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博報堂ダイレクトは、博報堂グループ内唯一のダイレクトマーケティング/CRM領域の専門会社です。
2007年のiPhone発売を皮切りに、スマホが爆発的に世界中へ広がった結果、生活者のライフスタイルが大きく変化し、デジタルテクノロジーも急激に発達しました。時代の移り変わりとともに、これまでマスが中心だった広告も、現在では、より「個」に注目したマーケティングが必要になっています。
One to Oneマーケティングの実現には、顧客の属性や購買行動をより精緻に把握することが不可欠です。もともと、通販を中心としたダイレクトマーケティングの世界では、データを中心に活動していましたが、データの捉え方や活用方法など、新しい発想やさらなるイノベーションが求められはじめています。
今回、株式会社博報堂ダイレクト 代表取締役社長松田 真治、同社取締役常務執行役員渡辺 創吾が、ダイレクトマーケティングの今とこれからについて語りました。

写真左から)博報堂ダイレクト代表取締役社長松田 真治、同社取締役常務執行役員渡辺 創吾

2006年設立当初から顧客IDマーケティングを重視

-お二人の自己紹介をお願いします。

松田
博報堂ダイレクトで社長をしています。もともと博報堂の営業で、当時ある製薬会社の通販事業の立ち上げに関わっていました。その事業が成長するに伴い「ダイレクト専門の道に移った方が良いのではないか」と思うようになり、今に至ります。

渡辺
私は1991年にSEとして博報堂に入社し、それから10年ほど博報堂社内の基幹システムを作っていました。2000年に向かって広告業務のデジタル化が進んでいく中で、広告がMacで制作されるようになり、原稿がそのまま出版社や新聞社にデータ送付される時代には、周辺のネットワークを作ったり、業界の標準ルールを作ったりしていました。
その後は現場に出て、インタラクティブマーケティング局でWebサイトを作ったりメールマーケティングを実施したりしながら、CRMの取り組みをしていました。

松田
博報堂ダイレクトは、2006年に設立された株式会社 BrandXing(ブランドクロッシング)という会社が前身です。BrandXingの最初の標榜は「ブランデッドCRM」。つまり、ブランディングとCRMを掛け合わせる発想でスタートしており、そのDNAは今も引き継がれています。

私たちの考え方としては、ダイレクトマーケティングという大きな概念があり、 その一部の領域に通販やECのようなダイレクトレスポンス事業があります。通販やECに関わるクライアントが多いのは事実ですが、そこに閉じた会社というつもりはなく、広義のダイレクトマーケティングを扱っています。

ここ数年で、データドリブンマーケティングというキーワードをよく耳にするようになりましたが、弊社はもともと顧客IDをベースとする顧客IDマーケティングを実施していたこともあり、データドリブンマーケティングという言葉が広がる前から「データを成果に換える」ということを標榜していました。全てにおいてデータをベースに考え、いかに直接的な成果に早くに結びつけるか、をテーマにデータと向き合ってきています。やや専門的な領域と思われていたのが、一気に「まん中」の領域になってきたと感じています。

通販業界もデジタル化、システム化が加速

-ダイレクトマーケティングの業界動向について教えてください。

渡辺
ダイレクトマーケティングの世界もどんどん変わってきていますが、まず大きな流れとしてはデジタルシフトです。私たちは、シニア向けの健康食品や化粧品を販売するクライアントがメインで、これまでは、新聞やテレビに広告を出しコールセンターに電話をしてもらうという、オフライン型の仕事が多くありました。しかし現在では、年配の方でもテレビCMを見ながら、パソコンやスマホで注文をする方が増えており、ECというタッチポイントの重要性を肌で感じています。

松田
さらにCRMの重要性が再認識されています。昔から「CRM は大事だよね」という共通認識はありましたが、一度購入してくれたお客様に対して何か特別なアプローチをしていたかというと、実はあまりきちんと対応できていない企業が多かったのではと思います。

また、通販やECはもう日常になっていて、プレイヤーも非常に増えているため、昔と同じようなレスポンスが取れにくくなってきています。各社とも逼迫度が増しているため、一度購入してくれたお客様に「長く買い続けてもらおう」という意識が高まってきました。

渡辺
オムニチャネルもリアリティを増しています。テクノロジーの進化により統合的に顧客を管理できるようになってきたので、去年ぐらいから店舗とECを連携した提案をする機会も増えています。さらに、新規顧客がなかなか獲得できないという背景もあり、自社のECを作るだけではなく、Amazonや楽天、LOHACOなどのモール型ECを併用する企業も多くなっています。

