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【第4回】SNS時代の効果的な
ブランドコミュニティ形成を支援する「Brand Community」とは

ソーシャルメディア時代とは何か、この時代の情報環境において有効なコミュニケーション戦略とは何か、全4回にわたって、博報堂DYグループのデジタル・コミュニケーション・カンパニー、株式会社スパイスボックスの担当者が紐解いていく連載をお届します。

第4回目は、株式会社スパイスボックス ブランドコミュニティ事業部 事業部長 コミュニケーションディレクター 大月均が、スパイスボックスから新しくリリースされたSNS時代のブランドコミュニティ形成ソリューション「Brand Community」の活用方法や事例について語ります。

SNSなどのソーシャルメディアがコミュニケーションの主戦場の一つとなってきた今、ブランドはこれらのプラットフォームとどう向き合っていくべきなのでしょうか。これまでソーシャルメディアは生活者とのタッチポイントの一つでしかありませんでしたが、ここ2~3年でその状況は抜本的に変わってきています。

今では、スマホやタブレットが生活者の情報接触ツールの中心になるなか、認知がマスメディアではなくソーシャルメディアのタイムライン上で起きることが日常になってきています。また、検索行動においても地殻変動が起きており、例えばファッションや旅行、食などの情報は検索エンジンではなくInstagramで調べられることが増えています。つまり、ソーシャルメディアは生活者にとって新たな情報との接点であると同時に、情報をより詳しく知るための場にもなっているのです。

しかし、ソーシャルメディアがこれほど私たちの生活に浸透しているにも関わらず、企業やブランドとしての活用状況は、まだまだ限定的と言えます。ただ最近では広告投下量とクチコミ量と売上の相関を見るといったような本格的な取り組みも増えつつあり、SNSやデジタルはデータの宝庫なので、より気軽なアプローチも含め、ブランドコミュニケーションに使わない手はありません。

また、スマホやSNSの浸透に伴い、今私たちは日々大量の情報にさらされています。こうしたなか、多くの生活者がいわゆる「Fファクター」と言われる「友人・家族・ファン・フォロワー」など身近な人や興味関心が合う人、共感できる人の情報を参考にして自身の行動を選択するようになっています。SNS時代のマーケティングにおいて「人」を媒介としたコミュニケーション設計を行うことは、とても理にかなっているのです。

口コミは、フォロワーの「量」だけでなく「質」が重要

今回ご紹介する「Brand Community」は、前回ご紹介した「BRAND SHARE」と対(つい)となるものです。「BRAND SHARE」はFacebook と Twitter を主にして「コト」を発見し、「Brand Community」は主に Instagram を使って「人」を発見します。

「人」と一口に言っても、単にフォロワーが多いだけの人よりも、特定のテーマやカテゴリについて強い影響力を持つ人の方が同じ1アカウントでも重みが違います。そのような「人」に、ブランド活動に協力してもらうことができれば、ターゲットに対して最適なコンテンツを発信してもらえるだけではなく、その「人」のファンやフォロワーにもブランドを知ってもらったり、好きになってもらえる可能性が高まります。スパイスボックスでは、こうした人や人の集まり(トライブ)を起点としたマーケティングは、ソーシャルメディア時代におけるブランドコミュニケーションを力強く推し進める手がかりになると考えています。

しかし現状ほとんどのブランドコミュニケーションは、単に“フォロワー数の多い人”を起用して、商品「認知」に大きな予算をかけている状態です。その場合、商品の存在は「認知」されても、「理解」や「好意」醸成までは進みにくいです。

その理由は大きく2つあります。

一つは「フォロワーにおけるターゲット含有率」の視点です。フォロワーが多い人は知名度が高い人であることが多いですが、そのような人は幅広い属性の人から“なんとなく“フォローされているだけで、その人の発信する情報に対して強い興味をもっていない場合もあります。

二つ目に「発信する情報のリアリティ」の視点です。フォロワーが求めているのはその人から発せられるリアルな情報です。PR投稿かそうでないかといったことよりも、その人らしい投稿かどうかの方がより重要です。

逆に言うと、特定のカテゴリやトライブに強い影響力を持つ人のフォロワーは非常に熱量が高いことが特徴です。その人の投稿コンテンツにはその人自身への信頼が反映されて、商品の「認知」や「理解」をも飛び越え、一気に商品への「信頼」まで獲得できる可能性を秘めているのです。ブランドコミュニティ形成ソリューション「Brand Community」に付随する「ソーシャルトライブ調査」では、この“特定のカテゴリに強い影響力を持つ「人」や「トライブ」”を精度高く発掘することができます。

「ソーシャルトライブ調査」で、ブランドと親和性の高いファンを特定

では、実際にどのように施策を設計するのかというと、まずソーシャルメディア上に顕在化している“テーマの塊”を可視化していくことからはじまります。「ソーシャルトライブ調査」を行うことで、この図にあるように、ある企業、ブランドに関係が深い「人」や「人の集まり(トライブ)」を把握していくのです。

