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マーケティングにおける分析・実施の精度を上げていくには、各種ソリューションの利用によりサイロ化されたデータの統合や、デバイスを横断したIDベースで生活者を俯瞰して理解し、アプローチしていくことが求められます。博報堂DYグループの“生活者データ・ドリブン”マーケティングの基盤となる生活者DMPのこれからの新展開について、LiveRamp Managing Director of InternationalのDennis Ellis氏とD.A.コンソーシアムホールディングス株式会社とデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下、DAC)で専務取締役を務める徳久昭彦が、先日行った“生活者データ・ドリブン”マーケティングに関するセミナーで語りました。

「AudienceOne」と「LiveRamp」の統合が実現

このセミナーの前日、DACは「LiveRampと連携し「AudienceOne」のデータ基盤を強化」というプレスリリースを発表しました。

 リリースの骨子は「生活者DMP」のコアを構成するID基盤「AudienceOne」と、世界最大級のID統合基盤「LiveRamp」が連携することで、国内最大規模のオムニチャネルIDを有するDMPが実現するというもの。
 
 本セミナーでは、このリリースを受け、当事者である両社の責任者が壇上に立ち、自社の強みに加え今回の大規模データ連携による効果について、それぞれプレゼンテーションする形で行いました。

世界最大級のID統合基盤「LiveRamp」とは?

最初にプレゼンテーションを行ったのは、今日のためにロンドンから会場に駆けつけたLiveRamp Managing DirectorのEllis氏。「LiveRamp が実現するID統合マーケティング」と題し、LiveRampの強みと今回のID連携がもたらす意義について語りました。

 「LiveRampは、2011年にサンフランシスコで設立された世界最大級のID統合基盤を提供するソリューションベンダーであり、ヨーロッパ、アジア・太平洋地区において、順調に事業を伸ばしています」とまずはその成長性について述べました。

そのうえで、世界的なブランドの数々が、LiveRampを自社のマーケティング活動に採用している背景について説明しました。

 「LiveRampは、オフラインとオンラインのIDを高いマッチング率で顧客データと統合できるため、マーケターはあらゆるタッチポイントで、顧客を深く理解したマーケティングが実現できるようになります」

 こうしたソリューションをLiveRampが実現できる理由について、Ellis氏は「世界で25億の消費者分析データを保有していること」、「世界で550を超えるソリューションパートナーとの連携による高い拡張性を実現できること」、そして「高いマッチング精度によってきちんとした裏付けができること」と述べました。

「米国にてComScoreの1200万人分のパネルデータを使って検証したところ、非アクティブIDを含む全LiveRampIDのマッチング精度は95.3%でした。また、あるブランドのCRMデータをサンプルにした場合には98.9%という非常に高い精度を確認できました。この数字はどのサービスよりも高いと自負しています。」

 LiveRampユーザーもこの状況に満足しており、最近同社が行った顧客向け調査では、92%のマーケターがオムニチャネルIDの有用性を認め、さらなる投資を表明するだけでなく、83%がその費用対効果に満足しているといいます。

 実際、効果についての評価も高く、ある外資系自動車メーカーの事例では、LiveRampと自動車関連の統計データ、自社の顧客データをかけ合わせることで、プロモーションビデオの視聴率が21%向上、顧客獲得コストを35%も減らすことができたそうです。

 また、ある化粧品ブランドは、顧客のデモグラフィックやオンライン、オフラインのデータをLiveRampで統合し、Webコンテンツのパーソナライズを行ったところ、顧客獲得コストが50%減り、費用対効果は3倍にまで向上したといいます。

 これらを説明した上で、LiveRampが選ばれる理由を、
1.スケール&正確性2.フォーカス&スピード3.セキュリティ&データ倫理4.柔軟性の4点において優れているから、とアピールしました。

「大量で複雑なデータに翻弄されているマーケターを救いたい」

昨今、データが大規模化、複雑化し続ける中で、IDの統合管理がより一層難しくなりつつあるのはご承知の通りです。

 例えばひとりの生活者が、新しいデバイスを使い始めると、デバイスに紐づく膨大なデータが日々オンライン上に生成されることになります。つまり、世の中にコネクテッドデバイスが増えれば増えるほど、それに応じて膨大なIDとデータが生まれるわけです。

 しかしデータの増大はオンラインだけに限りません。オフラインにおいてもライフステージの変化によって、ひとりの人物に紐付く電子メールや電話番号、住所などの情報は増える一方。こうした状況を打開するのは今日においても容易なことではありません。

 しかしLiveRampは、独自開発した「ABILITEC LINK」という技術によって、膨大で複雑極まりないオフラインIDを統合することに成功しました。さらに「IdentityLink」という技術を確立したことで、IDを不可逆的に匿名化し、デジタル上のあらゆるタッチポイントで安全に活用可能なデータに変換できるようになり、世界有数の大規模IDグラフ基盤の構築を実現しました。

