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【データで紐解くBtoBの顧客開拓】VOL.3

本連載は、デジタルマーケティングの専門家である株式会社博報堂プロダクツの神谷克也と、B2Bセールスの専門家である株式会社セレブリックスの今井晶也が、B2BマーケティングからセールスまでのナレッジやTipsを紹介していきます。
連載第3回目は、顧客を購買活動に導くためには「WEBサイトに優秀な営業マンの機能」を持たせるべきだというテーマについて討議しています。
一見、WEBでのコンバージョン獲得とセールスの役割を別で考えたり、異なる事業部で推進したりすることが多いのですが、購入の意思決定や動機付けにおいては隔てて考えない方が良いことが沢山あります。
是非、これを機会に自社のWEBサイトもセールスマンの観点で見直してみてはいかがでしょうか。

★連載第1回目 「マーケティングとセールスの観点で見るリードナーチャリング」はコチラ
★連載第2回目「リードナーチャリングにおけるマーケティングオートメーションの有効活用」はコチラ

今井
今回はB2B領域における、”サービス(商品)を訴求するためのWEBサイト”についてお話したいと思います。

神谷
セレブリックスは企業の営業活動を代行するというサービスを展開していますが、新規営業だけでなく、WEBからの問い合わせ対応や、反響に対する営業活動の代行も対応されているのですよね?

今井
はい、勿論です!

神谷
様々な企業やサービスの営業代行をしているからこそ言える、質の高いコンバージョンを生み出すWEBサイトの傾向ってありますか?

今井
WEBサイトの傾向ですか、難しいですね…。
でも、デザインやユーザビリティなどはもちろん大切なのですが、それだけではないという印象ですね。

神谷
私はB2B領域の中でもWEBやシステム領域を主として担当しているので、まさにこうしたWEBサイト制作のご相談をよく受けます。
その際に多く見受けられるのが、WEBサイトのデザインや掲載するコンテンツ、ユーザビリティなど、“WEBサイトの制作や運用を施策の単体”としてこだわるご担当者様が多いことです。

今井
“WEBサイトの制作や運用を施策の単体”にこだわるというのは、どういうことですか?

神谷
もちろんデザイン、コンテンツ、ユーザビリティなどは、B2BのWEBサイトとしても非常に大事なポイントではあります。
ただ、私がWEBサイトの考え方として一番強くお伝えしているのが、「B2B企業にとってのWEBサイトは“ビジネス装置”」だ。という観点を持つことです。

今井
ビジネス装置?
具体的にどういう意味でしょうか?

神谷
B2B企業のWEBサイトは顧客との接点として機能しますが、WEBサイト単体で機能しているわけではありません。
WEBサイトは営業フローというか、営業活動のセールスジャーニーの一部でもあり、そのコアにもなりえます。
そして、顧客との接点であり、サービスへの興味と理解を促し、顧客情報を収集するというビジネス装置なのです。

今井
購買活動の一連の流れの“一部”である、という解釈ですね。
WEBサイトはジャーニーの中で顧客接点という入り口を占めており、この川上部分が上手く機能するかどうかで、その後の構造、営業部隊の戦略や行動も変わってきますね。

神谷
はい。B2B企業の顧客獲得ジャーニーにWEBサイトをマッピングすると下記のような形になります。

こうして見ると、B2B企業のWEBサイトは多くの役割を担っていることがわかると思います。

図の①~➄ですが、
① 検索やWEB広告などの流入から1st接点を得る
② 訪問された顧客に最適な情報を提供する
③ 興味ある情報を提供することで、リード情報を獲得する

また、WEBサイトにマーケティングオートメーションなどのシステムを連携させることで
④ リード情報からのメールやDM配信
⑤ WEB閲覧情報からのスコアリングやカルテ化
なども可能になってきます。

今井
そうですね、リードナーチャリングを行う上では➄・⑥の情報が精緻になっているかどうかで、応対方法やコミュニケーションのレベルが随分変わってきます。
またリードジェネレーションの役割としての①~③の中でもその重要度は変わってくるものでしょうか?

