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データドリブンな広告の「未来のカタチ」-vol.3

先進的なアイデアを形にする自主開発型クリエイティブ・ラボ、博報堂「スダラボ」の代表 須田和博が、データドリブンで変わる広告の「未来のカタチ」を解き明かします。

ダイナミック・プライシングと
連携する広告のしくみ

ニュースなどで目にした方も多いと思いますが、IoT技術やロボットを導入した次世代コンビニのラボが作られています。vol.01でお話した「Face Targeting AD」も参加させていただいているのですが、そのラボに参加する他のテックベンダーさんとお話しして、気付いたことがありました。

そのラボ内にある一部の商品にはRFIDタグが付けられていて、商品の在庫状況などが全部データで把握できるんですね。補充の必要があるとか、もうすぐ賞味期限が切れるとか。そこで、賞味期限が切れる前に値段を下げる「ダイナミック・プライシング」が可能になり、廃棄リスクを減らせるという算段です。

なるほど。いま抱えている食品廃棄の問題も理解できますし、それに対するテクノロジーが整ったのもわかります。でもこれを“お店の中だけ”で解決しようと考えるのはちょっとむずかしくないですか?と思うのです。だって、お店の中にいる人の数は限られていて、「ディスカウント・プライスになりました!」と言われても、その人がいまお弁当を食べたくなければ意味がないわけですから。

そこで必要になってくるのが「アドバタイジングの視点」だと思います。商圏内にいる人に広告を打って、外からお客さんを連れてこないと本当の意味では解決しない。ダイナミック・プライシングと連携する、「ダイナミック・アドバタイジング」を用意しないといけないんだと思います。

e-Palette Conceptが予感させる、 “その次”の時代

今年1月、「CES 2018」で新しい考え方の電気自動車利用システム「e-Palette Concept」が発表されました。無人運転の四角い車で、その中の空間は何に使ってもいい。無人のお花屋さんにしてもいいし、無人のドリンク販売店にしてもいいし、仮眠をとるカプセルホテルにしてもいい。

もし、お店が動けるようなインフラをクルマメーカーが整えようとしているのであれば、「動くお店」に対して「動くユーザー」を誘導するような、アドバタイジングの仕組みが当然必要になりますよね。

動かないコンビニに対するダイナミック・アドバタイジング構想から、動き回るプチコンビニに対するダイナミック・アドバタイジングの時代まで、たぶんすぐに来てしまうのではないかと予感しています。

そのときに、どんな広告がふさわしいのか?まじめに考えると「ユーザーの位置情報データと、移動する車輌内の在庫情報とを連携した、モバイル広告の配信システムを組まなければならない」のですが、大胆に発想を飛躍させれば、ズバリ、この移動車両から「いし焼き芋~♪」って聞こえてくればいいんじゃないかな、と。

スダラボではよく「最古×最新」と言っているのですが、どんなに新しいテクノロジーが出現しても、人間が求めるものは昔からそんなに変わらない。だから、「ほっかほかのお芋さんだよ〜♪」みたいなプッシュ通知が、個々のユーザーにどういう風に届いたら食べたくなるのかな?と考えることが大事。古くからの「物売りの声」のよさを採り入れて、それを新技術でリプレイスするのが、効果的な「ダイナミック・アドバタイジング」なのかもしれないな・・・と思っているところです。かなり、気が早い話ですが。

漫画:須田和博

プロフィール

須田 和博(すだ・かずひろ)
株式会社博報堂
エグゼクティブ・クリエイティブディレクター/スダラボ代表

1990年多摩美術大学卒・博報堂入社。アートディレクター、CMプラナーを経て、2005年よりインタラクティブ領域へ。2009年「ミクシィ年賀状」で、東京インタラクティブ・アドアワード・グランプリ受賞。2014年スダラボ発足。第1弾「ライスコード」で、アドフェスト・グランプリ、カンヌ・ゴールドなど、国内外で60以上の広告賞を受賞。2016〜17年 ACC賞インタラクティブ部門・審査委員長。
著書:「使ってもらえる広告」アスキー新書

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    須田 和博

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