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【データで紐解くBtoBの顧客開拓】VOL.2

本連載は、デジタルマーケティングの専門家である株式会社博報堂プロダクツの神谷克也と、B2Bセールスの専門家である株式会社セレブリックスの今井晶也が、B2BマーケティングからセールスまでのナレッジやTipsを紹介していきます。
連載第2回目は、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)におけるマーケティングオートメーションの有効活用。B2Bマーケティングにおいて、どのようにマーケティングオートメーションを活用しリードナーチャリングするべきなのか、マーケティングとセールスそれぞれの観点から「マーケティングオートメーション」の活用方法に対してディスカッションしました。
★連載第1回目 「マーケティングとセールスの観点で見るリードナーチャリング」はコチラ

写真左から)セレブリックス今井晶也、博報堂プロダクツ神谷克也

マーケティングオートメーションがなぜ必要なのか?

今井
前回のコラムでは、B2Bマーケティングにおけるリードナーチャリングを成功に導くためには、システム頼りにせず、人が介在した育成活動が重要だと説明しました。
とはいえ、マーケティングオートメーションを有効活用できれば、効率面や成果面で更なる効果を期待できますよね。
そもそもB2Bマーケティングにおけるマーケティングオートメーションの役割はどのような機能を持つのでしょうか?

神谷
簡単に言うと、見込み客の属性やステータスにそれぞれあわせたコミュニケーションをとることで、見込み客の購入意欲(HOT度)を高めるものです。
営業商談では、お客様の業種や職種、購入意欲によって提案の仕方が変わってくると思いますが、これに近いことを実施するためのツールがマーケティングオートメーションです。
マーケティングオートメーションの機能は大きく下記の2つになります。

  • ユーザーのセグメント機能
  • シナリオに沿ったコミュニケーション機能

この2つの機能をどう活かすかというと、
たとえば、下記のようなセグメントに対して、どのようなコミュニケーションを取るか、というシナリオを設定します。
A:サービス資料のダウンロードをいただいた方へ、近い業種や企業規模の導入事例をメールでお知らせする
B:商品の導入はされたが利用頻度が低い企業担当者へ、期間限定のキャンペーンをご案内し、利用促進を行う。
C:IT系サービスにおいてログインを済ませたユーザーは多いが、サービス利用が少ない企業へ、ツール説明動画を送り、社内研修に活用いただく。

上記のようなシンプルなシナリオ設計であれば人的対応でも可能なのですが、セグメントやシナリオが複数になり複雑になってくると、人的対応では追いつかずマーケティングオートメーションを導入することが多いです。

今井
そうですね、人的対応に任せると抜け漏れや品質の差も出やすくなりますね。
ちなみに、リードナーチャリングを実施している企業で、マーケティングオートメーションを導入すべき企業の傾向や見解などはありますか?また、導入を焦る必要がない企業などの傾向もあれば知りたいです。

神谷
基本的には、リードナーチャリングを実施している企業であれば、すべての企業ができれば“導入した方が良い”と思います。
ただ、これまでにターゲット属性やセグメントごとにアプローチを分けていなかった企業が、いきなりマーケティングオートメーションを導入するのはハードルが高いです。
先ほども説明したように、マーケティングオートメーションは、「セグメントされたターゲット」ごとに「異なるコミュニケーションシナリオを実施する」ツールです。
そのため、「ターゲットがセグメントされていない」「そもそもユーザーデータが蓄積されていない」企業は、マーケティングオートメーション導入前に、これらの整備を行う必要があります。

また、それ以前に検討しておいた方がよいことは、「カスタマージャーニーを描いた上で、ジャーニー上のどの部分の課題を解決するためにマーケティングオートメーションを導入するのか」を検討しておくことです。
というのは、数年前にマーケティングオートメーションという言葉がバズワード化したことで、「マーケティングオートメーションの導入ありき」な企業が増えてしまったように思うのです。

今井
マーケティングオートメーションはあくまでもツールのひとつでしかないのだから、何のために利用するのか?といった目的が見えていないと導入しても成果は出しづらいですね。

神谷
そうですね。
さらに話を進めると、マーケティングオートメーションの導入には、ざっくりと下記のステップが必要です。

  • 自社の顧客像を明確にした上で、ニーズや購入経路が異なる層ごとに、ターゲットセグメントする
  • ターゲットセグメントごとのカスタマージャーニーを描く
  • カスタマージャーニーの各ユーザー接点でのコミュニケーションを検討し、シナリオ化する
  • 各シナリオで次のステップに進んだ場合と、離脱した場合ごとのシナリオを設計する
  • 上記のターゲットセグメント、シナリオ、シナリオに沿ったコンテンツをマーケティングオートメーションに実装する

マーケティングオートメーション導入ステップ

このようにタスクをあげていくと、決めていくべきことがすごくたくさんあるので、考えれば考えるほどになかなか進行していきません。
ここではある種の割り切りが必要なのですが、初めに実装するターゲットセグメントもシナリオも仮説ベースの「叩き案」でしかなく、運用していく中で修正・改善していくものなのです。

