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こんにちは。ヒット習慣メーカーズの中川です。

年末年始に長いお休みを頂いたので、なかなか正月気分が抜けません(笑)。ちなみに、私が好きな落語の寄席は20日まで正月公演をやっているので、実はまだ正月なんですよね。ですので、私も徐々に気合いを入れていこうと思います。

さて、今回のテーマは「サブスクリプ食」です。サブスクリプション+食で、サブスクリプ食。ヒット習慣メーカーズが考えた造語です。サブスクリプションとは、モノ単位でお金を払うのではなく、期間単位でお金を払う方式のこと。もともとは、コンピューターのソフトウェアの利用権から生まれたビジネスモデルで、1ヶ月使ったらいくら、1年使ったらいくらというような契約方法ですね。そんなモデルが「食べる」という行為にもどんどん浸透していきそうだというお話です。

このサブスクリプ食、すでにいろんな種類があります。まずは、おなじみの「食べ放題」。2時間くらいの時間を契約し、その間であれば食べたいものを自由に食べられるものですね。この食べ放題は昔からありますが、ここ5-6年くらいで勢いが増してきているのです。以下のグラフはGoogleトレンドで「食べ放題」という検索ワード数を2004年から時系列で比較したもの。2011年ごろから検索数が約4倍ほど膨れ上がっているのがわかりますね。

※Googleトレンドより

先日も、人気回転寿司チェーンや串カツチェーンが食べ放題を期間限定ではじめたところ、かなり話題になり予約が殺到したそうです。ソーシャルメディア上でも、回転寿司で「一人で40皿も食べた」「15皿しか食べられなかった」「なんとか元はとれた」など投稿が盛り上がっており、二次拡散していました。ちなみに、串カツチェーンは、食べ放題を発表したあと株価が急上昇しており、すごいインパクトだと感じました。  

次に「月額定額制」です。これはまだまだ実験段階かもしれません。例えば、月額5800円でコーヒー、ラテ、紅茶など9種類のドリンクが飲み放題になるカフェが登場しました。ソーシャルメディア上では、店舗にWi-Fiや電源が完備されていることが話題になっており、仕事や勉強などで日々活用する機会が多い人の強い味方になりそうです。このカフェ以外にも月額制で食べ放題のラーメン店や割引になる定期券を発行しているうどんチェーンもあり、今後この動きが加速しそうな予感がします。

また「定期購入型EC」も急増しています。毎月おすすめの日本酒やワインが送られてくるサービス、旬の食材が毎月届く産直サービス、ペットフードが毎月届くサービス、海外では安全で栄養価の高いベビーフードを宅配するサービスなど、実に多岐にわたっています。人間は、決断をするのに多くのエネルギーを費やします。だから選択を委ねて少しでも自分の決断を減らしてくれるようなサービスは今後もあらゆる領域で広がることでしょう。

なぜ今、サブスクリプ食が増えているのか?その背景のひとつとして「エンゲル係数の増加」が挙げられます。エンゲル係数は家計消費の中の食費の割合を示したもの。食品価格の上昇や中食の増加などが起因し、食費が家計を圧迫しているようで、その影響もあり少しでも食費を抑えたいという気持ちが高まっているのかもしれません。

※「二人以上の世帯のエンゲル係数の推移」総務省・家計調査より算出

では、増え続けるサービスの中で成功するにはどうしたらよいでしょうか?

私たちが考える成功のポイントは、「経済性」と「多様性」です。食べ放題も月額定額制も食べる前に一定の金額を支払うリスクがあるので、当然そのリスクに見合うお得感が必要ですね。しかし、単に安いだけでは飽きられてしまします。先日メンバー同士で牡蠣の食べ放題に行ったのですが、一種類だけだと多く食べるのに限界があると感じました。前述の回転寿司チェーンの食べ放題は寿司自体がバラエティに富んでいますが、それだけではなくお味噌汁、唐揚げ、茶碗蒸し、デザートなど幅広く楽しんでいる人が多いのが印象的でした。今後、サブスクリプ食を導入する際には、このいろいろ楽しめて飽きないという「多様性」も考慮にいれるといいと思います。

今回ご紹介したサブスクリプ食は、ビジネス上も、顧客との関係強化、CRM観点で、また閑散期やアイドルタイムの活性化の観点から、今後サービス業のみならずメーカーにも広がっていくのではないでしょうか。

「サブスクリプ食」のビジネスチャンスの例
■コンビニで毎日好きなおにぎりがもらえる月額制のおにぎり定期券を導入してみる。
■飲料メーカーの商品の中から好きなものを1日3本選んで飲めるパスポートを発行。
■サラリーマンのランチ向けの月額制お弁当宅配サービス。など。

このサブスクリプ食の波に乗るべく、先日、家の近所の居酒屋でやっている「樽出しワイン2時間980円で飲み放題」という破格のサービスを体験してきました。持ち前の貧乏性が炸裂し、2時間後にはすっかり酔ってしまい。。今年も食べすぎ飲みすぎには、くれぐれも注意しましょう。

▼「ヒット習慣予報」とは?
モノからコトへと消費のあり方が変わりゆく中で、「ヒット商品」よりも「ヒット習慣」を生み出していこう、と鼻息荒く立ち上がった「ヒット習慣メーカーズ」が展開する連載コラム。感度の高いユーザーのソーシャルアカウントや購買データの分析、情報鮮度が高い複数のメディアの人気記事などを分析し、これから来そうなヒット習慣を予測するという、あたらしくも大胆なチャレンジです。

プロフィール

中川 悠(なかがわ・ゆう)
博報堂 統合プラニング局チームリーダー
ヒット習慣メーカーズ リーダー

メーカーの商品開発職を経て、2008年に博報堂中途入社。マーケティング職として、日々お得意先や社会の課題に向き合っている。飲みながらいろんな業界の人と話をするのが好きだが、気づくとお酒に飲まれている。好きな落語家は五街道雲助師匠。

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