神谷
そうですね。3つとも勿論大事なのですが、そのWEBサイトがどのような目的を担っているのかによって異なります。
但し、現在はWEBサイトでサービスの情報を収集する企業が多いため、競争環境を勝ち抜くためには、顧客のニーズが顕在化する前の情報収集段階で、接点を持ち、検討候補に入りしておくことが重要です。

今井
では神谷さんの考える、B2B企業の究極のWEBサイトってどのようなものなのですか?

神谷
B2B企業の究極なWEBサイトは、営業マンの優秀なアシスタントであるべきだと考えます。
WEBサイト自体が見込み顧客を集客し、顧客の興味関心情報を添えて、営業にトスできるWEBサイトですね。
B2Bサイトが担う最終的な目的は、WEBサイト経由での売上を創り出すことです。そのため、B2B企業のWEBサイトでは、「売上につながる」ことを意識したセールスジャーニー設計が大事になります。

1 売上につながりやすい顧客を集客し、
2 訪問者が興味を持つコンテンツから売上につながる商品・サービスへ誘導し、
3 個人情報を提供する価値のあるコンテンツでリードを獲得し、
4 興味情報に沿った情報提供4で顧客の興味を醸成し、
5 顧客の興味度と興味箇所を計測し、営業マンへトスアップする

上記のような設計が重要になるのです。

今井
このステップの1〜3は営業マンの商談の初期ステップと近いですね。
営業商談の初期フローでは、大まかに
1 売上につながりやすいターゲット層をリスト化し、
2 顧客が興味を持ちそうな話から、興味範囲を探り、
3 興味範囲や課題が見えれば、そこにスコープして商品・サービスの説明へ誘導する
という流れになります。
だから、WEBサイトからのトスアップの際にここまで情報を取得できていると、商談がスムーズになるので、ありがたいですね。

神谷
こんな風に営業チームとデジタルマーケティングチームが連携できると、お互いに良いですよね。
また、営業チームとデジタルマーケティングチーム連携できるメリットは、WEBサイトのチューンアップにもあります。

WEBサイトを構築する際に設定したターゲットセグメントやペルソナ、掲載するコンテンツ、訴求するコピーやビジュアルなどは、営業活動の実態に合わせてリアルタイムでチューニングしていくことが理想です。

今井
実際の営業現場で効果のあった訴求トークや横展開できる事例などを取り入れるわけですね?

神谷
はい、まさにその通りです。
WEBサイト制作サイドだけで決めたキャッチコピーや訴求トークは、絵に描いた餅や、机上の空論になりがちです。
顧客がそのサービスを選ぶ理由、選ばない理由、ニーズが発生したキーワードなど、商談の成功パターンをもっともよく把握しているのは、現場の営業マンです。
その現場の事実に則って、WEBサイトをブラッシュアップしていくことができれば、顧客から選ばれる“ビジネス装置となるWEBサイト”に近づいていくはずです。

今井
本当に営業と考え方は一緒ですね、有難うございました。

プロフィール

神谷克也
株式会社 博報堂プロダクツ

アナログ・デジタル双方のコミュニケーションツールの企画・制作、Web企画・制作、Webコンサルティングなどの業種を経て現職。
博報堂プロダクツでは、Webプロデューサー、プロモーションプランナーを経て、デジタルとアナログ領域を越境するプランニングディレクター。

今井晶也
株式会社セレブリックス

企業の営業や販売を支援する株式会社セレブリックスにて130以上のプロジェクトで実営業活動からマネジメント、コンサルティグに従事。新商品のテストマーケティングや売れない商品の仕組みを作ったり、売り方を変えたりと現場の最善線に立ち、顧客とともに汗をかきながら様々な課題解決を提供。現在ではその経験を生かし、同社の営業コンサルタント兼主席エバンジェリストとして、営業ノウハウを中心とした講演や執筆活動に従事。代表的な活動として【宣伝会議主催の営業関連講座】【キーマンズネットでの営業コラム】等がある。

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