そして、この「叩き案」の作成、運用中の改善については、デジタルマーケティング担当だけではなく、営業側のメンバーの意見を取り入れることがすごく大事だと思っています。

今井
おっしゃる通りですね。
お客様のことは、お客様と直に接している営業チームの方が把握しているでしょうし、セールスのステップも営業チームの方が詳しいことが多いと思います。
理想的なカスタマージャーニーは営業チームのナレッジやメソッドをマップ化していくことで、マーケティングオートメーションに実装するシナリオは営業チームがやりたくてもやれなかったコミュニケーションや効率化したいコミュニケーションを代替すると考えればよいのですね。

神谷
その通りです。
さらに、マーケティングチームと営業チームの協業が大事になってくるところが、マーケティングオートメーションを運用開始してからのPDCAです。

今井
具体的にはどんなことでしょうか?

神谷
マーケティングオートメーションを運用中にデータの検証をしていく中で、多くの場合は、設定していた仮説の正否として読み取ることができます。
しかし、想定外の伸びや凹みがあると当初設定していた仮説だけでは解明できないことがあります。
そんな時に営業チームの声を聞いたり、営業チームからお客様に「何故?」を聞いてもらえることはすごく大きいのです。

B2Cのマーケティング調査を行う際は、インターネット・アンケート調査などの定量調査と、グループインタビューやデプス調査などの定性調査で得られたデータを掛け合わせることが多いのですが、B2Bだと営業チームからターゲットであるお客様に直接ヒアリングができるのです。これは大きいし、やらない手はないと思います。

今井
つまり、マーケティングオートメーションの定量データと顧客の生の声を掛け合わせたデータドリブンが重要という事ですね!?
わたし達セレブリックスでは、商談が成約に至らなかった際には、『何故、買っていただけないのか?』をヒアリングする習慣があります。
理由が、本当に予算なのであれば、価格が高いのか?今のタイミングでは予算がないのか?いつなら、予算があるのか?
競合サービスに決められたのであれば、競合サービスに決めた理由は何なのか?
このような不成約理由を覆すには、商品・サービスの改定だけでなく、ターゲットの選び方や訴求や提案の仕方で改善させることが出来ると考えます。

神谷
まさに今井さんのおっしゃるとおり、マーケティングオートメーションの定量データと、顧客の買わない理由や購入に至った理由等の定性データを加味してデータドリブンを推進することが出来れば、顧客育成のHOTリード転換率は高まっていくと考えられます。

今井
顧客育成においては、デジタルとリアル、定量データと定性データを融合させたPDCAが重要なのですね。

神谷
はい、そうなのだと思います。
だから、マーケティングチームと営業チームが目的をひとつにした体制で初期接点獲得から成約までのフルファネルを意識することが大切なのだと思います。

次回は、既存顧客向けのコミュニケーションと新規顧客開拓向けのコミュニケーションの違いに触れてみたいと思います。
ありがとうございました。

今井
ありがとうございました。

B2Bビジネスサポートプログラム「MARUTTO-B2B」のご紹介

博報堂プロダクツとセレブリックスは、B2Bマーケティングにおける接点構築から顧客化までマルットサポートするB2Bビジネスサポートプログラム「MARUTTO-B2B」をリリース。
プロモーション領域を得意とする博報堂プロダクツと営業領域を得意とするセレブリックスが、それぞれの得意分野を合わせてB2Bマーケティングの接点構築から顧客化までマルットサポートいたします。

B2Bビジネスサポートプログラム「MARUTTO-B2B」の全体概要

ご興味のある方はお気軽に、下記の問い合わせフォームからお知らせください。資料の送付やご説明などいたします。

※発表したリリースはこちら⇒http://www.h-products.co.jp/pdf/info20171122.pdf

プロフィール

神谷克也
株式会社 博報堂プロダクツ

アナログ・デジタル双方のコミュニケーションツールの企画・制作、Web企画・制作、Webコンサルティングなどの業種を経て現職。
博報堂プロダクツでは、Webプロデューサー、プロモーションプランナーを経て、デジタルとアナログ領域を越境するプランニングディレクター。

今井晶也
株式会社セレブリックス

企業の営業や販売を支援する株式会社セレブリックスにて130以上のプロジェクトで実営業活動からマネジメント、コンサルティグに従事。新商品のテストマーケティングや売れない商品の仕組みを作ったり、売り方を変えたりと現場の最善線に立ち、顧客とともに汗をかきながら様々な課題解決を提供。現在ではその経験を生かし、同社の営業コンサルタント兼主席エバンジェリストとして、営業ノウハウを中心とした講演や執筆活動に従事。代表的な活動として【宣伝会議主催の営業関連講座】【キーマンズネットでの営業コラム】等がある。

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