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こんにちは。ヒット習慣メーカーズの荒井です。

そろそろ春を感じる季節になってきました。これまでの様々な習慣、この春でいくつか始めてみてもいいかもしれませんね。

さて、第15回目のテーマは、「一点特化食」です。

一点特化食とは、一回の食事の品数を少なくして、その分一品の質にこだわることで、食事の満足度を高めようとする食事スタイルです。

例えば最近、何かしら一品に特化した食の専門店が話題になっています。
コッペパンの専門店、鳥の皮の専門店、サーモン丼の専門店、プリン専門店・・・などなど、多くの専門店が登場しています。

「専門店」でGoogleトレンドを見ると、検索数は上昇トレンドになっており、その中を見ると多くの場合は食に関連する専門店になっています。

また、一点特化食は外食だけに限りません。内食でも同様な傾向があります。
ある著名な料理研究家の方が「一汁一菜で日常の食事は成立する」と言っており、それも反響を呼んでいます。

これは、単に品数を減らそうという意味ではありません。お米やお味噌汁の具材などにこだわり、本当のおいしさを追求しようという動きであり、そこに注目が集まっています。

更に、「進化系○○」というネーミングもここ最近で見かけるようになりました。トムヤムクンやサラダと融合した進化系餃子、ごま油やオリーブ油を使ったオイルおにぎりや、細長く握って食べやすくしたスティックおにぎりなどの進化系おにぎり等も話題になっています。

では、なぜ一点特化食がヒットしつつあるのでしょうか?

まずは、料理に対する家事負担を極力減らしたい、けれども美味しいものは食べたいという生活者の気持ちに即しているということが考えられます。
料理は品数が増える事で負担になります。例えば、先述の一汁一菜に対して、「これで堂々と品数を減らせて安心した」という声が多く見受けられます。ただし、その分美味しさにはこだわりたい。外食では美味しいお店で溢れ、内食ではレシピサイト等で美味しいレシピで溢れる中で、更に美味しいものを求め、一品に工夫を凝らしていくというトレンドになっているのかもしれません。

また、特に外食においては、デジタル化による情報検索行動の変化も影響しているのではないかと考えています。

今、生活者にとっては、情報が溢れ、情報を選別するようになってきています。
たとえば、博報堂買物研究所の調査では、食も含めた買物全般で、これを買いたいと思っても、買物に関する情報や商品が溢れ、買物ストレスを感じて買物欲を失ってしまうという傾向が出ています。

欲求をいつの間にか忘れた生活者、75.1%

欲求を失う理由は買物ストレス

※博報堂買物研究所 「欲求流去実態調査」より

そのような中で、食も同様な傾向になっているのではないでしょうか。
今度どこか食べに行こうという話になっても、どこも同じようなお店だし、お気に入りのお店は行きつくしたし・・・という中で、なかなかお互い気が乗らずにいつの間にか行かなくなることは私もよくあります。
そのような中で、一点特化型の食の専門店は、溢れる飲食店情報の中でわかりやすい。店内画像とか、メニュー画像とかチェックしなくても、お店の名前だけで何を食べれるのかがわかる。それによって、情報選別に残りやすいという特徴があるかもしれません。
また同時に、専門店である分ここでしか食べられないという限定感があります。それによって、情報選別されるだけでなく、行く理由が作られているということかもしれません。

ビジネスチャンスとしては、以下のようなことが考えられるのではないでしょうか。

「一点特化食」のビジネスチャンスの例
■  食材メーカーがその食材を使った一点特化飲食店を作る
■  一点特化飲食店と提携して、その店長が認める最高のレシピを開発する
■  一点特化体験を食以外で作る。(洗髪専門店、首コリ専門店、爪きり専門店・・)
など

年度末のシーズン、内食でも、外食でも、いつもとはちょっと違った新しい食を楽しんでみてはいかがでしょうか?一点特化食なら、それだけでイベント性もありますし、内食にせよ外食にせよ盛り上がるかもしれませんね。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。
感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

プロフィール

荒井 友久(あらい・ともひさ)
博報堂 マーケティングシステムコンサルティング局
プロセスコンサルティング部長

SIer、メディアサービス企業、経営コンサルティングファームにて、事業企画に当事者・第三者として関与。これまで培ったビジネス視点に生活者視点を融合すべく博報堂へ転職。
全3回の執筆コラムにおいて、2回が食、1回は昼寝ということに気づき複雑な気分になっているこのごろ。

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