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事業成長戦略は、立案されるだけでは価値がありません。実行され更新され続けて初めて、意味を持ちます。中長期の未来シナリオと、それに応える柔軟なシステム開発。それをセットで考える成長戦略こそが、時代の変化を受容できる実行力のあるものになるのです。
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局 ユーザーエクスペリエンスデザイン部 部長 入江謙太が、持続的な事業成長に必要な「クリエイティビティ×システム開発」について先日行った“生活者データ・ドリブン”マーケティングに関するセミナーで語りました。

クリエイティビティとシステム開発を合わせて語られることは、これまでほとんどありませんでしたが、これからは両者を掛け合わせていかないと、事業の成長はないと私たちは考えています。広告が効きづらくなったといわれる今、顧客ともっと深くつき合うには、システムを含めて考えることが必要になってきています。

こうした広告やマーケティングの状況に対応するために組織されたのが、「博報堂マーケティングシステムコンサルティング局」(以下、HMSC)です。HMSCは、広告領域において、博報堂が長年にわたって培ってきたクリエイティビティを生かして、企業の事業成長に貢献するための新しい専門組織です。事業成長に貢献するには、CMプランナーやコピーライター、デザイナーなど、従来のクリエイターだけでは足りないことから、HMSCは経営コンサルタント、データアナリスト、システムエンジニア、UXプランナーなど、多様な職能を集めた組織となっています。中途入社の比率は約65%にのぼり、まさにこれまでの博報堂の枠を超えたメンバー構成になりました。さらには、立案した戦略の実行部隊である、博報堂マーケティングシステムズも戦略的子会社として備えており、博報堂としてもチャレンジングな組織になっています。こうした組織編成により、HMSCでは戦略の立案から実行、環境の変化に応じた更新までを行うことができ、これまでにない新しい提供価値を届けられるのです。

HMSCでは、中長期的な視点に立って収益性を高めるにはどうすればいいかといった相談や業務依頼を多く頂いています。当たり前のことですが、こうした場合にCRMやオウンドメディア、マーケティングオートメーションなどを考える際も、必ず事業成長と掛け合わせることを重視しています。そして、これらの業務の裏側には必ず「システム」があります。ここでいうシステムとは、マーケティングシステムを指し、BI(ビジネスインテリジェンスツール)、DMP(デジタルマーケティングプラットフォーム)、CMS(コンテンツマネジメントシステム)などが該当します。生産システムや物流システムなど、企業の基幹システムには正確性、堅牢性、安定性などが求められるのに対して、マーケティングシステムは成長性や集客力、変化対応力などがより強く求められます。また、基幹システムは戦略をしっかりと立案した上で、システム開発につなぐのに対して、マーケティングシステムは戦略立案とシステム開発がワンチームで同時に対応していくことが重要です。

たとえば、デジタルとリアルを連携した顧客体験をつくりたいといった場合、デジタルと店舗などのリアルの顧客データベースや情報を統合したシステムが求められます。また、勝負をかけたキャンペーンで最高のコンバージョンを叩き出したいという場合も、ページの表示スピードが遅かったり、サーバーがダウンしたりしては実現が難しいでしょう。マーケティングとシステムが連携してこそ、売り上げや事業成長を生み出すことができます。中長期の未来シナリオを実現する、あるいは新しい可能性を生み出すには、変化を想定したシステム開発と、戦略立案とシステム開発の「ワンチーム」が重要です。HMSCの仕事の進め方は、クライアントの事業の資源を、生活者の価値に変えていくために、事業の活動をどのようにつくるかを、事業成長とともに考えます。それを戦略、クリエイティブ、システムの間を行ったり来たりしながら行います。その具体例をいくつかあげてみたいと思います。

ある飲料メーカーでは、飲料メーカーの自動販売機で商品を購入する際にLINEをかざすとポイントがたまり、商品が15本に1本無料になるという施策を行っています。自動販売機という事業資産をもとに、LINEを通じてキャンペーンを提供し、応募してもらうのと引き換えに生活者データを取得し、お客様にはサービスを提供するという仕組みになっています。
また、生命保険会社での事例では、営業支援システムを開発しました。力強い営業活動を行うために、提案シナリオを上司と一緒に作成するシステムです。シナリオを作成する中で、上司と部下がコミュニケーションを図ることができるというメリットも生まれます。この営業支援システムは、どのような営業スタイルをつくりたいのかという中長期のシナリオと、その裏側にあるシステムとをつないだもので、戦略立案とシステム開発のワンチームだからこそ可能になったものです。

今後も、データ活用や新しいサービス開発などにより新しい顧客接点や顧客とのつながりをつくり、「クリエイティビティ×システム開発」の強みを生かしてクライアントの皆さまの中長期的な事業成長をサポートしていきたいと考えています。

プロフィール

入江 謙太(いりえ・けんた)
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局 
ユーザーエクスペリエンス デザイン部 部長

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