものなのでしょうか。

まずは、折りたたみ椅子を持って歩き回り、街の好きな場所で腰かけてお酒を飲む「チェアリング」という行為が注目されています。ブログなどWeb上の記事を見ていると、川原でせせらぎを聞きながら、公園でコンビニで買ったおつまみを食べながら、など人それぞれのチェアリングのやり方があるようです。「芝生の上でチルしながら」、「風が心地よい」など、日常の身近な風景を借景しながら、ゆっくりとくつろいでいる人が多く見られました。

私の周囲にも、近くの小学校の校庭を借景にして戸建てを建て、日々校庭の自然を見ながら朝食を楽しんでいる人や、きれいな景色が見える喫煙スペースを愛用している人など、身近な風景の借景による、くつろぎタイムを充実させている人が多くいました。

また、ヒット習慣メーカーズが今年6月に発表した、「第一回 全国習慣実態調査」では、1年以内にはじめた習慣の1位は「歩くことを心がけるようになった」でした。
(参考:http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/47532
調査では、1年以内にはじめた習慣のきっかけやメリットと、ついその習慣を続けてしまう癖になるポイントを自由回答で聴取しています。
「歩くことを心がけるようになった」メリットとしては、体が軽くなる/落ち着く/リラックスなどが見られましたが、興味深かったのが、「癖になるポイント」です。「景色を見ることで四季を感じられるようになった」、「散歩風景」、「まわりの景色が見えるようになった」など日常の身近な風景が癖になるポイントとして挙がっており、借景が、最近で最も多く始められた「歩く」習慣の触媒にもなっていることが分かりました。

では、なぜこのような「借景チルアウト」が流行ってきているのでしょうか。

1つは、見る景色を変えられる、ということです。チェアリングをしている人の投稿の中には「その日の気分に応じて、好きなところにいけること、好きなポジションで飲めることが良い」といった内容の投稿が多くあり、日々歩く習慣をはじめた人には、「色々な景色を見るために散歩するコースを変えている」というような回答も見られました。
スマホ社会になり、日々細切れで大量のコンテンツを消費する中で、人は飽きやすくなったり集中力が持続しなくなったりしているのではないでしょうか。その中で、その日の気分に合わせて見る景色を変えられるのが、借景チルアウトの魅力になっているようです。

もう1つは、思いがけない景色に出会える、ということです。ネット上では自分の行動履歴に応じて商品がレコメンドされ、自分が興味のある人や領域の投稿ばかりを目にするようになる中で、リアルで、思いがけないものや予測できないものと出会う体験を求めるようになってきているのだと思いました。

さて、今までのヒット習慣予報と同様に、「借景チルアウト」にも色々なビジネスチャンスがあると考えます。

「借景チルアウト」のビジネスチャンスの例
■ オフィスにて、美しい景色を見ながら作業ができるスペースを設ける
■ 飲料メーカーが、海、公園の自然など景色に合わせた味わいの飲料/チューハイを作る
■ 現在地と目的地を入れると、景色がきれいな散歩コースを推奨するアプリを開発する
など。

気乗りしない日、少しイラッとした日などは、日常の身近な風景を見ながら好きなことをして、「借景チルアウト」してみてはいかがでしょうか。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

プロフィール

濱谷 健史(はまたに・けんじ)
博報堂 第三プラニング局
ヒット習慣メーカーズ メンバー

2010年 シンクタンクに入社し、2014年 博報堂に中途入社。ヒット商品やヒット習慣を作りたいと願いつつ、日々マーケティング/コミュニケーション立案に取り組む。2000年代のドラマ好きで、おすすめは「僕の生きる道」と「華麗なる一族」。

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