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ヒット習慣予報vol.30『ガヤ・エンタメ』
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ヒット習慣予報vol.30『ガヤ・エンタメ』

こんにちは。ヒット習慣メーカーズの濱谷です。
ヒット習慣予報は、とうとう30回を迎えました。毎週読んでいただいている方も、たまたまこの記事だけの方も、読んでいただきありがとうございます。このままのペースでメンバー一同、毎週予報を続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。
ちなみに僕は、前回コラムで書いたように、夜炭酸習慣を続けているのですが、残念ながら今のところダイエット効果は出ていません(涙)。

さて、今週のテーマは「ガヤ・エンタメ」です。
ドラマやバラエティ、ニュースに至るまで、誰かのコメント(=ガヤ)の方を見て楽しむ習慣です。

まずは、テレビでの副音声がブームになっています。
毎年、年末の歌番組で副音声の方も盛り上がっているという話はよく聞きますが、最近はドラマやバラエティ番組でも副音声の企画をよく目にします。ドラマの副音声では、出演者の裏側のエピソードトークだけでなく、視聴者からの質問に回答したり、公開収録をしたり、幅が広がっており、この3ヶ月でも「副音声」の検索が増えています。

出典:Googleトレンド

ヒット習慣メンバーズの中には、恋愛リアリティ番組の本篇を一度見て、その後に録画を副音声で見て、さらにはWebで配信されている、スタジオメンバーが本音を語る裏番組まで見ている人もいます。絶妙なツッコミや的確なコメントが、より面白さを増幅させるようです。

続いて、テレビ番組を見つつ、スマートフォンでそのテレビ番組への反応を見て楽しむ習慣も出てきています。今、テレビを見つつ、スマホも見る「ダブル・スクリーン視聴」をする人が増えていますが、テレビを見ながらスマホでメールをする、テレビで気になったことを調べる、だけでなく、ドラマやバラエティに対する他の人の投稿を見ながら楽しむ習慣です。
少し調べてみたのですが、フォロワーが5千人以上いるドラマ鑑賞アカウントがあり、役者の演技や脚本に対するコメントがあって、構成や演出に対する理解が進みそうだと思いました。また、とあるブログには、男性同士の恋愛がテーマの深夜ドラマに関して、ママ友同士でライングループを作って、(旦那を風呂に入れるなど、どこかに追いやって1人になり、)みんなで感想を言い合って盛り上がっている様子も記載されていました。

最後に、Webニュースでも、記事そのものだけでなく、それに対する反応を見て楽しむ習慣も出てきています。あるニュースアプリでは、著名人のコメントが載っていることが特徴だったり、大手ポータルサイトでも、ニュース記事の下にユーザーからのコメントが載っていたりして、ニュースに対する他の人の反応を見ながらニュースに対する見解を深めることができます。

では、なぜ、このように「ガヤ・エンタメ」習慣が増えているのでしょうか。

弊社のツールで「副音声」と同時につぶやかれている言葉を見てみると、7位に「裏話」、10位に「一緒」がランクインしました。出演者たちの裏側エピソードが聞けることや、誰かと一緒に楽しめる感覚を味わえることが、「ガヤ・エンタメ」が増えている一因になっていそうです。

出典)Topic Finder

もちろん、こうした流れを受けて、テレビの制作側やニュースサイト側が、積極的に副音声企画や第三者のコメント掲載を進めていることも一因になっているかと思います。
また、番組などコンテンツを作る際には、見ている人同士で盛り上がれるような「ツッコミどころ」をいかに仕込むかも重要になってきそうです。

さて、今までのヒット習慣予報と同様に、「ガヤ・エンタメ」にも色々なビジネスチャンスがあると考えます。

「ガヤ・エンタメ」のビジネスチャンスの例
■ 動画配信サービスが、TVとスマホのマルチデバイス連携での楽しみ方を提案する(TVで本篇、スマホで映像解説、など)
■ 映画館が、視聴者同士で楽しめる仕掛けを作る
■ AIスピーカーに、流れている番組の裏側エピソードや感想を返す機能を搭載する
など

こんな記事を書いていたら、好きな恋愛リアリティ番組の副音声版や裏トークを見たくなってきました。仕事がまだ残っている気もしますが・・・、早速、家に帰って見てみようと思います。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

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  • 博報堂 第三プラニング局 ヒット習慣メーカーズ メンバー
    2010年 シンクタンクに入社し、2014年 博報堂に中途入社。ヒット商品やヒット習慣を作りたいと願いつつ、日々マーケティング/コミュニケーション立案に取り組む。2000年代のドラマ好きで、おすすめは「僕の生きる道」と「華麗なる一族」。