InstagramやTwitter上の生活者データを収集・分析し、企業やブランドとともに語られている内容を読み解くと、ゆるやかに重なりながらさまざまなテーマに関連する人の集まり(トライブ)が顕在化してきます。さらに、SNSの個人アカウントの情報までブレイクダウンして見ることで、各テーマで影響力を持つ「オピニオンリーダー」(インフルエンサーやアンバサダーと呼ばれる人々)を発見することができます。こうした人のことをスパイスボックスでは、「トライブオピニオンリーダー(TOL)」と呼んでいます。独自のメソッドとツールを活用することでトライブやTOLを高い精度で発見することができるのが「ソーシャルトライブ調査」の強みです。

調査の起点になるのは特定の「ハッシュタグ」がつけられた投稿です。例えば「#コンビニスイーツ」であれば、まずはコンビニスイーツに言及された投稿を抽出します。そしてその投稿を行っているアカウントのプロフィール情報、その人物の過去の投稿内容、投稿のエンゲージメント率などを把握していきます。

特に、過去一年間にそのユーザーが投稿したすべての内容を洗い出して、投稿に頻出するハッシュタグをみていくと、さまざまなことが効率的に発見できます。例えば、釣りやキャンプ 、SUV などのハッシュタグが多い場合は、アウトドア好きであると考えることができますし、そういったユーザーが日常的にどのようなライフスタイルを送っているのかを可視化することができます。このような手法で数千以上のユーザーの投稿を分析しながらトライブマップを描き、同時にそのなかで影響力を持つTOLをリストアップしていきます。

ここでいうTOLは、従来のインフルエンサー(=単にフォロワーが多い人)とは一線を画しています。TOLとして重要なことは、単にフォロワーが多いことだけではなく、ブランドとの親和性が高く、さらに投稿コンテンツの質が高いことで、ブランドと親和性の高い良質なコンテンツを定期的に生み出せることです。そういう方々はフォロワー数が数百人程度ということもあります。例えば、シンプルなライフスタイルを嗜好する女性の中で注目されているヨガインストラクターや料理研究家など、各テーマに根差した身近でリアリティのある距離感の人がTOLとなります。

「Brand Community」 活用事例

ある自動車メーカーのイベント施策の一例ですが、ソーシャルトライブ調査によって可視化した「トライブ」にフォーカスすることで、自社ブランドや競合ブランドに関する投稿だけを追いかけても捉えられないトレンドやニーズが発見できました。それをイベントでの具体的なコンテンツや演出プランにダイレクトに活用することもできますし、そもそもどういったイベントを主催したり協賛したりするのがよいかといった戦略策定にも有効です。

また、ある生活雑貨の事例では、ソーシャルトライブ調査でブランドと非常に親和性の高いTOLを発見して商品のサンプリングを行いました。投稿の有無はあくまでもTOLの任意としましたが、その方のライフスタイルを踏まえた上でご連絡をしているので、商品をとても気に入ってくださり、毎週のようにInstagramにその商品に関する投稿をしてくれるようになりました。

ブランドに関する好意的な口コミを自然発生的に増やしていくために、多くの企業がアンバサダー施策に取り組んでいますが、現在国内で主流となっている手法には多くの課題が見受けられます。わたしたちのアプローチ方法は、ブランドにとって真に意味のある推奨者を形成していく施策としても確かな手応えを感じています。

TOLを活用することで、ブランドとの親和性が高い、本当に届けたかった人々に情報を届けることができるのは、SNS時代ならではの特徴です。

トライブ やTOLを見つけたあとは、デジタル施策に限らず、イベントや商品開発などさまざまな取り組みへと広げていくことができます。

ここまでお話してきたように、必ずしもゼロイチでブランド独自のコミュニティを作る必要はありません。むしろ、すでに存在しているソーシャル上のトライブやコミュニティを踏まえた上でコミュニケーションを設計していくことが重要なのです。

「Brand Community」は、ブランドが情報を適切に届けていくこと、そして、継続的な施策によって良質なブランドのファンやコミュニティを形成していくことを支援していきます。

「Brand Community」
https://www.spicebox.co.jp/services/brandcommunity/

プロフィール

大月 均(おおつき・ひとし)
株式会社スパイスボックス
ブランドコミュニティ事業部 事業部長
コミュニケーションディレクター

マーケティング会社でのキャリアを経て、2014年よりスパイスボックス。化粧品、製薬、スポーツ、ファッション、自動車、通信、保険、教育、飲料、食品など…多方面のクライアントを担当しながら、自社ソリューション開発を牽引。ソーシャルリスニングに基づくブランドコミュニケーション設計や、SNS・動画・インフルエンサーを活用したプランニングを得意とする。『宣伝会議』講師や『MarkeZine』など広告/マーケティング媒体での記事執筆、企業ワークショップのファシリテーターなどを務める機会も多い。

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