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統合データから見出す”活きた”ターゲット像

CRMについて書かせていただくコラム、第3回目です。
(CRM・・・Customer Relationship Management)

統合データを起点にマーケティング強化に取り組むと、何がどう変えられるのか。今回は、最近の環境変化に対応しながら、具体的なアクションまでつなげていくアプローチについて、一つの考え方を挙げてみたいと思います。

これまでの”セオリー”

 はじめに当たり前の話ですが、どのようなマーケティング・コミュニケーションにおいても、その計画・実行には何らかのターゲット設定と、それに応じた打ち手が考えられています。

例えばTVCMの場合だと、

  • どんな人に買って/知ってほしいのか。その人物像について調査結果などを元に思い描く。
  • その人の生活や消費パターン/嗜好性に合わせ、メディアを介して接触を図る時期や時間帯を決める。
  • その人に届けたい情報を、効果的な表現で制作する。
  •  狙った効果が得られたかどうかを調査する。

あるいはTVなどの広告ベースのアプローチではなく、自社から届けるメールのようなものだと、

  • お届けする情報に反応してくれそうな人を、自社の顧客データからリストアップする。
  • そのリストにある人々の特徴に合わせて、届けたい情報を効果的な表現で制作する。
  • リストを元に、メールを順次配信する。
  • 狙った効果が得られたかどうかを、開封やクリック、コンバージョンなどの実反応で検証する。

といったことが基本になってきます。

こうした日々の各種活動の効果を高めていくためには、より一層、ターゲット(未顧客/既顧客に関係なく)を具体的に捉え、かつ効果的なタイミングで情報をお届けするのを追求していくことが重要となります。(個人情報保護に関する法令を遵守の上ではありますが)究極的には、一人ひとりにパーソナライズされる”One to One”で、”ピンポイントな瞬間”でお届けするのを目指す、ということです。
この一連のアクションを精度高く実行できるようになってくると、生活者視点ではおのずと「自分向け(=ジャストフィット)」で、「心地よい(=ジャストタイミング)」情報として、相手に伝わることになっていきます。

これからは、動的なターゲットを、シナリオで動かす。

そこで、データを使ったこれらの活動をクオリティアップさせるために、ターゲティング周りにおいては、以下の3つをどこまで実現できるかが重要になってきます。

  • ① ターゲットペルソナの解像度を上げる

シングルソース化された、様々な視点からなるデータを眺めることで、顧客としての側面だけでなく、日常を送る一人の生活者としてそのお客様を捉える。そこからあらためて商品/サービスや企業との接点を考え、生々しい”像”を思い描く。(前回のコラム参照 )そうすると、その人とはどこでどう接点を持ち、関心を持ってもらうことが良い結果につながるのか、そのヒントが見えてきます。

  • ② リアルタイム性を意識して状態をアップデートする

例えば、年一回や数回程度のリサーチデータやログデータをベースとした定点分析だけでは、個々人の気持ちの変化は反映できません。モノのサイクルにもよりますが、その人がHotになる時期、瞬間で変わる意向の強弱やそのUP/DOWNの兆しや理由を、できるだけマメに捉え続ける必要があります。自社とある程度の接点データがある人であれば、RFM分析に用いられるような、直近接触からの経過時間や頻度を起点に捉える方法がありますし、まだ深い接点がない人に対しても、Cookie等データの活用で関係を推しはかる事が出来ます。

  • ③ 人の動きに施策を連動させる

①や②に取り組んだ結果、こんな人だからこういうコミュニケーションを取りたい、というのを設計するには、「誰に」「何を」「どこで」届けるかに加え、「どうなったときに」も必要になります。時系列や順序の概念を加え、コンタクトやおもてなしのやり方を設計する、「シナリオ」の概念です。前述のような意向のUP/DOWNでいうと、「意向が高かったのにDOWN傾向が見えてきた人」に「食い止めるための情報提供や行動喚起を図る」ということが考えられます。さらに、それが功を奏した場合とそうでなかった場合のそれぞれで、次の手のアクションを設計しておくことも必要になってきます。

まとめると、統合データから見出す、”活きた”ターゲット像づくりのキモは、人の意識や行動のデータを掛け合わせて活用し、そこから人のペルソナと静的/動的なその状態変化をヒントにコミュニケーションを立体的に組み立てて、実行に移す。ということになります。要するに、5W1Hづくりですね。 これが具体的にできてくると、いわゆる「カスタマージャーニー」そのものになってくるはずです。さらにこの「ジャーニー」をショート/ミドル/ロングの各スパンで描けると、おのずとKPIや可視化につながり、実行時には自然とPDCA運用に落とし込みやすくなります。

次回は、One to Oneを形にする手法周りについてお話してみたいと思います。 よろしくお願いいたします。

※本記事は博報堂DYメディアパートナーズHPに掲載した記事を転載しています。
※執筆者の部署名は、執筆時のものであり現在の情報と異なる場合があります。

プロフィール

竹下伸哉
博報堂DYメディアパートナーズ
ダイレクトマーケティングビジネスセンター
ストラテジックプラニングディレクター

通信キャリアでSE、広告宣伝、サービス開発を担当し、2006年に博報堂入社。以降、マーケティングプラナーとしてクライアントの企業のマーケティング支援に関わり続け、2013年より博報堂DYメディアパートナーズ。ここ数年はスマートデバイスアプリ活用や、企業が保有するデータと博報堂の生活者データを組み合わせた、統合型のマーケティングプランニングを推進中。重度の花粉症。

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