 Ellis氏は、これらの技術によって成長を遂げたLiveRampの役割を「大量で複雑なデータに翻弄されているマーケターの皆さんに対し、正しいお客様へ、正しいストーリーを、正しいタイミングでお伝えできるようにするための手助けであり、しかも、その可能性はAudienceOneとの統合によって、さらに大きく飛躍するだろう。オンラインを中心とした膨大なデータを蓄積するAudienceOneと、オンラインIDとオフラインIDを統合管理できるLiveRampが統合されれば、日本の顧客に対してより効果的なマーケティング施策が提案できる。」と語りました。

 プレゼンテーションの最後にEllis氏は「これからDACと力を合わせ、高品質なID 統合マーケティングが提供できることを楽しみにしている」と締めくくり、会場からは大きな拍手が贈られました。

DACが提供する国内最大級のDMP「AudienceOne」とは?

Ellis氏の後を受けて登壇したのは、D.A.コンソーシアムホールディングスとDACの専務取締役である徳久昭彦。徳久は、DACのビジネスモデルや現在の人員体制、デジタルに強みを持つ自社の歴史などを振り返った上で、AudienceOneの強みを次のように説明しました。

「AudienceOneには、月間4.8億ユニークブラウザのCookieデータと、9000万を超えるモバイル広告IDに加え、約30項目のデモグラフィックデータと約900項目に及ぶサイコグラフィックデータの蓄積があります。さらに郵便番号をベースにした居住地データやGPS データ、ビーコンを使って来店や棚前での行動を捕捉するロケーションデータ、そのほかにも生活者に関するさまざまなデータが集積されており、すでに1000社以上の企業に活用いただいています」

さらに、DACが多彩で豊富なデータを活用している事例について紹介。ユーザーがどのような状態遷移をたどって購買に至るのかをモデル化する技術や、特定商品の購買意欲が高まる直前の変化をWeb上での振る舞いから推定する技術、またブラウザやアプリ経由の接触パターンから会員IDを必要としない独自のクロスデバイス推定技術の確立している点など、具体例を挙げて、クライアントのデータドリブンマーケティングをテクノロジーの面から支えていることを明確に示しました。

「AudienceOne」と「LiveRamp」のID統合がもたらすもの

次に、AudienceOneとLiveRampのデータ連携によるシナジー効果について「世界トップレベルのID統合技術を持つ両社のデータが、生活者DMP上でつながり、オムニチャネルIDの統合が実現されれば、オンラインとオフライン、デジタルとリアルの隔たりがなくなり、クライアントの広告費の有効活用に貢献できるようになる」と、その有用性を強調しました。

「例えば、競合商品に関心があるというターゲットのデータとクライアントのサービスをすでに利用されているロイヤルカスタマーのセグメントデータを当てると、離反予備軍と優良顧客が重なる部分が明らかとなり、最優先でフォローすべき層を可視化することが容易になります。また、AudienceOneとLiveRampのIDデータに、オフラインの既存顧客リストをかけ合わせれば、これまでダイレクトメールしか送れなかったオフライン顧客のオンライン化が実現可能となり、パーソナライズしたメッセージやコンテンツを送ったり、ネット動画広告に誘導したりといった新たなアプローチがとれるようになります。」

 

徳久は、ここで改めてAudienceOneとLiveRampが実現するID統合の価値について触れ、
「既に顧客となっている『知っているお客様』と、これから獲得したい『まだ見ぬお客様』への施策を明確に仕分けられるだけでなく、オンラインとオフラインの両面から各層に適切なアプローチができます。さらにつながらなかったデータが紐づけられ、見えなかった生活者の顔がより鮮明になることで、これからますますデータドリブンマーケティングは進化していきます。」
そして、最後に「今後、ゆくゆくはASEANにもデータドリブンを普及させたい」と意気込みを語ってこのプレゼンテーションを締めくくりました。

プロフィール

Dennis Ellis
LiveRamp Managing Director of International

前職のGoogle研究開発部門(Google X)では開発プロジェクトを率いる。現在はLiveRampの米国外の新興市場における事業展開を統括。バージニア工科大学卒、スタンフォード大学ビジネススクールMBA取得。

徳久 昭彦
D.A.コンソーシアムホールディングス株式会社
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
専務取締役

2001年DAC入社。AudienceOne/DialogOneなど独自のアドテクノロジーの開発を指揮。現在は専務取締役CMOとして、次世代技術の研究やベンチャー投資を推進。『ネット広告ハンドブック」などの執筆活動も行う。

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