また、クライアントからはスピードアップを求められています。例えば、今までは広告会社が月に1回広告レポートを提出するスタイルが多かったのですが、「結果をすぐに確認したい」というクライアントニーズが増えてきました。そこで、マーケティングオートメーションやAI技術を活用した分析、DMP、BIツールの活用も多くなり、これまでは企画書上の世界だったものが、リアルに関わり出しています。

少し違う切り口の業界動向ですと、コールセンターも注目されています。これまでのコールセンターは、お客様の入電に対して受け答えをする受け身の場所でした。しかし、コールセンターにはお客様の声などさまざまな情報が蓄積されていますので、マーケティング活用をしていこうという動きがあります。コールセンターも重要なマーケティングプラットフォームになってきているということですね。
このように、通販業界でもマーケティング×ITの発想が求められはじめています。

自社データに外部データを掛け合わせ、実効性の高いプランニングを

-ダイレクトマーケティングの成功に向けて、データ活用で重要なことを教えてください。

渡辺
これまでの通販業界では、顧客データ、購買データ、広告や販促施策にどんな反応があったのかというレスポンスデータ、この3点セットが基本でした。加えて、私たちが向き合っている多くの通販企業では、コールセンターの生声も非常に重要なデータとなります。しかし、現在ではどんな企業もこれらのデータを持っていますし、このデータだけを見ていても切れ味のいい、実効性の高いプランニングはなかなかできません。

そこで現在は、「自社のデータに、どんな外部データを掛け合わせるか?」が重要になってきています。例えば、そのお客様は、自社以外でどんな購買行動をしているのか、どんなサイトを見ているのかなど。自社データに外部DMPなどを掛け合わせることで、顧客データをリッチ化していきます。

松田
今、色々なことができるようになっていますが、新しいことができるようになりました、という提案は通りません。重要なのは、「データを成果に換える」ことです。「新しいテクノロジーを活用し、どういう成果が生まれるのか?」を提案するのが、我々の強みです。


-博報堂ダイレクトが重視している「データ」との向き合い方についておしえてください。

渡辺
当社の仕事は、分析やレポーティングが目的ではなく、事業会社の収益に繋げることがゴールです。

もともとダイレクトマーケティングは、One to Oneで一番可能性がある人に予算をかけ、費用対効果を上げていくという考え方です。データで今や過去を知ることはいうまでもなく、「これからこのお客様は伸びそうなのか、将来性がないのか」という視点であらゆる角度からデータを見ることが重要です。

例えば、自社ブランド以外の購買データを見て、 他社で多く購入しているのであれば自社ブランドも多く購入してもらえる可能性があります。

なかなか簡単なことではないのですが、過去の経験値をベースにさまざまな切り口から仮説・実証を行うPDCA実践こそが最重要で、日々そのような意識とスタイルでデータやクライアントと向き合っています。

博報堂ダイレクトが顧客ポートフォリオを書く時には、縦軸は「収益貢献」として現在のその人の状態を表し、横軸は「将来見込み」という軸を取っています。その横軸は外部データを掛け合わせないと見ることができない仕組みです。

将来見込み度を加味した、カスタマー・ポートフォリオ

また、単に機械的に売上を向上させるだけではなく、ブランディングの視点も非常に大事にしているのは、博報堂グループならではの視点です。

<続>

※後編は様々な取り組み事例をご紹介します。

プロフィール

松田 真治(まつだ・しんじ)
博報堂ダイレクト
代表取締役社長

1988年博報堂入社。営業部門にて、大手飲料会社、大手製薬会社などを担当。2009年BrandXing(現、博報堂ダイレクト)に参画し、本格的にダイレクトマーケティング業務に注力する。2016年博報堂ダイレクト設立とともに代表取締役社長に就任。

渡辺 創吾(わたなべ・そうご)
博報堂ダイレクト
取締役常務執行役員

1991年博報堂入社。IT部門にて、基幹システムの大規模リニューアル、新聞社、雑誌社とのデジタル化推進プロジェクトなどに従事。以降、インタラクティブ局等でネットマーケティングやダイレクトマーケティング業務に携わる。2006年BrandXing(現、博報堂ダイレクト)設立時より参画。マーケティング×IT視点でのプロジェクワークデザイン、CRMプランニングを得意領域とする。

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