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ヤフーと博報堂DYグループが2016年4月に設立したデータマーケティング会社「Handy Marketing」は、博報堂DYグループの生活者DMPと、ヤフーの検索ログなどのデータを連携させて、マーケティングソリューションや新たな広告商品を開発・提供しています。ヤフーのデータ戦略と、Handy Marketingの取り組みについて、ヤフー株式会社 代表取締役社長 CEOの川邊健太郎氏、同社CDOの佐々木潔氏、株式会社Handy Marketing CEOの柴田貞規氏が7月19日に開催された博報堂、博報堂DYメディアパートナーズ、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの3社主催で行った“生活者データ・ドリブン”マーケティング領域に関するセミナーで語りました。

ビッグデータの新たな活用と展開
-Yahoo! JAPANのデータ戦略と、Handy Marketingの取り組み-

川邊健太郎 ヤフー株式会社 代表取締役社長 CEO
佐々木潔 ヤフー株式会社 執行役員 メディアカンパニー プラットフォーム統括本部長 兼 チーフデータオフィサー(CDO)
柴田貞規 株式会社Handy Marketing 代表取締役社長CEO

「ヤフーはデータの会社になる」 ヤフーが取り組むデータ活用

セッションの前半では、ヤフー 代表取締役社長の川邊健太郎氏が登壇。2018年1月の新経営体制の発表会見で表明した「ヤフーはデータの会社になる」という宣言の背景について語りました。世界で現代の原油であるといわれるビッグデータは、AI技術との掛け合わせで大きな変革を生む可能性があり、期待が広がっていることに宣言の背景があると話しました。

現在、ヤフーが提供しているサービスは100を超え、月間のページビュー数は700億以上、Yahoo! JAPAN上での何らかのアクションを示す月間ユーザーシグナル数は1兆以上になります。
「以前は捨てていた」(川邊氏)というこの膨大なデータを利活用するために、データを効率的に蓄積でき、かつリアルタイムに解析できるよう処理基盤を強化。代表例として、省エネ性能で世界第2位を記録したスーパーコンピューター「KUKAI」の導入に言及。Yahoo!知恵袋の事例として、処理速度を約200倍に高め、通常は約9カ月必要な情報処理を1日強で完了するようになったと紹介しました。

さらにヤフーでは、さまざまな部署に所属していたデータ人財などをひとつの本部に集めて、研究や応用技術の強化。その結果、国内外で発表した論文55本、検証中の応用技術が200超という成果を収めたとのこと。
こうしたデータを、サービスを横断して利用することを推進し、Yahoo!ショッピングのデータに検索データと機械学習を掛け合わせてクリック率が4.5倍になった例や、ジャパンネット銀行の融資・与信情報に、Yahoo!ショッピングの履歴データと機械学習を掛け合わせ、融資可能店舗が50%増えた例を挙げました。

「データの力をヤフー以外でも活用したい」と言う川邊氏は、マーケティング以外でのビッグデータ利活用のひとつとして、産官学とのビッグデータ連携を推進する「データフォレスト構想」を紹介。2019年度の事業化を目指して、現在、地方自治体やメーカーなどと実証実験を実施中であり、このような様々なデータ・ドリブンな試みを通じて、未来を共に創ることを呼びかけました。

月間ログインユーザー4,300万のYahoo! JAPAN IDを生かしたソリューションの提供を目指すHandy Marketing

セッションの後半では、ヤフーのチーフデータオフィサー(CDO)の佐々木潔氏と、Handy Marketing代表取締役社長CEOの柴田貞規氏が登壇。ヤフーと博報堂DYグループが2016年4月に設立したデータマーケティング会社、Handy Marketingの役割や機能について紹介しました。

Handy Marketingの役割について柴田氏は、博報堂DYグループの生活者DMPと、Yahoo! JAPANの検索ログ、Eコマースデータ、サイト行動データなどを連携させて、マーケティングソリューションや新たな広告商品を開発・提供することと解説。基幹データとして活用している「Yahoo!メディアオーディエンスパネル」というデータベースは、関東・関西に居住するモニター約8,000人の24時間365日のテレビ実視聴データとYahoo! JAPANにおけるサイトの行動データを紐付けたものです。

佐々木氏は、Yahoo! JAPANのトップページやYahoo!ショッピングなどの検索ログをはじめ、多様なデータからユーザーの興味や必要性がわかると紹介しました。例えば、「哺乳瓶_準備」という検索キーワードは出産の40日から31日前に多く、出産から9日後までは「哺乳瓶_飲ませ方」、10日後からは「哺乳瓶_旅行」への検索ニーズが高まります。このようにユーザーの悩みや興味が徐々に変わってきたことが検索キーワードから読み取れると解説しました。

参考:ビッグデータから見えたママの悩みと育児あるある生後102日頃には子供をモデルに応募したくなる?
https://about.yahoo.co.jp/info/bigdata/special/2017/05/

このように膨大な検索ログからは、ユーザーがどういう選択をして、何を買い、どのようなことを話題にしているかといったことが分かります。こうしたデータからユーザーを理解することにより、よりよいサービスやマーケティングを提供したいと話しました。

さらに、ヤフーが「データフォレスト構想」におけるデータ活用について、他企業と進めている実証実験についても紹介。ある自動車メーカーでは、「試乗」などのYahoo! JAPANの検索ログと、自動車メーカーが保有する販売台数データを、販売台数予測に活用するための共同研究や、バス路線の検索データと、チケットの実売数データの相関関係を分析して、バスの増減便の予測に役立てる研究なども行っていると紹介されました。

佐々木氏は複数のデータをつなげて深く見るだけでなく、長期的に見ることが大切で価値があるとし、「時系列で見ることが重要で、データは幅が必要」と話しました。Handy Marketingが提供しているソリューションのひとつ、「Handy Market Analyzer」でも「ユーザーの検討行動の時系列可視化」や「特定キーワードの検索回数や頻度の変化」という機能を提供しています。柴田氏は「データを解釈して企業の課題解決に活用することもHandy Marketingが得意とするもので、必要な人材も配置している」とアピールしました。

Handy Marketingのこれからについて、柴田氏は「月間ログインユーザー4,300万というユーザーIDに代表されるヤフーの大きな顧客基盤を使い、新しいソリューションを提供したいと思います」と語りました。

最後に来場者に向けて佐々木氏は、「みなさんと一緒に『データフォレスト構想』を通じて、日本の国内総生産(GDP)を上げていきたい」と語ってセッションを終えました。

プロフィール

川邊 健太郎
ヤフー株式会社 代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)

青山学院大学法学部卒業。在学中に設立したベンチャー企業がヤフーと合併し、2000年にヤフー入社。2012年4月に最高執行責任者執行役員に就任し、2018年6月より現職。

佐々木 潔
ヤフー株式会社 執行役員 メディアカンパニー
プラットフォーム統括本部長 兼 チーフデータオフィサー(CDO)

2009年ヤフー入社。マーケティング部門の研究開発者、データ部門の開発責任者を経て、2017年にCDO(チーフデータオフィサー)に就任。2018年4月から現職。

柴田 貞規
株式会社Handy Marketing 代表取締役社長CEO

1996年からデジタル関連業務に従事。数年はウェブ制作、プログラミングを経験。その後コンテンツ開発、ウェブコンテンツの編成業務を行い、2007年に博報堂DYメディアパートナーズに入社。リスティング広告、DSPの責任者をつとめ2013年より博報堂DYグループの生活者DMPの企画をリード。2018年4月より現職。専門は、デジタルメディア、アドテクノロジー、デジタルマーケティング、デジタル人材育成。

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2018.09.05

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